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第208話 プレゼント
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オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
夜中、オレは部屋を歩く妙な気配に気付いて目が覚めた。
電気が消えて真っ暗な室内を何者かが歩いている。
上下グレーのスウェットを着て、サンタ帽をかぶり、ヒゲを蓄えた……パパさん。
こんな夜中に何やってんのさ?
オレは、暗い中、足音をさせぬよう抜き足差し足で歩くパパさんに飛びついてヒゲを奪ってやった。
――あ、こら、『みたらし』! ヒゲ取るなって!
――ちょっとパパ、バレちゃったじゃない。もう、ヘタクソなんだから!
パパさん、カメラを構えたママさんに怒られてら。
って、え? ママさん、動画撮ってたの?
――ほら、『みたらし』クン。クリスマスプレゼントじゃよ? ホッホッホ。
パパさん、サンタをやるならもうちょっと格好とかしっかりしようよ。
寝巻き代わりにしてるグレーのスウェットのままだなんて、手を抜きすぎだよ?
プレゼントの中身はジャーキーだった。しかも馬肉だって。なんか美味そう!
――馬肉だけに、うまそう、なんてね。
……つまんないよ、パパさん。
でもそれはそれとして、貰っておいてやろう。
どんまい、パパさん。
もう真夜中だけど、なんかジャーキー食べたくなってきたぞ!
三歳の柴犬だ。
夜中、オレは部屋を歩く妙な気配に気付いて目が覚めた。
電気が消えて真っ暗な室内を何者かが歩いている。
上下グレーのスウェットを着て、サンタ帽をかぶり、ヒゲを蓄えた……パパさん。
こんな夜中に何やってんのさ?
オレは、暗い中、足音をさせぬよう抜き足差し足で歩くパパさんに飛びついてヒゲを奪ってやった。
――あ、こら、『みたらし』! ヒゲ取るなって!
――ちょっとパパ、バレちゃったじゃない。もう、ヘタクソなんだから!
パパさん、カメラを構えたママさんに怒られてら。
って、え? ママさん、動画撮ってたの?
――ほら、『みたらし』クン。クリスマスプレゼントじゃよ? ホッホッホ。
パパさん、サンタをやるならもうちょっと格好とかしっかりしようよ。
寝巻き代わりにしてるグレーのスウェットのままだなんて、手を抜きすぎだよ?
プレゼントの中身はジャーキーだった。しかも馬肉だって。なんか美味そう!
――馬肉だけに、うまそう、なんてね。
……つまんないよ、パパさん。
でもそれはそれとして、貰っておいてやろう。
どんまい、パパさん。
もう真夜中だけど、なんかジャーキー食べたくなってきたぞ!
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