YouTuber犬『みたらし』の日常

雪月風花

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第178話 旅するカリカリ 後編

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 オレの名前は『みたらし』。
 三歳の柴犬だ。

 今日、パパさんとオレは朝から、リビングに置かれた邪魔くさいカリカリの大袋二つを車に乗せ、市内を走っていた。
 要は誰かに押し付けようとしているんだけど、あんな臭いもの誰が食べるものやら。
 とりあえず一軒目、『ハナ』ちゃんは食べなかった。

 そして次にオレたちが訪ねたのは……。

 ――うちの『もなか』、こう見えて結構グルメなんですよ。食べるかなぁ。
 ――TopYouTuber犬の『くるみゆべし』クンも食べてたヤツなんですよ。試すだけでも……。

 パパさんが食い下がる。
 そりゃそうだ。いつまでもあんな大袋、リビングに置いたままにしておけるかい。

 ありゃ。『もなか』、食べてるよ。
 余程気に入ったのか、しっぽを振って、勢い込んで食べてる。
 
 ――じゃ、そういうことで。
 ――はい。ありがとうございます。

 こうしてオレたちは二軒目で無事、カリカリの大袋から開放されることになったのであった。
 ……やれやれ。 

 助かったな、パパさん。
 そしてリビングが広くなる。
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