178 / 365
第178話 旅するカリカリ 後編
しおりを挟む
オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
今日、パパさんとオレは朝から、リビングに置かれた邪魔くさいカリカリの大袋二つを車に乗せ、市内を走っていた。
要は誰かに押し付けようとしているんだけど、あんな臭いもの誰が食べるものやら。
とりあえず一軒目、『ハナ』ちゃんは食べなかった。
そして次にオレたちが訪ねたのは……。
――うちの『もなか』、こう見えて結構グルメなんですよ。食べるかなぁ。
――TopYouTuber犬の『くるみゆべし』クンも食べてたヤツなんですよ。試すだけでも……。
パパさんが食い下がる。
そりゃそうだ。いつまでもあんな大袋、リビングに置いたままにしておけるかい。
ありゃ。『もなか』、食べてるよ。
余程気に入ったのか、しっぽを振って、勢い込んで食べてる。
――じゃ、そういうことで。
――はい。ありがとうございます。
こうしてオレたちは二軒目で無事、カリカリの大袋から開放されることになったのであった。
……やれやれ。
助かったな、パパさん。
そしてリビングが広くなる。
三歳の柴犬だ。
今日、パパさんとオレは朝から、リビングに置かれた邪魔くさいカリカリの大袋二つを車に乗せ、市内を走っていた。
要は誰かに押し付けようとしているんだけど、あんな臭いもの誰が食べるものやら。
とりあえず一軒目、『ハナ』ちゃんは食べなかった。
そして次にオレたちが訪ねたのは……。
――うちの『もなか』、こう見えて結構グルメなんですよ。食べるかなぁ。
――TopYouTuber犬の『くるみゆべし』クンも食べてたヤツなんですよ。試すだけでも……。
パパさんが食い下がる。
そりゃそうだ。いつまでもあんな大袋、リビングに置いたままにしておけるかい。
ありゃ。『もなか』、食べてるよ。
余程気に入ったのか、しっぽを振って、勢い込んで食べてる。
――じゃ、そういうことで。
――はい。ありがとうございます。
こうしてオレたちは二軒目で無事、カリカリの大袋から開放されることになったのであった。
……やれやれ。
助かったな、パパさん。
そしてリビングが広くなる。
1
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
宇宙人は恋をする!
山碕田鶴
児童書・童話
私が呼んでいると勘違いして現れて、部屋でアイスを食べている宇宙人・銀太郎(仮名)。
全身銀色でツルツルなのがキモチワルイ。どうせなら、大大大好きなアイドルの滝川蓮君そっくりだったら良かったのに。……え? 変身できるの?
中学一年生・川上葵とナゾの宇宙人との、家族ぐるみのおつきあい。これは、国家機密です⁉
(表紙絵:山碕田鶴/人物色塗りして下さった「ごんざぶろう」様に感謝)
【第2回きずな児童書大賞】奨励賞を受賞しました。ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/children_book.png?id=95b13a1c459348cd18a1)
シンデレラ。~あなたは、どの道を選びますか?~
月白ヤトヒコ
児童書・童話
シンデレラをゲームブック風にしてみました。
選択肢に拠って、ノーマルエンド、ハッピーエンド、バッドエンドに別れます。
また、選択肢と場面、エンディングに拠ってシンデレラの性格も変わります。
短い話なので、さほど複雑な選択肢ではないと思います。
読んでやってもいいと思った方はどうぞ~。
シンクの卵
名前も知らない兵士
児童書・童話
小学五年生で文房具好きの桜井春は、小学生ながら秘密組織を結成している。
メンバーは四人。秘密のアダ名を使うことを義務とする。六年生の閣下、同級生のアンテナ、下級生のキキ、そして桜井春ことパルコだ。
ある日、パルコは死んだ父親から手紙をもらう。
手紙の中には、銀貨一枚と黒いカードが入れられており、カードには暗号が書かれていた。
その暗号は市境にある廃工場の場所を示していた。
とある夜、忍び込むことを計画した四人は、集合場所で出くわしたファーブルもメンバーに入れて、五人で廃工場に侵入する。
廃工場の一番奥の一室に、誰もいないはずなのにランプが灯る「世界を変えるための不必要の部屋」を発見する五人。
そこには古い机と椅子、それに大きな本とインクが入った卵型の瓶があった。
エポックメイキング。
その本に万年筆で署名して、正式な秘密組織を発足させることを思いつくパルコ。
その本は「シンクの卵」と呼ばれ、書いたことが現実になる本だった。
ゲームシステムから自由になったNPCの私が勇者様を助けようとしたお話
めぐめぐ
児童書・童話
ストック村のアリッサは、村の名を伝えるだけのNPC。
そんな彼女が何故か心を持ち、勇者に恋をしました。
そんな彼女の元に、気まぐれな神様がやって来て願いをかなえてくれると言います。
大好きな勇者の手伝いをしたいと願い、アリッサはゲームシステムから自由になりましたが、役に立たないと思っていた彼女には、大切な役目があったのです。
とても、とても大切な役割が――
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/children_book.png?id=95b13a1c459348cd18a1)
妖精の風の吹くまま~家を追われた元伯爵令嬢は行き倒れたわけあり青年貴族を拾いました~
狭山ひびき@バカふり160万部突破
児童書・童話
妖精女王の逆鱗に触れた人間が妖精を見ることができなくなって久しい。
そんな中、妖精が見える「妖精に愛されし」少女エマは、仲良しの妖精アーサーとポリーとともに友人を探す旅の途中、行き倒れの青年貴族ユーインを拾う。彼は病に倒れた友人を助けるために、万能薬(パナセア)を探して旅をしているらしい。「友人のために」というユーインのことが放っておけなくなったエマは、「おいエマ、やめとけって!」というアーサーの制止を振り切り、ユーインの薬探しを手伝うことにする。昔から妖精が見えることを人から気味悪がられるエマは、ユーインにはそのことを告げなかったが、伝説の万能薬に代わる特別な妖精の秘薬があるのだ。その薬なら、ユーインの友人の病気も治せるかもしれない。エマは薬の手掛かりを持っている妖精女王に会いに行くことに決める。穏やかで優しく、そしてちょっと抜けているユーインに、次第に心惹かれていくエマ。けれども、妖精女王に会いに行った山で、ついにユーインにエマの妖精が見える体質のことを知られてしまう。
「……わたしは、妖精が見えるの」
気味悪がられることを覚悟で告げたエマに、ユーインは――
心に傷を抱える妖精が見える少女エマと、心優しくもちょっとした秘密を抱えた青年貴族ユーイン、それからにぎやかな妖精たちのラブコメディです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる