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第137話 クッション
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オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
――どう? これ。
ママさんがオレに向かって、ニコニコしながらクッションを見せてきた。
クッションの表面には、柴犬がプリントされている。
オレでは無い、どこかの柴犬だ。
似てるけどな。
どういうこと?
オレの視線が、ママさんの顔とクッションとを行ったり来たりする。
どうやら買い物に行ったママさんが、お店で見掛けて買ってきたらしい。
――これ抱っこしながらテレビ見たら、いい感じじゃない?
そう言って、ママさんがソファに柴犬クッションを置く。
オレは無言でクッションを咥え、自分のスペースに持っていった。
――ちょっとみたらし、どこ持っていくのよぉ!
オレは柴犬クッションを抱えて寝そべった。
うん。思った通り、オレの枕にちょうどいい感じだ。
――ちょっとぉ!
だって、この家で柴犬といえば、オレだけだろ?
ってことは、オレのモノじゃん?
ママさんは、しばらくクッションを取り返そうとジタバタしていたが、オレの鉄壁防御に観念したのか、最後には、ため息交じりに所有権を譲渡してくれた。
……難しい言葉知ってるだろ? ふふっ。
どんまい、ママさん。
そして今日もクッションは、ふかふかだ。
二歳の柴犬だ。
――どう? これ。
ママさんがオレに向かって、ニコニコしながらクッションを見せてきた。
クッションの表面には、柴犬がプリントされている。
オレでは無い、どこかの柴犬だ。
似てるけどな。
どういうこと?
オレの視線が、ママさんの顔とクッションとを行ったり来たりする。
どうやら買い物に行ったママさんが、お店で見掛けて買ってきたらしい。
――これ抱っこしながらテレビ見たら、いい感じじゃない?
そう言って、ママさんがソファに柴犬クッションを置く。
オレは無言でクッションを咥え、自分のスペースに持っていった。
――ちょっとみたらし、どこ持っていくのよぉ!
オレは柴犬クッションを抱えて寝そべった。
うん。思った通り、オレの枕にちょうどいい感じだ。
――ちょっとぉ!
だって、この家で柴犬といえば、オレだけだろ?
ってことは、オレのモノじゃん?
ママさんは、しばらくクッションを取り返そうとジタバタしていたが、オレの鉄壁防御に観念したのか、最後には、ため息交じりに所有権を譲渡してくれた。
……難しい言葉知ってるだろ? ふふっ。
どんまい、ママさん。
そして今日もクッションは、ふかふかだ。
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