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第84話 ヒッチハイク
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オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
今日は散歩中、珍しく大通りを通った。
日頃通らないとこを通ると、日頃起きないことが起きたりする。
スーパーの前で、オジサンが一人、スケッチブックを持って立っていた。
絵を描く人かな?
オジサンはスケッチブックを開いて、車列に向かって、何やらアピールしている。
『大阪』だってさ。
パパさんがブって吹き出す。
大阪? 大阪が何なの?
オレがパパさんを見ると、パパさんがそっと教えてくれた。
なるほど、あの人は大阪まで乗せてってくれる車を探しているのか。
……ここ、関東だぞ?
いくらなんでも、無茶すぎないか?
オレたちは、そそくさとそこを立ち去った。
復路で再びそこを通ったとき、まだオジサンは同じ場所に突っ立ってた。
思わず、パパさんが早足になる。
オレも、パパさんに合わせて早足になる。
なんかオジサンと目が合った気がするが、気にしないでおこう。
無事、辿り着けるといいね、大阪。
どんまい、オジサン。
そして今日も日が暮れる。
二歳の柴犬だ。
今日は散歩中、珍しく大通りを通った。
日頃通らないとこを通ると、日頃起きないことが起きたりする。
スーパーの前で、オジサンが一人、スケッチブックを持って立っていた。
絵を描く人かな?
オジサンはスケッチブックを開いて、車列に向かって、何やらアピールしている。
『大阪』だってさ。
パパさんがブって吹き出す。
大阪? 大阪が何なの?
オレがパパさんを見ると、パパさんがそっと教えてくれた。
なるほど、あの人は大阪まで乗せてってくれる車を探しているのか。
……ここ、関東だぞ?
いくらなんでも、無茶すぎないか?
オレたちは、そそくさとそこを立ち去った。
復路で再びそこを通ったとき、まだオジサンは同じ場所に突っ立ってた。
思わず、パパさんが早足になる。
オレも、パパさんに合わせて早足になる。
なんかオジサンと目が合った気がするが、気にしないでおこう。
無事、辿り着けるといいね、大阪。
どんまい、オジサン。
そして今日も日が暮れる。
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