YouTuber犬『みたらし』の日常

雪月風花

文字の大きさ
上 下
73 / 365

第73話 お坊さん

しおりを挟む
 オレの名前は『みたらし』。
 二歳の柴犬だ。

 ドッドッドッド。

 およ? 何の音?

 見ると、おかしな格好をしたオジサンがスクーターで庭に入って来る。
 何か面白いこと始まる?
 急げ、急げ。
 身体、ぶるぶるーー。

 オレは『しらたま』と揃って、ママさんに身体を拭いてもらった。
 誰? 誰?
 お坊さんっていうの?

 お、ワンコ増えたか? だってさ。

 お坊さんは笑いながら、オレをワシャワシャ撫でて、家の中に入って行った。
 ママさんが案内する。

 なんか知んないけど、二十分ほど、仏壇の前でムニャムニャ喋ってた。
 家の人たちは、その後ろで正座して、お坊さんのムニャムニャを聞いてたよ。
 ……これ、何?

 お? 終わった? 終わった?

 オレと『しらたま』が揃って玄関のヒンヤリ床で涼んでいると、お坊さんがまた、笑ってオレたちをワシャワシャして帰っていった。

 ドルルン。ドッドッドッド。

 今日はあと四軒あるんだって。
 はーー。
 なんか忙しいんだね、お坊さんってば。

 水浴びでスッキリしたぞ、オレ。
 そして今日もまだまだ暑い。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

児童絵本館のオオカミ

火隆丸
児童書・童話
閉鎖した児童絵本館に放置されたオオカミの着ぐるみが語る、数々の思い出。ボロボロの着ぐるみの中には、たくさんの人の想いが詰まっています。着ぐるみと人との間に生まれた、切なくも美しい物語です。

老犬ジョンと子猫のルナ

菊池まりな
児童書・童話
小さな町の片隅で、野良猫が子猫を生み、暖かく、安全な場所へと移動を繰り返しているうちに、一匹の子猫がはぐれてしまう。疲れきって倒れていたところを少年が助けてくれた。その家には老犬のジョンがいた。

お姫様の願い事

月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。

王女様は美しくわらいました

トネリコ
児童書・童話
   無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。  それはそれは美しい笑みでした。  「お前程の悪女はおるまいよ」  王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。  きたいの悪女は処刑されました 解説版

虹の橋を渡った猫が教えてくれたこと

菊池まりな
児童書・童話
あけみが生まれた頃には愛猫のちゃおがいた。遊ぶ時も寝るときもずっと一緒。そんなある日、ちゃおが虹の橋を渡ってしまう。家族は悲しむが、あけみは不思議な夢を見るようになり…。

きたいの悪女は処刑されました

トネリコ
児童書・童話
 悪女は処刑されました。  国は益々栄えました。  おめでとう。おめでとう。  おしまい。

生贄姫の末路 【完結】

松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。 それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。 水の豊かな国には双子のお姫様がいます。 ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。 もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。 王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。

【完】ことうの怪物いっか ~夏休みに親子で漂流したのは怪物島!? 吸血鬼と人造人間に育てられた女の子を救出せよ! ~

丹斗大巴
児童書・童話
 どきどきヒヤヒヤの夏休み!小学生とその両親が流れ着いたのは、モンスターの住む孤島!? *☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆*   夏休み、家族で出掛けた先でクルーザーが転覆し、漂流した青山親子の3人。とある島に流れ着くと、古風で顔色の悪い外国人と、大怪我を負ったという気味の悪い執事、そしてあどけない少女が住んでいた。なんと、彼らの正体は吸血鬼と、その吸血鬼に作られた人造人間! 人間の少女を救い出し、無事に島から脱出できるのか……!?  *☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆* 家族のきずなと種を超えた友情の物語。

処理中です...