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第66話 おニューの家
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オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
なにこれ。
オレはパパさんを見上げた。
オレの目の前に、ダンボール箱が置かれている。
スーパーで貰ってきたヤツだ。
パパさんが笑いながら、ダンボール箱の表面にデカデカと『もらってください』と書く。
パパさんがカメラをこちらに向けている中、オレはダンボール箱に入った。
あ、でもいいね、これ。
住心地、なかなかいいよ。
ちょうどいい広さだ。
オレはダンボール箱の中で身体を丸めた。
ところが、最初笑っていたパパさんの顔が、次第に曇ってくる。
ただの冗談だよー、なんて泣きそうな顔で言いながら、オレを出そうとダンボール箱に手を突っ込んでくる。
いやいや、出ないってば。
今日はここで、まったり過ごすんだい。
どんまい、パパさん。
そして今日も日が暮れる。
二歳の柴犬だ。
なにこれ。
オレはパパさんを見上げた。
オレの目の前に、ダンボール箱が置かれている。
スーパーで貰ってきたヤツだ。
パパさんが笑いながら、ダンボール箱の表面にデカデカと『もらってください』と書く。
パパさんがカメラをこちらに向けている中、オレはダンボール箱に入った。
あ、でもいいね、これ。
住心地、なかなかいいよ。
ちょうどいい広さだ。
オレはダンボール箱の中で身体を丸めた。
ところが、最初笑っていたパパさんの顔が、次第に曇ってくる。
ただの冗談だよー、なんて泣きそうな顔で言いながら、オレを出そうとダンボール箱に手を突っ込んでくる。
いやいや、出ないってば。
今日はここで、まったり過ごすんだい。
どんまい、パパさん。
そして今日も日が暮れる。
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