YouTuber犬『みたらし』の日常

雪月風花

文字の大きさ
上 下
5 / 365

第5話 ケンカの仲裁

しおりを挟む
 オレの名前は『みたらし』。
 二歳の柴犬だ。

 パパさんとママさんが、リビングでテーブルを挟んで言い争っている。
 議題は、思ったほど再生回数が伸びていないことについて。
 昨日公開した動画の再生回数、十二回だって。

 というかさ、なんでオレを撮影するだけでバズると思ったんだろ。
 仕事やめるか? 普通。
 ま、ご褒美さえ貰えれば、オレはいいんだけどね。

 ……ケンカ、長引いてるな。
 仕方ない。

 オレは、テーブルの上にヒョイっと乗ると、そのまま寝そべった。
 大丈夫、テーブルの上に何も置いていないのは確認済みだ。

 腹を上に向ける。
 さぁ、存分に撫でるがいい。
 途端に、さっきまでの険悪な雰囲気はどこへやら、パパさんとママさんが笑いながらオレの腹を撫で始めた。

 やれやれ、和解できて良かった。
 後からパパさんの愚痴を聞いたが、どうやらパパさんのお小遣いが減らされたらしい。

 どんまい、パパさん。
 そして今日も日が暮れる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

さっちゃんはおりこうさん?

こぐまじゅんこ
児童書・童話
さっちゃんは、1さい。 「さっちゃんはおりこうさんかな?」 (はい、おりこうです)

屋根裏のねずみさん

にゃあちゃん
児童書・童話
 先住民であったねずみと他の動物の話です。

レオちゃん

そとねこ
児童書・童話
ライオンの女の子が、子ネズミと旅をする。 中学生向けの、童話です。

虹色の流れ星

藤沢なお
児童書・童話
虹色の流れ星のカケラを見つけると、 ひとつだけ願いがかなうといわれています。 「魔女ネコのマタ旅」に出てくるコたちが 登場しますが、こちらのお話だけで 完結できるようになっています。 表紙はイラストAC様よりお借りしました。 ほっこりとあたたかいお話です。 ぜひ、お立ち寄りください♪

理想の王妃様

青空一夏
児童書・童話
公爵令嬢イライザはフィリップ第一王子とうまれたときから婚約している。 王子は幼いときから、面倒なことはイザベルにやらせていた。 王になっても、それは変わらず‥‥側妃とわがまま遊び放題! で、そんな二人がどーなったか? ざまぁ?ありです。 お気楽にお読みください。

Vicky!

大秦頼太
児童書・童話
 時計職人のお爺さんの勘違いで生まれた人形ヴィッキーが、いたずら妖精のおかげで命を持つ。  ヴィッキーはお爺さんの孫娘マーゴットの心を開き、彼女の友だちとなり、人と触れ合う大切さを教えてくれる。  けれどそんなヴィッキーにも悩みがあった。 「どうしたら人間になれるのだろう」と言う悩みが。  知識を詰め込むだけでは何の意味も無い。そこに心が無ければ、学んだことを役に立たせることは出来ない。  そんな思いを込めました。 ※海部守は脚本用のPNです。ブログなどですでに公開済みです。脚本形式なので読みにくいかなと思いますが、せっかくなので色んな人に読んでいただきたいと思い公開します。 ・ミュージカル版→ロングバージョン。 ・ショートバージョン の2種類があります。登場人物が少し違うのとショートバージョンには歌がほぼありません。ミュージカル版を作るときの素といった感じです。あと指示も書いてないです。 ミューカル版の歌についてはhttps://youtu.be/UPPr4GVl4Fsで聞けますが伴奏なんかはないので参考程度にしかならないと思います。

魔法アプリ【グリモワール】

阿賀野めいり
児童書・童話
◆異世界の力が交錯する町で、友情と成長が織りなす新たな魔法の物語◆ 小学5年生の咲来智也(さくらともや) は、【超常事件】が発生する町、【新都心:喜志間ニュータウン】で暮らしていた。夢の中で現れる不思議な青年や、年上の友人・春風颯(はるかぜはやて)との交流の中でその日々を過ごしていた。 ある夜、町を突如襲った異変──夜にもかかわらず、オフィス街が昼のように明るく輝く事件が発生する。その翌日、智也のスマートフォンに謎のアプリ【グリモワール】がインストールされていた。消そうとしても消えないアプリ。そして、智也は突然見たこともない大きな蛇に襲われる。そんな智也を救ったのは、春風颯だった。しかも彼の正体は【異世界】の住人で――。 アプリの力によって魔法使いとなった智也は、颯とともに、次々と発生する【超常事件】に挑む。しかし、これらの事件が次第に智也自身の運命を深く絡め取っていくことにまだ気づいていなかった――。 ※カクヨムでも連載しております※

イザナと氷の壁

秋長 豊
児童書・童話
 火の力をもつ10歳の男の子イザナ。  村の意地悪な男によって地下室に閉じこめられ、家を暖める暖炉として使われる日々を送っていた。  ある時、イザナは剣士のトウヤンに助けられ、初めて外の世界へ飛び出す。しかし、自然豊かだった四つの領地は、氷男によって千年続く氷河期に閉ざされていた。  谷と北領地を囲う、高さ300メートルの巨大な氷の壁。氷男を倒すためには、この壁を越えた北領地へ行かなければならなかった。  イザナは氷の壁を解かすため、仲間とともに立ち向かう。

処理中です...