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第9話 逢坂優衣・十九歳
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「――都内の大学の一年生です。バイト先は駅前の居酒屋さん。女子大生ともなりますと、やっぱり服だ遊びだって、何かと入り用になりますから。でも、そこまで親に迷惑を掛けられないってことで、その辺りは自分で働いて賄っています。学校でもバイト先でも人間関係は悪くないですよ? 優しい先輩、仲の良い友達。嫌なお客さんもたまにはいるけど、そういうものでしょ?」
グレージュのニットベストにブラックのワイドレッグパンツを履いた、ワンカールミディアムボブの少女が、どこまでも広がる雲海を眺めながら呟いた。
やはり、都内の一流大学の一年生だけあって、身なりにも清潔感が漂う。
『なるほど。では特にその辺りに不満は無かったんですね』
「えぇ。概ね順調な大学生活の滑り出しってところで。あ、マンション! 管理人在中、オートロック付き、セキュリティバッチリの結構いい部屋借りてくれたんですよ、うちの両親。やっぱり一人娘で心配なんでしょうね」
『まぁ女の子ならそうでしょうね。何かあったら困りますから』
お隣に座るは、我らが案内人だ。
黒のスーツに黒のビジネスシューズ、頭に黒いホンブルグハットをかぶった中年男性が、ふむふむと頷きながら、少女の述懐を真摯に聞いている。
男性の左腕に付けた腕章には『案内係』と書かれているが、見た感じ、まるで懺悔を聞く牧師のようだ。
「そうそう! お隣さんが二十代後半くらいの、ちょっとイケメンのサラリーマンさんなんですよ。朝のゴミ出しの時とかにたまに一緒になってご挨拶とかするんですけど、あぁいう人が彼氏だったらなぁ、なんて思ったりして……。いえいえ、もちろん勉学一筋ですよ? 今はまだ。まぁでも、いずれはわたしだって彼氏ができたりするわけだし? 将来結婚だってしたいし? 子供だって欲しいし? ってねぇ、色々考えてたんですよ、これが。……それが、こんなことになるだなんて」
今の今まで楽しそうに近況報告をしていた少女が、ベンチに座ったまま、いきなりガックリと顔を伏せた。
案内人が『分かっています』とばかりに少女を慰める。
『その時、というのは誰にでも訪れます。ご高齢の方なんかだと身体の調子からだいたいタイミングが分かったりするんですけど、やはりお嬢さんのように事故だったりすると、ある日突然、という事になっちゃうのは仕方が無いのかなぁと。こればっかりは運ですからねぇ』
「でも、これは無いと思いません? こっちはまだ十代の可憐な乙女ですよ? せめてやり直しを要求させて貰っても罪は無いとは思いませんか!!」
女性はいきなり案内人の腕を掴むと、ガクガクとその腕を揺さぶった。
案内人は女性にタブレットを見せていたのだが、お陰で画面が揺れ、終いには地面に落ちる。
『落ち着いて! 落ち着いて下さい、逢坂優衣さん! これは事故なんです! 仕方のないことなんです! とりあえずあなたの記憶からお気に入りの一着を着て頂いたということで、今は大丈夫なんですから、それで落ち着きましょ? ね?』
「でも本体はあんな様子じゃない! こんな人生の終わり方、あんまりだわぁぁぁぁぁぁ!!!!」
少女の泣き声が、狭間の空間に響き渡る。
シロツメクサに覆われた地面に落ちたタブレットには、お風呂上りなのか、すっぽんぽんで頭から血を流し、仰向けに倒れて亡くなっている優衣の姿が映っていた。
◇◆◇◆◇
ほんの数分前。
狭間の空間に辿り着いた優衣は、いまいち死因が分からなくて案内人に尋ねたのだ。自分の死因を知りたいと。
そうして案内人のタブレットを使って見せられたのがコレだ。
マンションの自分の部屋で、お風呂あがりにすっぽんぽんでリビングに戻る途中、漫画のような綺麗なポーズを取りつつ廊下で滑って後頭部をフローリングの床に強打。この一撃が致命傷となり、後頭部からの出血多量で優衣は亡くなった。
運の悪いことに、この時、お隣のイケメンサラリーマンが帰宅済みで、『隣で凄い音がした。玄関をノックしたが反応も無い。何か事故でも起こったのでは?』と管理人室に慌てて駆け込んだ。
事態を重く見た管理人は、強盗に入られた可能性も考慮の上、合鍵を使ってイケメンサラリーマンと二人でドアの鍵を開け、部屋に侵入したところ、廊下ですっぽんぽんで亡くなっている優衣を発見し、急ぎ警察を呼ぶ羽目になった、という流れだ。
一応警察によって布が掛けられたものの、発見当時は仰向けに、まるで引っくり返ったカエルのようなおかしな体勢で倒れていたから、隅から隅まで完全に見られてしまった。
もちろん、管理人もイケメンサラリーマンも遺体に対し、特にそういう欲求を示すタイプでは無かったものの、とんでもない姿を見られてしまったことに代わりはない。
そんなわけで優衣は今、案内人に死亡状況のやり直しを要求するという、前代未聞の事態に陥っているわけなのであった……。
◇◆◇◆◇
「次の人生ではもっと長く、素敵な人生を生きるんだぁぁぁぁ!」
『そうですよ。そうやって頑張って魂の研鑽を積んで下さい、優衣さん。世界はそういう転生システムになっているんですから。あぁ、でも、慌てずに選んで下さいね』
と、ベソをかきながら雲海に向かって右手をさっさかさっさか左右に動かし、新たな転生先を吟味していた優衣の手がいきなり止まる。
不審に思った案内人が覗き込むと、そこに映っていたのは一組のカップルだった。
『賢人クン、お隣で死亡事故ですって? 大丈夫だった?』
『あぁ、久美ちゃん! ボクは大丈夫だよ。ちょっとビックリしただけだ』
『ねぇ、すぐ引っ越して私と一緒に暮らしましょう? こんなところでお隣さんに化けて出られたら怖いもん。ね?』
『いや、あくまで事故っぽいし、特に生前に衝突もしなかったし、見た感じ、こちらに恨みを向けるような子じゃ無かったと思うんだけど……』
案内人がそっと優衣の顔を覗き見ると、優衣の表情が固まっている。
『あの、お嬢さん?』
「お隣のイケメンサラリーマン、彼女いたんだ……」
『そのようですねぇ。まぁでも、それが分かっただけでも良かったじゃないですか。あのままあの部屋で暮らしつついつかそれに気づき、失恋して傷つくより……ねぇ』
「わたし、ここに転生する!」
『え? ちょっと待って下さい? 何をするつもりです?』
「行ってきます。そりゃあぁぁぁぁ!!」
優衣は助走も抜きに、勢いよく雲海に飛び込んだ。
◇◆◇◆◇
「ぱぱ、ゆう、じゅーすのみたーい!」
「はいはい、ジュースな。えーっとママ、どこにしまったんだ? ……あぁこれだ。はいどうぞ」
郊外の巨大商業施設のフードコートで、三十歳くらいの若いイケメンパパと、その娘らしき、ピンクのキッズワンピースを着た女児が仲良く座っていた。
ママが専門店街でショッピングをしている間、パパが娘のお世話をしている、といった図だ。
パパが娘のリクエストに応えて、ベビーカーに積んである荷物の中から可愛いクマのイラストの入ったベビーマグを取り出した。
中にオレンジジュースが入っているようで、女児が嬉しそうに口をつける。
「ママ、遅いねぇ、優」
「ゆう、パパがいるからへいきー」
「あはは。ありがとうな、優。んーー、うちの子、可愛い!!」
パパが娘を抱っこすると、娘がすかさずパパのほっぺにチュウをした。
いずれ娘は父親から離れて行く。
それまではできるだけ一緒にいようと思うからか、ママが留守にしていることを幸いに、パパは娘に極力甘く接していた。
「んー、愛してるぞ、優。ずっとパパの傍にいるんだぞーー」
「うん! ゆう、パパのお嫁さんになるね!!」
一瞬、二歳の娘が意味深な笑みを浮かべたような気もするが、おそらく気のせいだろう。
そんな仲睦まじい父娘の会話が、ママが戻って来るまでずっと繰り広げられていたのであった。
◇◆◇◆◇
『はーっくしょい!! うぅ、風邪ですかね』
案内人は地上でそんなことが起こっていることをつゆ知らず、雲海を見ながら、ポツリと呟いたのであった。
END
グレージュのニットベストにブラックのワイドレッグパンツを履いた、ワンカールミディアムボブの少女が、どこまでも広がる雲海を眺めながら呟いた。
やはり、都内の一流大学の一年生だけあって、身なりにも清潔感が漂う。
『なるほど。では特にその辺りに不満は無かったんですね』
「えぇ。概ね順調な大学生活の滑り出しってところで。あ、マンション! 管理人在中、オートロック付き、セキュリティバッチリの結構いい部屋借りてくれたんですよ、うちの両親。やっぱり一人娘で心配なんでしょうね」
『まぁ女の子ならそうでしょうね。何かあったら困りますから』
お隣に座るは、我らが案内人だ。
黒のスーツに黒のビジネスシューズ、頭に黒いホンブルグハットをかぶった中年男性が、ふむふむと頷きながら、少女の述懐を真摯に聞いている。
男性の左腕に付けた腕章には『案内係』と書かれているが、見た感じ、まるで懺悔を聞く牧師のようだ。
「そうそう! お隣さんが二十代後半くらいの、ちょっとイケメンのサラリーマンさんなんですよ。朝のゴミ出しの時とかにたまに一緒になってご挨拶とかするんですけど、あぁいう人が彼氏だったらなぁ、なんて思ったりして……。いえいえ、もちろん勉学一筋ですよ? 今はまだ。まぁでも、いずれはわたしだって彼氏ができたりするわけだし? 将来結婚だってしたいし? 子供だって欲しいし? ってねぇ、色々考えてたんですよ、これが。……それが、こんなことになるだなんて」
今の今まで楽しそうに近況報告をしていた少女が、ベンチに座ったまま、いきなりガックリと顔を伏せた。
案内人が『分かっています』とばかりに少女を慰める。
『その時、というのは誰にでも訪れます。ご高齢の方なんかだと身体の調子からだいたいタイミングが分かったりするんですけど、やはりお嬢さんのように事故だったりすると、ある日突然、という事になっちゃうのは仕方が無いのかなぁと。こればっかりは運ですからねぇ』
「でも、これは無いと思いません? こっちはまだ十代の可憐な乙女ですよ? せめてやり直しを要求させて貰っても罪は無いとは思いませんか!!」
女性はいきなり案内人の腕を掴むと、ガクガクとその腕を揺さぶった。
案内人は女性にタブレットを見せていたのだが、お陰で画面が揺れ、終いには地面に落ちる。
『落ち着いて! 落ち着いて下さい、逢坂優衣さん! これは事故なんです! 仕方のないことなんです! とりあえずあなたの記憶からお気に入りの一着を着て頂いたということで、今は大丈夫なんですから、それで落ち着きましょ? ね?』
「でも本体はあんな様子じゃない! こんな人生の終わり方、あんまりだわぁぁぁぁぁぁ!!!!」
少女の泣き声が、狭間の空間に響き渡る。
シロツメクサに覆われた地面に落ちたタブレットには、お風呂上りなのか、すっぽんぽんで頭から血を流し、仰向けに倒れて亡くなっている優衣の姿が映っていた。
◇◆◇◆◇
ほんの数分前。
狭間の空間に辿り着いた優衣は、いまいち死因が分からなくて案内人に尋ねたのだ。自分の死因を知りたいと。
そうして案内人のタブレットを使って見せられたのがコレだ。
マンションの自分の部屋で、お風呂あがりにすっぽんぽんでリビングに戻る途中、漫画のような綺麗なポーズを取りつつ廊下で滑って後頭部をフローリングの床に強打。この一撃が致命傷となり、後頭部からの出血多量で優衣は亡くなった。
運の悪いことに、この時、お隣のイケメンサラリーマンが帰宅済みで、『隣で凄い音がした。玄関をノックしたが反応も無い。何か事故でも起こったのでは?』と管理人室に慌てて駆け込んだ。
事態を重く見た管理人は、強盗に入られた可能性も考慮の上、合鍵を使ってイケメンサラリーマンと二人でドアの鍵を開け、部屋に侵入したところ、廊下ですっぽんぽんで亡くなっている優衣を発見し、急ぎ警察を呼ぶ羽目になった、という流れだ。
一応警察によって布が掛けられたものの、発見当時は仰向けに、まるで引っくり返ったカエルのようなおかしな体勢で倒れていたから、隅から隅まで完全に見られてしまった。
もちろん、管理人もイケメンサラリーマンも遺体に対し、特にそういう欲求を示すタイプでは無かったものの、とんでもない姿を見られてしまったことに代わりはない。
そんなわけで優衣は今、案内人に死亡状況のやり直しを要求するという、前代未聞の事態に陥っているわけなのであった……。
◇◆◇◆◇
「次の人生ではもっと長く、素敵な人生を生きるんだぁぁぁぁ!」
『そうですよ。そうやって頑張って魂の研鑽を積んで下さい、優衣さん。世界はそういう転生システムになっているんですから。あぁ、でも、慌てずに選んで下さいね』
と、ベソをかきながら雲海に向かって右手をさっさかさっさか左右に動かし、新たな転生先を吟味していた優衣の手がいきなり止まる。
不審に思った案内人が覗き込むと、そこに映っていたのは一組のカップルだった。
『賢人クン、お隣で死亡事故ですって? 大丈夫だった?』
『あぁ、久美ちゃん! ボクは大丈夫だよ。ちょっとビックリしただけだ』
『ねぇ、すぐ引っ越して私と一緒に暮らしましょう? こんなところでお隣さんに化けて出られたら怖いもん。ね?』
『いや、あくまで事故っぽいし、特に生前に衝突もしなかったし、見た感じ、こちらに恨みを向けるような子じゃ無かったと思うんだけど……』
案内人がそっと優衣の顔を覗き見ると、優衣の表情が固まっている。
『あの、お嬢さん?』
「お隣のイケメンサラリーマン、彼女いたんだ……」
『そのようですねぇ。まぁでも、それが分かっただけでも良かったじゃないですか。あのままあの部屋で暮らしつついつかそれに気づき、失恋して傷つくより……ねぇ』
「わたし、ここに転生する!」
『え? ちょっと待って下さい? 何をするつもりです?』
「行ってきます。そりゃあぁぁぁぁ!!」
優衣は助走も抜きに、勢いよく雲海に飛び込んだ。
◇◆◇◆◇
「ぱぱ、ゆう、じゅーすのみたーい!」
「はいはい、ジュースな。えーっとママ、どこにしまったんだ? ……あぁこれだ。はいどうぞ」
郊外の巨大商業施設のフードコートで、三十歳くらいの若いイケメンパパと、その娘らしき、ピンクのキッズワンピースを着た女児が仲良く座っていた。
ママが専門店街でショッピングをしている間、パパが娘のお世話をしている、といった図だ。
パパが娘のリクエストに応えて、ベビーカーに積んである荷物の中から可愛いクマのイラストの入ったベビーマグを取り出した。
中にオレンジジュースが入っているようで、女児が嬉しそうに口をつける。
「ママ、遅いねぇ、優」
「ゆう、パパがいるからへいきー」
「あはは。ありがとうな、優。んーー、うちの子、可愛い!!」
パパが娘を抱っこすると、娘がすかさずパパのほっぺにチュウをした。
いずれ娘は父親から離れて行く。
それまではできるだけ一緒にいようと思うからか、ママが留守にしていることを幸いに、パパは娘に極力甘く接していた。
「んー、愛してるぞ、優。ずっとパパの傍にいるんだぞーー」
「うん! ゆう、パパのお嫁さんになるね!!」
一瞬、二歳の娘が意味深な笑みを浮かべたような気もするが、おそらく気のせいだろう。
そんな仲睦まじい父娘の会話が、ママが戻って来るまでずっと繰り広げられていたのであった。
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『はーっくしょい!! うぅ、風邪ですかね』
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