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第2話 本橋未知留 十七歳
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「うわぁぁぁぁああ!! ……あれ?」
本橋未知留は絶叫しながら跳ね起きると、自分の手を見た。
何も持っていない。手ぶらだ。
「え? あれ? あれどこ行った?」
ホワイトボーダーのダボ袖ロングTシャツにネイビーのスカパン、足元を黒のロングブーツで固め、バッチリ化粧を施した未知留は、慌ててその場に跪くと、シロツメクサの咲き誇る花畑を漁ってビールの缶を探した。
「わたし確かに例のお酒飲んだよね? クスリ入りのやつ。どこ行っちゃったろ。おっかしいなぁ。確かに効いてる感覚があったんだけど……」
未知留は、都心のストリートをたまり場とする若者の一員だった。
二つ上の姉はとても優秀で、難関中学を経て難関高校に入り、今では都心の有名大学に通う女子大生である。
両親にとって自慢の娘だ。
当然未知留も期待され、中学受験をして難関中学に入学したものの、そこが未知留の限界だった。
勉強に付いていけなくなり、あっという間に落ちこぼれた。
なまじお嬢さま学校だったのが災いし、親身になってくれる友達も現れず孤立した。
だが、未知留にはそんなときにフォローしてくれる家族もいなかった。
いや、家族はいたが、優秀な両親と優秀な姉は優秀でない者の気持ちがこれっぽっちも分からなかったのだ。
自分たちに分かることがなぜ分からないとばかりに、家族はあっという間に未知留を見放した。
そして、『これはそういう生き物なのだ』と理解するようになった。
一応最底辺ながら高校には進んだものの馴染めなかった未知留は、もののひと月も経たずに退学して家に引き篭もった。
結果、苦しい胸の内を分かって貰えなくて荒れる未知留は、家族に腫れ物に触るように扱われた挙句、絶望し、家を出た。
そこから先はお決まりのコースだ。
同じように居場所が無い若者たちと共に夜の街にたむろするようになり、路上で寝たり身体を売ったりと色々した挙句、貰った薬物入りの酒を飲んで気を失ったのだ。
「んで? ここどこよ。死後の世界?」
未知留はしばらく周囲を歩いた末、置いてあったベンチに腰をかけた。
未知留の前に、果てが見えないくらい遠くまで雲海が広がっている。
と、いつの間にか未知留の隣に、黒のスーツに黒のビジネスシューズ、頭に黒いホンブルグハットをかぶった中年男性が座っていた。
左腕に付けた腕章に『案内係』と書かれている。
『どうも、お嬢さん。何かお困りですか?』
「わ、誰よ、あんた!」
笑顔で尋ねる案内係に、未知留は胡散臭そうな目を向けた。
『わたしは見ての通り案内係です。怪しい者ではありません。あー、システムは分かります? と言っても、次の転生先を見つけてそこの雲海に飛び込むだけなんですけどね』
「転生……。そっかぁ、わたしの人生終わっちゃったかぁ……。まだまだ生きたかったのになぁ……」
『おや? 生きたかったんですか? それなのにあんな危険な薬入りのお酒を飲んだんですか?』
案内係がビックリしたような顔をする。
『私はてっきり自殺をするつもりで服用したんだと思っていましたが』
「そりゃまぁ、いつ死んでもいいとは思ってたけどさ。こんなんでいきなり死ぬつもりは無かったわよ」
『はぁ、そんなものですか』
未知留が雲海を覗き込むと、雲を割って何組かの男女の姿が見えた。
カップルか夫婦か。いずれにしても、これが転生先候補だということだ。
「……地獄……じゃないんだ」
『地獄に行きたかったんですか?』
「いや、別に行きたいってことはないけど、死んだら絶対地獄に行くだろうなって思ってたから」
未知留はつまらなさそうに雲海を眺めた。
案内人がそんな未知留を横目で見ながら口を開く。
『自殺も含めてですけど、殺人を犯したりですとか規定以上に悪いことをしたら問答無用で地獄に送られますが、それ以外の人はだいたいここに来ます。そうやって人生を何度も繰り返して宿命値を貯めるんです。中には減る人もいますけど。世界はそういう転生システムになっているんです』
「ふぅん。なるほどねぇ」
『今回地獄でなくここに出現したってことは、結果はともかくあなたの今回の行動に自殺の意思は無かったということですね。ただの事故と』
「あんた、分かってて聞いたの? 意地悪だなぁ」
未知留は案内人を軽く睨みつけた。
『で、どうします? 心が決まるまで長考してても構いませんよ?』
「うん、ありがと。そうさせて貰うわ……」
案内人が去って行く。
途端に未知留の肩が震え出した。
厳しい現実を目の当たりにして、ずっと我慢していた気持ちが溢れて来たのだ。
「うあ……うあぁぁ……うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!! パパ、ママ、お姉ちゃん! ごめんなさい、ごめんなさいぃぃぃぃぃぃ!!」
未知留はベンチの上で膝を抱えて泣いた。
どこかでストップが掛けられたらこんなことにはなってなかった。
決して家族が嫌いなわけではなかったのだ。
人生に迷い、どうしていいか分からなかっただけなのだ。
なのに、こんなところで死ぬ羽目に陥ってしまった。
もう一度家族に会いたかった。
会って謝りたかった。
でもそれももうできない。
いくら後悔をしても、もう取り戻せないのだ。
と、いつの間にやら案内人が戻ってきていた。
未知留の泣き声が余程うるさかったのか、案内人が呆れた顔をしつつ未知留に注意する。
『やれやれ。ここはね。静かに転生の時を待つ人たちの空間なんですよ。癒しの空間なんです。あなたみたいに未練がましくうるさく泣く人がいていい場所じゃないんですよ?』
「だっで、だっでぇぇぇぇぇ。わだし、わだしぃぃ!」
斜に構えてはいても、何と言っても未知留は十七歳の女の子に過ぎない。
泣き出したら止まらない、普通の女の子なのだ。
『あぁもう結構です! もうあなた、七、八十年ほど出入り禁止です。出てってください!』
「あだしぃ! あだしぃぃ!」
案内人が怪力なのか、魂だけの未知留が軽いからなのか、未知留は案内人に首根っこを掴まれると、ヒョイっと持ち上げられ、縁へと運ばれた。
『……今度は間違えちゃいけませんよ? 頑張って!』
案内人はウィンクをしつつ一言ボソっと呟くと、未知留を雲海に落とした。
◇◆◇◆◇
「あだしぃ! あだしぃぃぃぃ!」
未知留は真っ白な空間で、ガバっと跳ね起きた。
途端に、何者かに強く抱き締められ、あっという間に揉みくちゃにされる。
「目覚めた! 未知留! 未知留!! 先生! 誰か来てぇぇ! 看護師さぁぁぁんん!!!!」
「あぁ神さま! 本当に良かった! 良かった!!」
「うあぁぁぁぁ!! 何やってくれちゃってるのよ、ミチぃぃぃぃ!」
「あだ……あれ?」
そこは病院の集中治療室だった。
見ると、両親と姉が揃い踏みしている。
「ちょっとご両親! お姉さんも! どいてください! あぁキミキミ、自分の名前、分かるかね?」
医者らしき人が、未知留の目にペンライトを当てる。
「眩しい! 見えてるってば! わたしは本橋未知留。って何これ。何がどうなってるの? さっきの案内人さんは……案内人? ……誰だっけ」
「記憶の混濁が見られるようだ。とりあえず検査をしますから、ご家族はいったん外に出てください」
「未知留、外にいるからな? 心配しなくていいぞぉぉぉぉ!」
「はいはい、診察の邪魔です! さぁ早く出て下さい!」
家族が看護師たちによって外に出される。
未知留は医師たちのされるがままになりながら、直前に会った誰かのことを考えた。
結局は思い出せなかったのだが、何かエールを贈られたような気がして、未知留は知らず、笑みを浮かべた。
END
本橋未知留は絶叫しながら跳ね起きると、自分の手を見た。
何も持っていない。手ぶらだ。
「え? あれ? あれどこ行った?」
ホワイトボーダーのダボ袖ロングTシャツにネイビーのスカパン、足元を黒のロングブーツで固め、バッチリ化粧を施した未知留は、慌ててその場に跪くと、シロツメクサの咲き誇る花畑を漁ってビールの缶を探した。
「わたし確かに例のお酒飲んだよね? クスリ入りのやつ。どこ行っちゃったろ。おっかしいなぁ。確かに効いてる感覚があったんだけど……」
未知留は、都心のストリートをたまり場とする若者の一員だった。
二つ上の姉はとても優秀で、難関中学を経て難関高校に入り、今では都心の有名大学に通う女子大生である。
両親にとって自慢の娘だ。
当然未知留も期待され、中学受験をして難関中学に入学したものの、そこが未知留の限界だった。
勉強に付いていけなくなり、あっという間に落ちこぼれた。
なまじお嬢さま学校だったのが災いし、親身になってくれる友達も現れず孤立した。
だが、未知留にはそんなときにフォローしてくれる家族もいなかった。
いや、家族はいたが、優秀な両親と優秀な姉は優秀でない者の気持ちがこれっぽっちも分からなかったのだ。
自分たちに分かることがなぜ分からないとばかりに、家族はあっという間に未知留を見放した。
そして、『これはそういう生き物なのだ』と理解するようになった。
一応最底辺ながら高校には進んだものの馴染めなかった未知留は、もののひと月も経たずに退学して家に引き篭もった。
結果、苦しい胸の内を分かって貰えなくて荒れる未知留は、家族に腫れ物に触るように扱われた挙句、絶望し、家を出た。
そこから先はお決まりのコースだ。
同じように居場所が無い若者たちと共に夜の街にたむろするようになり、路上で寝たり身体を売ったりと色々した挙句、貰った薬物入りの酒を飲んで気を失ったのだ。
「んで? ここどこよ。死後の世界?」
未知留はしばらく周囲を歩いた末、置いてあったベンチに腰をかけた。
未知留の前に、果てが見えないくらい遠くまで雲海が広がっている。
と、いつの間にか未知留の隣に、黒のスーツに黒のビジネスシューズ、頭に黒いホンブルグハットをかぶった中年男性が座っていた。
左腕に付けた腕章に『案内係』と書かれている。
『どうも、お嬢さん。何かお困りですか?』
「わ、誰よ、あんた!」
笑顔で尋ねる案内係に、未知留は胡散臭そうな目を向けた。
『わたしは見ての通り案内係です。怪しい者ではありません。あー、システムは分かります? と言っても、次の転生先を見つけてそこの雲海に飛び込むだけなんですけどね』
「転生……。そっかぁ、わたしの人生終わっちゃったかぁ……。まだまだ生きたかったのになぁ……」
『おや? 生きたかったんですか? それなのにあんな危険な薬入りのお酒を飲んだんですか?』
案内係がビックリしたような顔をする。
『私はてっきり自殺をするつもりで服用したんだと思っていましたが』
「そりゃまぁ、いつ死んでもいいとは思ってたけどさ。こんなんでいきなり死ぬつもりは無かったわよ」
『はぁ、そんなものですか』
未知留が雲海を覗き込むと、雲を割って何組かの男女の姿が見えた。
カップルか夫婦か。いずれにしても、これが転生先候補だということだ。
「……地獄……じゃないんだ」
『地獄に行きたかったんですか?』
「いや、別に行きたいってことはないけど、死んだら絶対地獄に行くだろうなって思ってたから」
未知留はつまらなさそうに雲海を眺めた。
案内人がそんな未知留を横目で見ながら口を開く。
『自殺も含めてですけど、殺人を犯したりですとか規定以上に悪いことをしたら問答無用で地獄に送られますが、それ以外の人はだいたいここに来ます。そうやって人生を何度も繰り返して宿命値を貯めるんです。中には減る人もいますけど。世界はそういう転生システムになっているんです』
「ふぅん。なるほどねぇ」
『今回地獄でなくここに出現したってことは、結果はともかくあなたの今回の行動に自殺の意思は無かったということですね。ただの事故と』
「あんた、分かってて聞いたの? 意地悪だなぁ」
未知留は案内人を軽く睨みつけた。
『で、どうします? 心が決まるまで長考してても構いませんよ?』
「うん、ありがと。そうさせて貰うわ……」
案内人が去って行く。
途端に未知留の肩が震え出した。
厳しい現実を目の当たりにして、ずっと我慢していた気持ちが溢れて来たのだ。
「うあ……うあぁぁ……うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!! パパ、ママ、お姉ちゃん! ごめんなさい、ごめんなさいぃぃぃぃぃぃ!!」
未知留はベンチの上で膝を抱えて泣いた。
どこかでストップが掛けられたらこんなことにはなってなかった。
決して家族が嫌いなわけではなかったのだ。
人生に迷い、どうしていいか分からなかっただけなのだ。
なのに、こんなところで死ぬ羽目に陥ってしまった。
もう一度家族に会いたかった。
会って謝りたかった。
でもそれももうできない。
いくら後悔をしても、もう取り戻せないのだ。
と、いつの間にやら案内人が戻ってきていた。
未知留の泣き声が余程うるさかったのか、案内人が呆れた顔をしつつ未知留に注意する。
『やれやれ。ここはね。静かに転生の時を待つ人たちの空間なんですよ。癒しの空間なんです。あなたみたいに未練がましくうるさく泣く人がいていい場所じゃないんですよ?』
「だっで、だっでぇぇぇぇぇ。わだし、わだしぃぃ!」
斜に構えてはいても、何と言っても未知留は十七歳の女の子に過ぎない。
泣き出したら止まらない、普通の女の子なのだ。
『あぁもう結構です! もうあなた、七、八十年ほど出入り禁止です。出てってください!』
「あだしぃ! あだしぃぃ!」
案内人が怪力なのか、魂だけの未知留が軽いからなのか、未知留は案内人に首根っこを掴まれると、ヒョイっと持ち上げられ、縁へと運ばれた。
『……今度は間違えちゃいけませんよ? 頑張って!』
案内人はウィンクをしつつ一言ボソっと呟くと、未知留を雲海に落とした。
◇◆◇◆◇
「あだしぃ! あだしぃぃぃぃ!」
未知留は真っ白な空間で、ガバっと跳ね起きた。
途端に、何者かに強く抱き締められ、あっという間に揉みくちゃにされる。
「目覚めた! 未知留! 未知留!! 先生! 誰か来てぇぇ! 看護師さぁぁぁんん!!!!」
「あぁ神さま! 本当に良かった! 良かった!!」
「うあぁぁぁぁ!! 何やってくれちゃってるのよ、ミチぃぃぃぃ!」
「あだ……あれ?」
そこは病院の集中治療室だった。
見ると、両親と姉が揃い踏みしている。
「ちょっとご両親! お姉さんも! どいてください! あぁキミキミ、自分の名前、分かるかね?」
医者らしき人が、未知留の目にペンライトを当てる。
「眩しい! 見えてるってば! わたしは本橋未知留。って何これ。何がどうなってるの? さっきの案内人さんは……案内人? ……誰だっけ」
「記憶の混濁が見られるようだ。とりあえず検査をしますから、ご家族はいったん外に出てください」
「未知留、外にいるからな? 心配しなくていいぞぉぉぉぉ!」
「はいはい、診察の邪魔です! さぁ早く出て下さい!」
家族が看護師たちによって外に出される。
未知留は医師たちのされるがままになりながら、直前に会った誰かのことを考えた。
結局は思い出せなかったのだが、何かエールを贈られたような気がして、未知留は知らず、笑みを浮かべた。
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