1 / 80
第1話 ギャルっ娘パラダイス
しおりを挟む
「そういえばあーしさ、異世界行ったことあんのよね」
「……へぇ」
ベッドに寝転がってプレイ後のまったり感を楽しんでいたオレは、お気に入りの嬢・愛梨ちゃんが部屋の片づけをしているのを横目で眺めつつ、気のない返事をした。
ここはオレの勤める女子高から三駅ほど離れた位置にある『ギャルっ娘パラダイス』という風俗店だ。
その名の通り、ここの売りはギャル(風の恰好をした成人女性)と、それっぽいプレイをできるというものだ。
なんと女子高で国語の教師をしているオレではあるが、実はギャルが大好物なのだよ、ふっふっふ。
とはいえ、当然のことながら学校でギャルと戯れるわけにはいかない。
オレだって職を失いたくはない。
ま、もっとも? オレの学校は進学校で真面目ちゃんばかりが通っているので、ギャルなんて一人もいないがな。
つまんねぇの。
そんなわけで、今日は月に一度の給料日。
オレはこうして、職業柄ギャルに接したくても接せないストレスをこっそり風俗店にくることで晴らしているというわけだ。
「あぁー! 徹っちゃん信じてないでしょ!」
「そりゃ信じろって方が無理だろ。まだしもUFO見たって方が信じられるよ」
テラテラ光る、ピンク色のサテン地の下着で上下を揃えた愛梨ちゃんが、アッシュベージュの、ロングのゆるふわヘアーを振り回しながらプンスカとオレを睨む。
うーん、セクシー!
オレ、こういういかにもギャルって感じのランジェリーが大好きなのよ。
普段ならかぶりつくところだが今回はノーサンキュー。賢者タイム中だからな。
にしてもおかしなもんだ。
月に一度のお楽しみタイム。
たっぷり楽しもうと長い時間を指定したにも関わらず、日頃の疲れが出たのかなぜか今日は早く終わってしまった。
仕方ないので、時間を持て余したオレは愛梨ちゃんの話相手をすることにする。
ま、そういう日もあるさ。
「んで? そりゃいつの話だい?」
「んーとね。あーしが現役のギャルだった頃のことだから、十二、三年前かな?」
……はいはい、分かってますよ、愛梨ちゃんが本当はアラサーだってことは。
でも、その割には全然体型に崩れがないし、その歳でまだギャルの恰好が似合うって、結構凄いことだと思うけどな。
「ついさっきまですっかり忘れていたんだけどさ。なんか不意に思いだしたの。うちの子も全然信じてくれないんだけどさ。徹っちゃん、聞いてくれる?」
うちの子……。うん、大丈夫。そんなことだろうとは思っていたし、あくまで客と嬢の関係だから。でも、何となく切ない気持ちになるのはなぜだろう。
「行ったところは、普通の外国の田舎町だったのよ。ヨーロッパの街並みっていうかさ。文明度合いは結構遅れてた。馬車は走ってたけど、汽車はまだって感じ」
「ふぅん」
「でね? 同じように向こうに行く人って結構いるみたいなのよ。それこそ半年に一度くらいの割合で」
「そーりゃ大変だ」
愛梨は下着のままベッドに来ると、うつ伏せでスマホを弄っていたオレの上に乗っかり、背中をグっと押してくれた。
「おぉ、そこ気持ちいい! ずっと痛くてさ。助かるよ」
「時間余っちゃったしね。まかせてよ。んでね? ほら、貨幣が違うから、あーしの持ってたお金は向こうで使えないじゃん? ところがさ、そこの住民が超親切で、向こうに行ってるあいだ、ただで宿とか泊まらせてくれたのよ」
「あー、そこそこ。でも、今ここにいるってことは帰ってこれたってことなんだろ? それって、どのくらいのあいだ行ってたんだ?」
愛梨が凝ってる部分に肘を当てゴリゴリと押してくれる。
うっはー、効っくぅぅぅぅ。
「一週間くらい。んで、タダで泊めてもらうのも悪いから何かするよ? って言ったら、着ている服を見せてくれって言うのよ。あぁ、もちろん向こうにもブティック的な店はあるんだけどね? んでも田舎町だったからか、あんまりお洒落な服はなかったかな。そうやってたまに迷い込む異世界人の服を再現して売ると、向こうでちょっとしたブームができたりで結構売れるらしいんだ」
「へぇ。え? 着てたの制服?」
「もち。なにせ学校帰りのことだったからさぁ。アニマル柄の下着に学校の制服にルーズソックスって感じで、もう上から下まで完全にギャルよ。だもんで、下着から制服から生地に縫製と全部調べられてね? でもあーし、あの頃は渋谷の路上で寝ることもあったし、あとは、そこの家のお子さまの遊び相手してるだけで三食付きのお宿に一週間タダで泊まれると思えば安いもんよ」
ピピピピピ。ピピピピピ。
ベッドサイドに置かれたタイマーが鳴る。
そろそろ時間だ。着替えて出ないと。
「うん、面白かったよ、愛梨ちゃん。また来月の給料日に来るから」
「ん、待ってるね、徹っちゃん。今度はしっかり溜めてきてよね?」
愛梨は、オレの身体をサワサワっと触ると、ホッペにキスをした。
おいおい、頬に真っ赤な口紅がついてしまうではないか。
「ぬはははは。じゃ、またな」
プレイ自体は案外早く終わってしまったものの、背中も揉みほぐしてもらって大満足したオレは、足腰軽く、上機嫌で駅に向かって歩いていった。
「……へぇ」
ベッドに寝転がってプレイ後のまったり感を楽しんでいたオレは、お気に入りの嬢・愛梨ちゃんが部屋の片づけをしているのを横目で眺めつつ、気のない返事をした。
ここはオレの勤める女子高から三駅ほど離れた位置にある『ギャルっ娘パラダイス』という風俗店だ。
その名の通り、ここの売りはギャル(風の恰好をした成人女性)と、それっぽいプレイをできるというものだ。
なんと女子高で国語の教師をしているオレではあるが、実はギャルが大好物なのだよ、ふっふっふ。
とはいえ、当然のことながら学校でギャルと戯れるわけにはいかない。
オレだって職を失いたくはない。
ま、もっとも? オレの学校は進学校で真面目ちゃんばかりが通っているので、ギャルなんて一人もいないがな。
つまんねぇの。
そんなわけで、今日は月に一度の給料日。
オレはこうして、職業柄ギャルに接したくても接せないストレスをこっそり風俗店にくることで晴らしているというわけだ。
「あぁー! 徹っちゃん信じてないでしょ!」
「そりゃ信じろって方が無理だろ。まだしもUFO見たって方が信じられるよ」
テラテラ光る、ピンク色のサテン地の下着で上下を揃えた愛梨ちゃんが、アッシュベージュの、ロングのゆるふわヘアーを振り回しながらプンスカとオレを睨む。
うーん、セクシー!
オレ、こういういかにもギャルって感じのランジェリーが大好きなのよ。
普段ならかぶりつくところだが今回はノーサンキュー。賢者タイム中だからな。
にしてもおかしなもんだ。
月に一度のお楽しみタイム。
たっぷり楽しもうと長い時間を指定したにも関わらず、日頃の疲れが出たのかなぜか今日は早く終わってしまった。
仕方ないので、時間を持て余したオレは愛梨ちゃんの話相手をすることにする。
ま、そういう日もあるさ。
「んで? そりゃいつの話だい?」
「んーとね。あーしが現役のギャルだった頃のことだから、十二、三年前かな?」
……はいはい、分かってますよ、愛梨ちゃんが本当はアラサーだってことは。
でも、その割には全然体型に崩れがないし、その歳でまだギャルの恰好が似合うって、結構凄いことだと思うけどな。
「ついさっきまですっかり忘れていたんだけどさ。なんか不意に思いだしたの。うちの子も全然信じてくれないんだけどさ。徹っちゃん、聞いてくれる?」
うちの子……。うん、大丈夫。そんなことだろうとは思っていたし、あくまで客と嬢の関係だから。でも、何となく切ない気持ちになるのはなぜだろう。
「行ったところは、普通の外国の田舎町だったのよ。ヨーロッパの街並みっていうかさ。文明度合いは結構遅れてた。馬車は走ってたけど、汽車はまだって感じ」
「ふぅん」
「でね? 同じように向こうに行く人って結構いるみたいなのよ。それこそ半年に一度くらいの割合で」
「そーりゃ大変だ」
愛梨は下着のままベッドに来ると、うつ伏せでスマホを弄っていたオレの上に乗っかり、背中をグっと押してくれた。
「おぉ、そこ気持ちいい! ずっと痛くてさ。助かるよ」
「時間余っちゃったしね。まかせてよ。んでね? ほら、貨幣が違うから、あーしの持ってたお金は向こうで使えないじゃん? ところがさ、そこの住民が超親切で、向こうに行ってるあいだ、ただで宿とか泊まらせてくれたのよ」
「あー、そこそこ。でも、今ここにいるってことは帰ってこれたってことなんだろ? それって、どのくらいのあいだ行ってたんだ?」
愛梨が凝ってる部分に肘を当てゴリゴリと押してくれる。
うっはー、効っくぅぅぅぅ。
「一週間くらい。んで、タダで泊めてもらうのも悪いから何かするよ? って言ったら、着ている服を見せてくれって言うのよ。あぁ、もちろん向こうにもブティック的な店はあるんだけどね? んでも田舎町だったからか、あんまりお洒落な服はなかったかな。そうやってたまに迷い込む異世界人の服を再現して売ると、向こうでちょっとしたブームができたりで結構売れるらしいんだ」
「へぇ。え? 着てたの制服?」
「もち。なにせ学校帰りのことだったからさぁ。アニマル柄の下着に学校の制服にルーズソックスって感じで、もう上から下まで完全にギャルよ。だもんで、下着から制服から生地に縫製と全部調べられてね? でもあーし、あの頃は渋谷の路上で寝ることもあったし、あとは、そこの家のお子さまの遊び相手してるだけで三食付きのお宿に一週間タダで泊まれると思えば安いもんよ」
ピピピピピ。ピピピピピ。
ベッドサイドに置かれたタイマーが鳴る。
そろそろ時間だ。着替えて出ないと。
「うん、面白かったよ、愛梨ちゃん。また来月の給料日に来るから」
「ん、待ってるね、徹っちゃん。今度はしっかり溜めてきてよね?」
愛梨は、オレの身体をサワサワっと触ると、ホッペにキスをした。
おいおい、頬に真っ赤な口紅がついてしまうではないか。
「ぬはははは。じゃ、またな」
プレイ自体は案外早く終わってしまったものの、背中も揉みほぐしてもらって大満足したオレは、足腰軽く、上機嫌で駅に向かって歩いていった。
17
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる