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【絶命】
5.パンドラ
しおりを挟む「んっっ、ゥ゛ェェェエエエエエエ」
口に手を当ててその場で四つん這いになり異物を嘔吐してしまうミサト。
無理もない。
愛した教授の首が取れた死体に続いて、目の前で体育教師の様な筋肉質な男性の霊がハンマーのような物で知人の頭を打ち砕き脳ミソが床に飛び散ったのだから。
「ンッ、、ハスハスハス」
鼓動が収まらずまともに呼吸もできない。
全身が震え上がり、このままでは自分も殺される。と分かってはいるものの身体が言うことを聞かなくなっていた。
ハンマーを引きずる音が近づいてくるのが分かる。その音が更にミサトの恐怖を煽り、身体を震え上がらせていた。
ミサトは、黒目を音の方に向ける。
男の例は顔面の幹部が凹んでいて顔が曲がっていた。
ハンマーを振り上げるのが見て分かった。
このまま振り下ろされれば、マナブのように顔面が粉砕し死ぬ。分かってはいたものの身体が動かないんだもの。
どうしようもなかった。
さようなら、、みんな。
ボグシュッ!
______________________________
「それで先輩は俺たちが来た瞬間に霊も消えたと言いたいんですか?そんな都合いい事が」
「あったんだって……信じてくれよ。」
リュウキが必死になって霊に殺されかけた事を訴えるがサトムは中々信用してくれない。
信用しない、と言うよりそのような貴重な経験をした事を逆に嫉妬し信じようとしなかった。
「あんたは、信じてくれるよな?」
「………勿論。すぐに此処を離れた方がいい。」
「え??」
ヨゾラはサトムを押すようにして急いで音楽室の側から離れていった。リュウキはいきなりの事にぼけーっとし情報の処理が追いつかず出遅れる。
「チョっ、どういうことだよ。教えてくれよ」
「………やっぱりここはきちゃいけない場所だった。」
「だから何だっての?教えろよ!」
あのヨゾラが長文を話している事が現状の危機感をリュウキに強くもたらした。サトムは急に押されては走らされたりと意味が分からないと若干怒りさえも持っているが口には出さない。
「私……霊感があるの。貴方がその話をした瞬間に突然、弱かった霊の力が夫々強まっていくのを感じた。もしかして何か見つけた?」
何か見つけた……。と言われれば、アイナと共に読んだ資料が頭を過ぎりその事をヨゾラに話す。
すると
彼女は何かを確信したかのように、
「それが彼らのパンドラよ!」
と罵声を浴びせるように言った。
もうリュウキは何がどうなっているのか付いていけない。それはサトムも同じであった。
「ここにいる霊は恐らくこの学舎、、いや、当時は学校ね。そこで起きた貴方の言うその悲しい事件を無かったことにする為に、もう誰も調べる事がないようにする為に守っていた。だけど、それを貴方が見つけてしまったから怒っている。」
「そんなこと…、知るかよ…。」
会話を進めながら取り敢えず下の階へと急ぎ階段を下り出入口の靴箱のロッカーがある扉まで辿り着いた。
ガタガタガタンッ!
「やはりだめね、」
彼女は想像通りではあった。
それと同時に他の脱出方法に切り替える。
とても、最悪な方法ではあるのだが、。
「よく聞いて。」
男子の二人はほぼ同時にヨゾラに顔を向けた。
「今から私がここにいる霊を除霊するから、二人は何としてでも諦めないで逃げまわりなさい」
「は!?何言ってんだよ!」
「それに駆除ってなんですか!?」
と、リュウキとサトム
ヨゾラはクスッと笑い言った。
【私、陰陽師の末裔なの。】と
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