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【予兆】
3.ガールズトーク
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「結局、今日一日はレクリエーションで終わってしまったが明日からは各自、山を模索し山の神秘を見つけて撮影して来てもらう事とする。分かったな?」
神坂先生が晩餐前に挨拶をする。テーブルに置かれているのは皆で協力して調理した合宿定番のカレーと豚汁である。どれもいい見栄えで出来上がっており、味も豚汁はやや薄味であったがカレーはいい出来であった。
「どうしたの?サトリ」
「ユメコさん…、そのイヤ、、あの。」
「何かあった?」
食事中、サトリの元気がない事に気がついたユメコは心身の状態を気遣い背中を擦りながら問いかける。
「何か変な予感というか、感じて…。」
「変な予感?」
サトリとユメコの会話の中にナツキが交わる。
「霊的な何か?」
「霊ー!?」」
ナツキの横に座っていたカヨが飛び跳ねるようにして驚き豚汁の入った器を倒し誕生日席に座るムクロの脚に掛かる。
「あん……たね。」
幸い、若干冷めていたようで火傷の心配は要らなそうだ。ムクロとカヨが席を立ってムクロは更衣にカヨは零した豚汁の掃除に掛かる。
隣のテーブルに座る男子達の間でもその【霊】的な話題が広がっていた。
「なになになに?もしかして、見ちゃった系?」
「…いや、その、、なんと言うか…」
ケイトが興味津々にソウタに質問をしている。ユタカやタクミは全く関心を持っていなかったが耳だけは立てていた。
「とにかく、このままだと…あれなんだよ」
「何何?俺らがホラー映画の登場人物みたいに殺される的な!?お!?そんな展開を想像してたからぼーっとしてました!ってこと!?」
「……もう、それでいいよ」
「なになになに、それじゃあマジで何か起こるのかよ?」
「分かんないけど、ヤバいやつがいる気が、する。」
真剣に言ったって誰も信じてくれない。
もし信じてくれてもそれが本当であれば彼女に迷惑を掛けてしまうかもしれない。
このまま何も起きなければいい。
そう願うだけだ。
「お兄ちゃん、、ちょっとだけだけどさ、僕も感じたかも」
「ありがとう。カオル」
「慰めとかじゃないんだってホントに」
「………ありがと、。」
霊感の強い人間と長時間接触していると、その接触していた相手の霊感も強まる事がある。
もし、本当にカオルが感じていたとしたら…。
いや、…大丈夫。
晩餐を終えると、30分程の休憩時間。
その間に入浴の準備を整えておく。
シャワーの音、ここは女子入浴室。
元々中学校であったこの廃校に入浴室何てものはなかったが、学舎として利用される事になってからは長期間の滞在ができるように用意されたらしい。
入浴中の女子達は、お決まりのガールズトークが開催されており今回の合宿の男子の中で誰が好みかの話を行われていた。
「ぶっちゃけ!一年生の皆さんは誰が好みですか!」
顔を真っ赤に染め上げているのはユメコ、もう既に逆上せている模様である。
「ハイハイハイ!」
カヨが勢いよく手を挙げ水飛沫を起こす。そして、恥のない大声で入浴室を響かせ答えた。
「私は!ダンっっぜん!ソウタくん!高身長で塩顔、薄い唇でまさに美男子なのに、ちょっと間抜けと言うか天然というか挙動不審と言うか、そんな感じがまたいい!」
「かっこいいよね~。分かる。それではお隣のナツキちゃん」
「わ、、私…。えっと、、ユタカさん」
「え?」
「ユタカ…さん」
「はぁぁ?なるほどね。」
真逆の答えにキョトンとするユメコ、逆上せも一気に冷めたかのようである。
「んで~サトリは?」
「……ソウタさんが何か気になる…あと弟…さんがが、か、か、かかか、かわいい!」
「サトリ…?」
サトリのブレーカーが飛んだ。
「あ、あの兄弟…す、凄い!」
「な、何が?」
「お兄さんは何か私とリンクするようなオーラを感じさせたというか!?無意識に目を引かされる力があったというか、弟さんは弟さんであの見るだけで癒されるというか!」
人見知りであまりコミュニケーションを取ることがなかったサトリは、環境が変わった事で何かブレーキが取れた。そして、今までで経験したことのない楽しさにブレーカーが飛んだ。
楽しい。
楽しい。
人と話すことってこんなに楽しいんだ。
【私もいれて、】
「とに、、、。」
「落ち着いてサトリ!って、どした?」
いきなり静まり返り動揺するユメコ
「なんか、女の声が」
「ぁ、、アハハっ!何、あんたおもろいね!」
「ぇ、え、そうかな…あははっ」
また、気のせいか。
【ず……と、……。】
神坂先生が晩餐前に挨拶をする。テーブルに置かれているのは皆で協力して調理した合宿定番のカレーと豚汁である。どれもいい見栄えで出来上がっており、味も豚汁はやや薄味であったがカレーはいい出来であった。
「どうしたの?サトリ」
「ユメコさん…、そのイヤ、、あの。」
「何かあった?」
食事中、サトリの元気がない事に気がついたユメコは心身の状態を気遣い背中を擦りながら問いかける。
「何か変な予感というか、感じて…。」
「変な予感?」
サトリとユメコの会話の中にナツキが交わる。
「霊的な何か?」
「霊ー!?」」
ナツキの横に座っていたカヨが飛び跳ねるようにして驚き豚汁の入った器を倒し誕生日席に座るムクロの脚に掛かる。
「あん……たね。」
幸い、若干冷めていたようで火傷の心配は要らなそうだ。ムクロとカヨが席を立ってムクロは更衣にカヨは零した豚汁の掃除に掛かる。
隣のテーブルに座る男子達の間でもその【霊】的な話題が広がっていた。
「なになになに?もしかして、見ちゃった系?」
「…いや、その、、なんと言うか…」
ケイトが興味津々にソウタに質問をしている。ユタカやタクミは全く関心を持っていなかったが耳だけは立てていた。
「とにかく、このままだと…あれなんだよ」
「何何?俺らがホラー映画の登場人物みたいに殺される的な!?お!?そんな展開を想像してたからぼーっとしてました!ってこと!?」
「……もう、それでいいよ」
「なになになに、それじゃあマジで何か起こるのかよ?」
「分かんないけど、ヤバいやつがいる気が、する。」
真剣に言ったって誰も信じてくれない。
もし信じてくれてもそれが本当であれば彼女に迷惑を掛けてしまうかもしれない。
このまま何も起きなければいい。
そう願うだけだ。
「お兄ちゃん、、ちょっとだけだけどさ、僕も感じたかも」
「ありがとう。カオル」
「慰めとかじゃないんだってホントに」
「………ありがと、。」
霊感の強い人間と長時間接触していると、その接触していた相手の霊感も強まる事がある。
もし、本当にカオルが感じていたとしたら…。
いや、…大丈夫。
晩餐を終えると、30分程の休憩時間。
その間に入浴の準備を整えておく。
シャワーの音、ここは女子入浴室。
元々中学校であったこの廃校に入浴室何てものはなかったが、学舎として利用される事になってからは長期間の滞在ができるように用意されたらしい。
入浴中の女子達は、お決まりのガールズトークが開催されており今回の合宿の男子の中で誰が好みかの話を行われていた。
「ぶっちゃけ!一年生の皆さんは誰が好みですか!」
顔を真っ赤に染め上げているのはユメコ、もう既に逆上せている模様である。
「ハイハイハイ!」
カヨが勢いよく手を挙げ水飛沫を起こす。そして、恥のない大声で入浴室を響かせ答えた。
「私は!ダンっっぜん!ソウタくん!高身長で塩顔、薄い唇でまさに美男子なのに、ちょっと間抜けと言うか天然というか挙動不審と言うか、そんな感じがまたいい!」
「かっこいいよね~。分かる。それではお隣のナツキちゃん」
「わ、、私…。えっと、、ユタカさん」
「え?」
「ユタカ…さん」
「はぁぁ?なるほどね。」
真逆の答えにキョトンとするユメコ、逆上せも一気に冷めたかのようである。
「んで~サトリは?」
「……ソウタさんが何か気になる…あと弟…さんがが、か、か、かかか、かわいい!」
「サトリ…?」
サトリのブレーカーが飛んだ。
「あ、あの兄弟…す、凄い!」
「な、何が?」
「お兄さんは何か私とリンクするようなオーラを感じさせたというか!?無意識に目を引かされる力があったというか、弟さんは弟さんであの見るだけで癒されるというか!」
人見知りであまりコミュニケーションを取ることがなかったサトリは、環境が変わった事で何かブレーキが取れた。そして、今までで経験したことのない楽しさにブレーカーが飛んだ。
楽しい。
楽しい。
人と話すことってこんなに楽しいんだ。
【私もいれて、】
「とに、、、。」
「落ち着いてサトリ!って、どした?」
いきなり静まり返り動揺するユメコ
「なんか、女の声が」
「ぁ、、アハハっ!何、あんたおもろいね!」
「ぇ、え、そうかな…あははっ」
また、気のせいか。
【ず……と、……。】
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