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第1章 俺は子猫であり弟?
空白期間(2)
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午前中、妻は洗濯に掃除に、大忙しだった。
明莉はというと、俺のケージの前から中々動かない。
「ママ、オトがご飯食べてるよ。」
「ちゃんとベッドで寝てて、えらいね」
「お水、新しいのに変えた方がいいかな?」
小さいママのように、いろいろとお世話をしてくれるのは嬉しいけど、じっと見られているのは恥ずかしい。
「明莉、オトが寝ている間に、玄関を掃いてくれない?」
時々、お手伝いもしているみたいだが、気づいたら俺のケージの前にいる。
「もう!すぐオトのところに行くんだから・・・」
妻は、諦めモードだ。
なんか、俺のせいで、すまない・・・。
「明日の学校の準備は、できてるんでしょうね?」
昼食を食べながら、疲れた表情で妻が明莉に訊ねる。
「えっとねー、あと、日記と音読と計算カードだけだよ。」
もしもし明莉さん、それは「あと少し」というような言い方をしてもいい量なのかな?
「じゃあ、食べたら、すぐにやってしまいなさいね。できるまでオト禁止!」
「えーっ!?」
「嫌だったら、すぐに終わらせる。」
どうやら妻の我慢の限界を超えたらしい。
ごめん、ママ。俺のせいで怒らせたみたいで、すまない。
「ねえ、ママ。日記にオトのことを書くから、オトの前で宿題するね。」
昼食を食べ終わった明莉が言った。
明莉・・・それは、まずいと思うぞ。
「日記を書き終わってから、オトのところに行きなさい。」
やっぱり・・・。
「えー、オトのこと見ないと、書けないよ。」
諦めの悪い明莉。
「朝からずっと、オトのこと見てたでしょう。オトが気になって何もできないようだから、オトはママの部屋で飼うことにするわね。」
妻の笑顔が怖い。
「いや、やっぱり大丈夫。できます。」
明莉は、すぐに日記を書きはじめた。
明莉はというと、俺のケージの前から中々動かない。
「ママ、オトがご飯食べてるよ。」
「ちゃんとベッドで寝てて、えらいね」
「お水、新しいのに変えた方がいいかな?」
小さいママのように、いろいろとお世話をしてくれるのは嬉しいけど、じっと見られているのは恥ずかしい。
「明莉、オトが寝ている間に、玄関を掃いてくれない?」
時々、お手伝いもしているみたいだが、気づいたら俺のケージの前にいる。
「もう!すぐオトのところに行くんだから・・・」
妻は、諦めモードだ。
なんか、俺のせいで、すまない・・・。
「明日の学校の準備は、できてるんでしょうね?」
昼食を食べながら、疲れた表情で妻が明莉に訊ねる。
「えっとねー、あと、日記と音読と計算カードだけだよ。」
もしもし明莉さん、それは「あと少し」というような言い方をしてもいい量なのかな?
「じゃあ、食べたら、すぐにやってしまいなさいね。できるまでオト禁止!」
「えーっ!?」
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ごめん、ママ。俺のせいで怒らせたみたいで、すまない。
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やっぱり・・・。
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「朝からずっと、オトのこと見てたでしょう。オトが気になって何もできないようだから、オトはママの部屋で飼うことにするわね。」
妻の笑顔が怖い。
「いや、やっぱり大丈夫。できます。」
明莉は、すぐに日記を書きはじめた。
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