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第1章 俺は子猫であり弟?
再会(3)
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「どうして、この猫ちゃんを飼いたいの?今まで猫を飼いたいなんて、言ったことなかったじゃない。」
妻が不思議そうに、娘に訊ねる。
「だって、パパからのプレゼントだと思ったんだもん。」
俺からのプレゼント!?
どうして、そうなるんだ?
「パパからのプレゼント?」
妻も疑問に思ったらしい。
「だって、今日、パパのお墓参りに行ったでしょう。明莉ね、パパに『頑張ってるから、大丈夫だよ』って、お話ししたけど、本当はパパがいなくなって寂しかったの。だから頑張ってるご褒美に、パパが明莉が寂しくないように子猫ちゃんをプレゼントしてくれたのかなと思って。」
妻は驚いた顔のまま、黙って明莉の話を聞いている。
「だから、どうしても、この子猫ちゃんを飼いたいの!他には飼いたいって言わないし、ずっと大切にするから。」
「そうね、パパからのプレゼントだったら、大切にしないといけないわね。」
一瞬の沈黙の後、娘に答えた妻の声は、どこか悲しげだった。
「ありがとう、ママ!!」
しかし、娘の笑顔を見て、妻の顔もすぐに元気を取り戻した。
「もう寂しくなくなったからって、お世話をやめたらダメよ。パパに怒られちゃうわよ。」
「大丈夫。ずっと大切にするもん。」
こうして俺は、再び愛する妻と娘とともに暮らすことになった。
夫や父としてではなく、ペットの子猫としてではあるが・・・
妻が不思議そうに、娘に訊ねる。
「だって、パパからのプレゼントだと思ったんだもん。」
俺からのプレゼント!?
どうして、そうなるんだ?
「パパからのプレゼント?」
妻も疑問に思ったらしい。
「だって、今日、パパのお墓参りに行ったでしょう。明莉ね、パパに『頑張ってるから、大丈夫だよ』って、お話ししたけど、本当はパパがいなくなって寂しかったの。だから頑張ってるご褒美に、パパが明莉が寂しくないように子猫ちゃんをプレゼントしてくれたのかなと思って。」
妻は驚いた顔のまま、黙って明莉の話を聞いている。
「だから、どうしても、この子猫ちゃんを飼いたいの!他には飼いたいって言わないし、ずっと大切にするから。」
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