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不動ベイシン
そうかつリザルト5
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僕の言葉と仕草で察してくれたのか。
楓さんが持っていたショールを僕の膝にかけてくれた。
『ありがとうございます』
そのまま楓さんも僕の横に座る。
両側をママと楓さんにはさまれた状態で隠し撮りアプリの確認を続けた。
ちょっと気持ちが沈んできたから。
楓さんの手を握らせてもらう。
続きを確認する勇気を分けて。
「世の中にはやってはいかんことがあるって教えたはずなのに。いくらサクラちゃんが可愛いからって、これはやりすぎや」
楓さんはママの操作するiPhoneの画面を見て、大きな溜息をついた。
僕が可愛いから隠し撮りをされたの?
これまで可愛いは褒め言葉だと思っていて、言われたら嬉しい言葉だった。
だけど可愛いからって記憶にないくらい小さな子ども頃に誘拐されたり、隠し撮りされるなら。
僕はもう可愛いって言われたくない。
「こんなに気落ちして可哀想に。元気出して。ふたりはあとでしっかり私がシメとくから。もうこんなことは二度とさせんで」
「楓さんがそこまで仰るなんて。どれだけ酷いんですか?」
そんなに酷いのかと泰葉さんまで見に来た。
「私も見ていいですか?」
『うん。面白いものじゃないけど。それでも良ければ』
泰葉さんは僕と反対側のママの隣に座る。
ちょっと狭くなるけど。4人でも座れる広いソファで良かったね。
ママがササッと指を走らせて。
人に見せても良さげな動画のみがピックアップして表示された。
お気に入り登録の設定をうまく利用したのかな。
泰葉さんが何も言わないでママの横に座り、iPhoneを指でなぞっていく。
表示されるサムネイルを見るだけ。
それだけでなんだけど、まるで害虫を見るみたいに嫌悪感を隠せないでいる。
「普段の生活まで事細かに記録して、人権侵害ですよ」
「ほんまに人としてありえへん」
「寝てるとこを長尺で残してるのキモすぎてキモすぎるわ」
ママと楓さんと泰葉さんの3人が僕以上に怒ってくれるから。
僕は怒りそびれちゃって。
圭介さんと玲司君がけちょんけちょんに言われるのを黙って聞いていた。
女の人の言葉を使った攻撃力って高いんだなあ。
その時。iPhoneの中を流れるサムネイルに気になるものが1つあらわれた。
それはみんなで住んでいたマンションのバスルームの映像。
僕がひとりでシャワーを浴びている、それは見ちゃ駄目!
持っているシャワーヘッドの形状。
手が届くところに置かれたピンクのローションボトル。
つまりは、これからSEXする準備を僕がするところ。
そんなものをママ達には見せられない!
咄嗟にママの手の中にあったiPhoneを左手で掴む。
立ち上がるのと同時に右手に持ち替えて、左足を一歩前に出すと、全力でiPhoneを投げた。
野球のキャッチャーが盗塁を刺すときと同じ動きを体が覚えていて、ほぼ無意識にやっちゃった。
でも後悔はしてない。
むしろ、迷いなく仕留められたと誇っていい。
僕が投げたiPhoneはゴンッという鈍い音を立てて壁にぶつかる。
その音に壁の前に転がされていた成瀬さんが悲鳴をあげた。
悲鳴をあげたいのは僕の方だ!
楓さんが持っていたショールを僕の膝にかけてくれた。
『ありがとうございます』
そのまま楓さんも僕の横に座る。
両側をママと楓さんにはさまれた状態で隠し撮りアプリの確認を続けた。
ちょっと気持ちが沈んできたから。
楓さんの手を握らせてもらう。
続きを確認する勇気を分けて。
「世の中にはやってはいかんことがあるって教えたはずなのに。いくらサクラちゃんが可愛いからって、これはやりすぎや」
楓さんはママの操作するiPhoneの画面を見て、大きな溜息をついた。
僕が可愛いから隠し撮りをされたの?
これまで可愛いは褒め言葉だと思っていて、言われたら嬉しい言葉だった。
だけど可愛いからって記憶にないくらい小さな子ども頃に誘拐されたり、隠し撮りされるなら。
僕はもう可愛いって言われたくない。
「こんなに気落ちして可哀想に。元気出して。ふたりはあとでしっかり私がシメとくから。もうこんなことは二度とさせんで」
「楓さんがそこまで仰るなんて。どれだけ酷いんですか?」
そんなに酷いのかと泰葉さんまで見に来た。
「私も見ていいですか?」
『うん。面白いものじゃないけど。それでも良ければ』
泰葉さんは僕と反対側のママの隣に座る。
ちょっと狭くなるけど。4人でも座れる広いソファで良かったね。
ママがササッと指を走らせて。
人に見せても良さげな動画のみがピックアップして表示された。
お気に入り登録の設定をうまく利用したのかな。
泰葉さんが何も言わないでママの横に座り、iPhoneを指でなぞっていく。
表示されるサムネイルを見るだけ。
それだけでなんだけど、まるで害虫を見るみたいに嫌悪感を隠せないでいる。
「普段の生活まで事細かに記録して、人権侵害ですよ」
「ほんまに人としてありえへん」
「寝てるとこを長尺で残してるのキモすぎてキモすぎるわ」
ママと楓さんと泰葉さんの3人が僕以上に怒ってくれるから。
僕は怒りそびれちゃって。
圭介さんと玲司君がけちょんけちょんに言われるのを黙って聞いていた。
女の人の言葉を使った攻撃力って高いんだなあ。
その時。iPhoneの中を流れるサムネイルに気になるものが1つあらわれた。
それはみんなで住んでいたマンションのバスルームの映像。
僕がひとりでシャワーを浴びている、それは見ちゃ駄目!
持っているシャワーヘッドの形状。
手が届くところに置かれたピンクのローションボトル。
つまりは、これからSEXする準備を僕がするところ。
そんなものをママ達には見せられない!
咄嗟にママの手の中にあったiPhoneを左手で掴む。
立ち上がるのと同時に右手に持ち替えて、左足を一歩前に出すと、全力でiPhoneを投げた。
野球のキャッチャーが盗塁を刺すときと同じ動きを体が覚えていて、ほぼ無意識にやっちゃった。
でも後悔はしてない。
むしろ、迷いなく仕留められたと誇っていい。
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