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不動ベイシン
れっつごーアニマルズ3
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お昼ごはんは池の横にあるカフェでオムライスを食べた。
デザートはコアラの顔にデコレーションされたパンケーキ。
しっかり腹ごしらえもできたし、このあとどうします?
テーブルの上に園内マップを広げて相談。
池は動物園の真ん中にあるので、ここからどこに向かうのか決めないと迷子になっちゃう。
「ふれあい広場とボート、どっちに行く?」
『ボートの前にふれあい広場に行きたいです』
せっかくだから動物と仲良くなりたい。
ヤギにキャベツを食べさせたり、モルモットを膝にのせてなでなで。みんな可愛い。
圭介さんは動物とふれあう僕をずっと撮っていた。
『圭介さんはモルモット撫でなくてもいいの? ふわふわしてて可愛いよ?』
「唯のがカワイー」
恥ずかしいから外でそういう事を言うのは禁止。
触ることはできないけど広場には他にも動物がいて、すぐ近くで見ることができる。
大きな牛の大きなあくび。
ふわふわな白い毛が可愛いアルパカ。
長い耳のウサギは日陰でお昼寝中。
動物と一通り楽しんだら。
やっぱりチャレンジしたいよね。
乗ったら別れちゃうと噂の東山動植物園のボート。
『特別なピンクのボートを貸してください!!』
大きな池の真ん中まで圭介さんがオールを漕いでくれる。
遮るものが何もなくて太陽の光が痛いほどに照りつける。
今度からは帽子をかぶるだけじゃなくて日傘も持ってきたほうが良さそうだ。
でも、動物園は手つなぎデートしたかったんだよね。
手をつなぐなら日傘は邪魔。
ボートを漕ぐ圭介さんの肌を伝う汗をタオルで押さえるように拭いた。
首に巻くアイスノンやハンディタイプのファンを持ってきたけど気休めにしかならない。
9月もそろそろ終わるというのに真夏のような暑さに汗が止まらないのは僕も圭介さんも一緒。
圭介さんの首筋に垂れた汗の一滴が流れて、形の良い喉仏の先にとまった。
落ちそうで落ちないその雫をじっと見ていたら。
僕に見られて緊張した圭介さんが生唾を飲みこんだ。
上下する喉仏の先の汗はポタリと落ちて、ボートの染みとなってしまった。
見ていないで拭いてあげればよかった。
女の子の格好をしていなかったら僕がオールを変わってあげられたのに。
今日の僕達は安全のために魔女の娘とその恋人という設定だから。
僕はイケメン弁護士に相応しい女の子を演じる。
ボートの噂は有名みたいだ。
池の横を歩く人が僕達の乗るボートを見て驚いた顔をしている。
大丈夫。僕達はボートの呪いに負けない。
僕はスマホを持った腕をいっぱいに伸ばして、圭介さんと仲良くセルフィーを撮った。
ボートを降りたら次はカバやサルのいる方を見に行く。
名古屋の動物園は上野よりもずっと広い。
通路を進むと等身大のカバと写真が撮れる顔はめパネルを見つけた。
こういうベタな看板、僕好きなんだよね。
通りすがりの女の子が写真を撮ってくれるというので、圭介さんが飼育員の顔に笑顔でハマる。
僕は顔出しパネルの前、カバの足元にしゃがんだ。
「はい、チーズ」
ボートの上では自撮りだったから全身写るように撮れなかった。
自分からお願いするのは恥ずかしいから撮りますよって声かけてくれたの、すごく嬉しい。
友達と遊びに来ていた女の子、本当にありがとう。
写真を撮ってもらったあと、感謝の気持ちで手も合わせたら。
何故か僕達にお礼を言われた。
一日一善のルールを自分に課しているのだろうか?
「ありがとうございました! 動物園楽しんでください!」
うん。このあとも楽しんでくるね。
みんなも楽しんで。バイバイ。
デザートはコアラの顔にデコレーションされたパンケーキ。
しっかり腹ごしらえもできたし、このあとどうします?
テーブルの上に園内マップを広げて相談。
池は動物園の真ん中にあるので、ここからどこに向かうのか決めないと迷子になっちゃう。
「ふれあい広場とボート、どっちに行く?」
『ボートの前にふれあい広場に行きたいです』
せっかくだから動物と仲良くなりたい。
ヤギにキャベツを食べさせたり、モルモットを膝にのせてなでなで。みんな可愛い。
圭介さんは動物とふれあう僕をずっと撮っていた。
『圭介さんはモルモット撫でなくてもいいの? ふわふわしてて可愛いよ?』
「唯のがカワイー」
恥ずかしいから外でそういう事を言うのは禁止。
触ることはできないけど広場には他にも動物がいて、すぐ近くで見ることができる。
大きな牛の大きなあくび。
ふわふわな白い毛が可愛いアルパカ。
長い耳のウサギは日陰でお昼寝中。
動物と一通り楽しんだら。
やっぱりチャレンジしたいよね。
乗ったら別れちゃうと噂の東山動植物園のボート。
『特別なピンクのボートを貸してください!!』
大きな池の真ん中まで圭介さんがオールを漕いでくれる。
遮るものが何もなくて太陽の光が痛いほどに照りつける。
今度からは帽子をかぶるだけじゃなくて日傘も持ってきたほうが良さそうだ。
でも、動物園は手つなぎデートしたかったんだよね。
手をつなぐなら日傘は邪魔。
ボートを漕ぐ圭介さんの肌を伝う汗をタオルで押さえるように拭いた。
首に巻くアイスノンやハンディタイプのファンを持ってきたけど気休めにしかならない。
9月もそろそろ終わるというのに真夏のような暑さに汗が止まらないのは僕も圭介さんも一緒。
圭介さんの首筋に垂れた汗の一滴が流れて、形の良い喉仏の先にとまった。
落ちそうで落ちないその雫をじっと見ていたら。
僕に見られて緊張した圭介さんが生唾を飲みこんだ。
上下する喉仏の先の汗はポタリと落ちて、ボートの染みとなってしまった。
見ていないで拭いてあげればよかった。
女の子の格好をしていなかったら僕がオールを変わってあげられたのに。
今日の僕達は安全のために魔女の娘とその恋人という設定だから。
僕はイケメン弁護士に相応しい女の子を演じる。
ボートの噂は有名みたいだ。
池の横を歩く人が僕達の乗るボートを見て驚いた顔をしている。
大丈夫。僕達はボートの呪いに負けない。
僕はスマホを持った腕をいっぱいに伸ばして、圭介さんと仲良くセルフィーを撮った。
ボートを降りたら次はカバやサルのいる方を見に行く。
名古屋の動物園は上野よりもずっと広い。
通路を進むと等身大のカバと写真が撮れる顔はめパネルを見つけた。
こういうベタな看板、僕好きなんだよね。
通りすがりの女の子が写真を撮ってくれるというので、圭介さんが飼育員の顔に笑顔でハマる。
僕は顔出しパネルの前、カバの足元にしゃがんだ。
「はい、チーズ」
ボートの上では自撮りだったから全身写るように撮れなかった。
自分からお願いするのは恥ずかしいから撮りますよって声かけてくれたの、すごく嬉しい。
友達と遊びに来ていた女の子、本当にありがとう。
写真を撮ってもらったあと、感謝の気持ちで手も合わせたら。
何故か僕達にお礼を言われた。
一日一善のルールを自分に課しているのだろうか?
「ありがとうございました! 動物園楽しんでください!」
うん。このあとも楽しんでくるね。
みんなも楽しんで。バイバイ。
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