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不動ベイシン
ナイトかんしゅう4
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僕達はどこでも生きていけそうだと分かったところで。
「今夜はこれでお開きかなー?」
見守ってくれていたお義父さんが立ち上がって屋敷に帰ろうと僕達に声をかける。
そうだね。もう寝る時間。
そこに、それまで静かに聞いていただけの夏目さんの驚いた声。
「ちょっと待ってください。園前寺がスペースを始めましたよ!」
スペース?
Xの音声配信のことか。
ラジオみたいにひとりで話してもいいし、リスナーをゲストに呼んで会話を楽しんでもいい。
人気のコミュニケーションツールだよね?
そんなスペースをLittle WOMANの代表、園前寺さんが始めたから夏目さんは驚いてる。
夏目さんは園前寺さんのXのアカウントをフォローしていたのかな。
設定しておけばスペースの開始をアプリの通知で教えてくれる。
園前寺さんがスペースで何を話すか、みんなも気になるみたい。
だけど泰葉さんは困った様子。
「私、ブロックされてるから聞けないわ」
自分も聞けないと衣笠大臣が言う。
「そういうときのために匿名のアカウントを用意しておくと良いと前にも言ったよ」
鈴村さんもメインのアカウントは既にブロックされている。
でも、複数のアカウントを持っているから、そちらで聞き始めた。
園前寺さんは鍵をかけたアカウントでスペースの配信を始めたから。
今から新しくフォローをしてもスペースは聞けない。
泰葉さん達のために、夏目さんが自分のスマホをスピーカーにしてマイクに近づけてくれた。
これで僕達も聞けるね。
「もうねー、あたし、無敵の人だから。今日はなんでも答えちゃうよ。あはっ」
ふわふわした話し方の園前寺さん。
もしかして酔ってる?
ぐだぐだと内容のない話をしているだけのスペースなのに慌てる松川さん。
「圭君、今すぐスペースを止めるんだ」
Xにハッキングして、園前寺さんのスペースを止めろと言う。
圭介さんはそんなことできるの?
「無理ですよ」
圭介さんは松川さんのお願いにすげない様子。
「君なら出来るだろう? いつものようにシステムエラーでもなんでもさせて止めるんだ」
松川さんは圭介さんのこと魔法使いか何かと勘違いしてない?
魔女は鈴村さんだよ?
「無理ですって。唯が目についたコードを全部抜いちゃったから。コンピュータの電源入れるところからだし。システムを再設定するのに、どんなに頑張っても朝までかかる。その前にスペースの配信も終わるでしょー」
メディアデトックスは徹底的にやらなきゃ意味がないから、離れのパソコンの類は全部のスイッチを切ったんだよね。
もちろん、圭介さんには切っても大丈夫か聞いたよ?
それで大丈夫だと言うから、遠慮なくコンセントを引っこ抜いた。
それまでパソコンのファンが唸っていた部屋がしんと静まり返ったとき。
すっごく気持ちよかったから、また定期的にやりたい。
「いまウェブ会議をしているパソコンは使えないのか?」
「これは唯の手話を通訳する専門に組んだものだから。用途が違います」
パソコンならなんでもいいってわけじゃないんだね。
「じゃあ、友達のブラジル人。彼に頼むのは?」
圭介さんの友達?
ハッカーの知り合いというとケンゾーさんかな?
『ケンゾーさんなら、今アニメの一気見をしているから連絡取れないと思いますよ』
僕はケンゾーさんとメル友だから。
彼の予定を少しだけ知ってるよ。
『今朝、おすすめ作品を昭和の名作から、平成、令和の最新アニメまで。いくつか教えたんです』
僕が学生時代に野球部だったと知って、野球アニメのオススメを聞かれたんだ。
『そうしたら昭和の野球アニメをケンゾーさんは選んで。配信を耐久一気見するって意気込んでました。アニメを見てる時に邪魔をするとすごく機嫌が悪くなるから、お仕事は頼めないです』
全101話ある長編アニメだから、朝から見始めて、まだ見てるんじゃないかな。
それでも松川さんは構わずに連絡を取れという。
『多分無理だけど。メールだけは送ってみます。期待しないでくださいね』
「今夜はこれでお開きかなー?」
見守ってくれていたお義父さんが立ち上がって屋敷に帰ろうと僕達に声をかける。
そうだね。もう寝る時間。
そこに、それまで静かに聞いていただけの夏目さんの驚いた声。
「ちょっと待ってください。園前寺がスペースを始めましたよ!」
スペース?
Xの音声配信のことか。
ラジオみたいにひとりで話してもいいし、リスナーをゲストに呼んで会話を楽しんでもいい。
人気のコミュニケーションツールだよね?
そんなスペースをLittle WOMANの代表、園前寺さんが始めたから夏目さんは驚いてる。
夏目さんは園前寺さんのXのアカウントをフォローしていたのかな。
設定しておけばスペースの開始をアプリの通知で教えてくれる。
園前寺さんがスペースで何を話すか、みんなも気になるみたい。
だけど泰葉さんは困った様子。
「私、ブロックされてるから聞けないわ」
自分も聞けないと衣笠大臣が言う。
「そういうときのために匿名のアカウントを用意しておくと良いと前にも言ったよ」
鈴村さんもメインのアカウントは既にブロックされている。
でも、複数のアカウントを持っているから、そちらで聞き始めた。
園前寺さんは鍵をかけたアカウントでスペースの配信を始めたから。
今から新しくフォローをしてもスペースは聞けない。
泰葉さん達のために、夏目さんが自分のスマホをスピーカーにしてマイクに近づけてくれた。
これで僕達も聞けるね。
「もうねー、あたし、無敵の人だから。今日はなんでも答えちゃうよ。あはっ」
ふわふわした話し方の園前寺さん。
もしかして酔ってる?
ぐだぐだと内容のない話をしているだけのスペースなのに慌てる松川さん。
「圭君、今すぐスペースを止めるんだ」
Xにハッキングして、園前寺さんのスペースを止めろと言う。
圭介さんはそんなことできるの?
「無理ですよ」
圭介さんは松川さんのお願いにすげない様子。
「君なら出来るだろう? いつものようにシステムエラーでもなんでもさせて止めるんだ」
松川さんは圭介さんのこと魔法使いか何かと勘違いしてない?
魔女は鈴村さんだよ?
「無理ですって。唯が目についたコードを全部抜いちゃったから。コンピュータの電源入れるところからだし。システムを再設定するのに、どんなに頑張っても朝までかかる。その前にスペースの配信も終わるでしょー」
メディアデトックスは徹底的にやらなきゃ意味がないから、離れのパソコンの類は全部のスイッチを切ったんだよね。
もちろん、圭介さんには切っても大丈夫か聞いたよ?
それで大丈夫だと言うから、遠慮なくコンセントを引っこ抜いた。
それまでパソコンのファンが唸っていた部屋がしんと静まり返ったとき。
すっごく気持ちよかったから、また定期的にやりたい。
「いまウェブ会議をしているパソコンは使えないのか?」
「これは唯の手話を通訳する専門に組んだものだから。用途が違います」
パソコンならなんでもいいってわけじゃないんだね。
「じゃあ、友達のブラジル人。彼に頼むのは?」
圭介さんの友達?
ハッカーの知り合いというとケンゾーさんかな?
『ケンゾーさんなら、今アニメの一気見をしているから連絡取れないと思いますよ』
僕はケンゾーさんとメル友だから。
彼の予定を少しだけ知ってるよ。
『今朝、おすすめ作品を昭和の名作から、平成、令和の最新アニメまで。いくつか教えたんです』
僕が学生時代に野球部だったと知って、野球アニメのオススメを聞かれたんだ。
『そうしたら昭和の野球アニメをケンゾーさんは選んで。配信を耐久一気見するって意気込んでました。アニメを見てる時に邪魔をするとすごく機嫌が悪くなるから、お仕事は頼めないです』
全101話ある長編アニメだから、朝から見始めて、まだ見てるんじゃないかな。
それでも松川さんは構わずに連絡を取れという。
『多分無理だけど。メールだけは送ってみます。期待しないでくださいね』
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