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不動ベイシン
ナイトかんしゅう2
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「そこまで理解していてサクラ達に話さなかった理由は?」
「オレ関係ねぇし」
玲司君の潔い回答がカッコいい。
けれども、松川さんはそう思わなかったみたい。
「しかし。圭君に何かあれば君達の今の生活にも影響があるだろう?」
圭介さんに何があるって言うの?
事の次第で僕は修羅になるよ?
「逮捕されるとか訴えられるとか。そういうことだよ。圭君が犯罪者になれば、今のような贅沢はできなくなるかもしれない。君もそれは嫌だろう?」
逮捕されるのは予想された未来の1つだし。
『別に』
「分かってる? その身につけている洋服も。食べてる食事も。どれだけ金がかかってるか」
そんなことを僕に言われても。
僕は自分から贅沢な生活がしたいなんて言ったことはない。
用意された服だから着てるだけ。
食材も届いたものを残さず美味しく食べてるだけ。
別に自分で働いた給料で生活していた頃はプチプラの服やコスメも買っていた。
普通にスーパーのおつとめ品も食べてたよ。
そういう当たり前の生活水準に戻るのは平気。
「それこそ、今ある貯金や服や何もかもが全部なくなるかもしれないんだよ」
『そうなの?』
僕はそもそもそんなに貯金はないよ。
圭介さんはたくさんありそうだけど。
それが全部なくなることなんてあるの?
「民事で賠償請求されて。懲罰的に有り金全部取られて。さらに借金生活っていう可能性はあるかも」
圭介さんが仮定の話をしてくれた。
『借金なら自己破産したらなくなるんでしょ?』
「賠償金は自己破産しても支払い義務は残るよ。借金とは違うから」
『そうなんだ。じゃあ僕も働いて一緒に賠償金を払います』
圭介さんひとりで払うのが大変な額でも。
僕も一緒に働くよ。
高額な賠償金だったとしても、生涯かけて返していこうね。
「簡単に言うな。働くってどこで働く気だ? 犯罪者は簡単に雇ってもらえないんだよ」
就活するにしても、名前を検索したらすぐにニュース記事が出てくる人はお断りされてしまう。
僕も圭介さんもそういう人材のブラックリストに名前が載ると松川さんは言う。
『雇ってもらえないのか。じゃあ自給自足の生活になるの? 僕、お米ならなんとかできるかも。ちょっと土地は必要になるけど』
働いてお金が稼げないってなると、食べるので精一杯だよね。
僕、田植えなら出来るよ。
トラクターとコンバインの扱いは任せて。
「それってどれぐらい?」
圭介さんに必要な土地の広さを聞かれたから、頭の中で爺ちゃんの田んぼを想像した。
だいたいの計算でいいかな。
『米だけなら100、玲司君はたくさん食べるから150くらいは欲しい。それと野菜用に最低でもお義父さんの庭の菜園ぐらいの土地はいるかな』
稲だけじゃなくて季節の野菜や果実も育てるよ。
野菜も食べなきゃ病気になる。
「それぐらいの土地なら儂がなんとかしてやる。サクちゃんが慣れとる会津のあたりにするか?」
『本当ですか? それは心強いです』
お義父さんの申し出はありがたく受け取る。
若者の農業参加を支援する団体から無償で貸し出すという形にすることで、賠償金のカタに取られることもなく、安全に僕が作付けできる土地を用意できるそうだ。
「オレまで無職になる予定なのかよ。オマエラくらい普通に養えるぞ?」
玲司君は今の仕事が好きだもんね。
辞めないでいいなら続けてほしい。
だけど、どうなるかは分からない。
『連帯責任でそうなるかもしれないじゃん』
「無職になるなら時間も出来るし。佐倉の着る服ぐらいオレが作ってやるよ。これまで通りにカワイく着飾れ」
『やったー。僕、玲司君の作ってくれた服大好き。PMDが着れなくなるのは残念だけど。玲司君のワンメイクで特別な服が着られるのは嬉しい』
きっと借金を返済するためにロリータファッションのコレクションも全てなくなっちゃうんだと淋しく思ってたけど。
玲司君が新作を用意してくれるのは楽しみだ。
「ってか。PMDが買えるぐらいの稼ぎなら、佐倉の作った米売れば良くね?」
『お米の流通価格は60キロで1万円と少しだから、キロ200円とかだよ? 聖様の新作が買えるかな?』
お義父さんが用意してくれる農業用地の広さ次第じゃない?
「佐倉の顔写真付けて、私が丹精込めて育てましたってパッケージにしたらプレミア価格で売れるだろ」
『そうかな?』
玲司君がお洒落なデザインのパッケージを描いてくれたら売れるかも。
ブランドイメージって大事だし。
「オレ関係ねぇし」
玲司君の潔い回答がカッコいい。
けれども、松川さんはそう思わなかったみたい。
「しかし。圭君に何かあれば君達の今の生活にも影響があるだろう?」
圭介さんに何があるって言うの?
事の次第で僕は修羅になるよ?
「逮捕されるとか訴えられるとか。そういうことだよ。圭君が犯罪者になれば、今のような贅沢はできなくなるかもしれない。君もそれは嫌だろう?」
逮捕されるのは予想された未来の1つだし。
『別に』
「分かってる? その身につけている洋服も。食べてる食事も。どれだけ金がかかってるか」
そんなことを僕に言われても。
僕は自分から贅沢な生活がしたいなんて言ったことはない。
用意された服だから着てるだけ。
食材も届いたものを残さず美味しく食べてるだけ。
別に自分で働いた給料で生活していた頃はプチプラの服やコスメも買っていた。
普通にスーパーのおつとめ品も食べてたよ。
そういう当たり前の生活水準に戻るのは平気。
「それこそ、今ある貯金や服や何もかもが全部なくなるかもしれないんだよ」
『そうなの?』
僕はそもそもそんなに貯金はないよ。
圭介さんはたくさんありそうだけど。
それが全部なくなることなんてあるの?
「民事で賠償請求されて。懲罰的に有り金全部取られて。さらに借金生活っていう可能性はあるかも」
圭介さんが仮定の話をしてくれた。
『借金なら自己破産したらなくなるんでしょ?』
「賠償金は自己破産しても支払い義務は残るよ。借金とは違うから」
『そうなんだ。じゃあ僕も働いて一緒に賠償金を払います』
圭介さんひとりで払うのが大変な額でも。
僕も一緒に働くよ。
高額な賠償金だったとしても、生涯かけて返していこうね。
「簡単に言うな。働くってどこで働く気だ? 犯罪者は簡単に雇ってもらえないんだよ」
就活するにしても、名前を検索したらすぐにニュース記事が出てくる人はお断りされてしまう。
僕も圭介さんもそういう人材のブラックリストに名前が載ると松川さんは言う。
『雇ってもらえないのか。じゃあ自給自足の生活になるの? 僕、お米ならなんとかできるかも。ちょっと土地は必要になるけど』
働いてお金が稼げないってなると、食べるので精一杯だよね。
僕、田植えなら出来るよ。
トラクターとコンバインの扱いは任せて。
「それってどれぐらい?」
圭介さんに必要な土地の広さを聞かれたから、頭の中で爺ちゃんの田んぼを想像した。
だいたいの計算でいいかな。
『米だけなら100、玲司君はたくさん食べるから150くらいは欲しい。それと野菜用に最低でもお義父さんの庭の菜園ぐらいの土地はいるかな』
稲だけじゃなくて季節の野菜や果実も育てるよ。
野菜も食べなきゃ病気になる。
「それぐらいの土地なら儂がなんとかしてやる。サクちゃんが慣れとる会津のあたりにするか?」
『本当ですか? それは心強いです』
お義父さんの申し出はありがたく受け取る。
若者の農業参加を支援する団体から無償で貸し出すという形にすることで、賠償金のカタに取られることもなく、安全に僕が作付けできる土地を用意できるそうだ。
「オレまで無職になる予定なのかよ。オマエラくらい普通に養えるぞ?」
玲司君は今の仕事が好きだもんね。
辞めないでいいなら続けてほしい。
だけど、どうなるかは分からない。
『連帯責任でそうなるかもしれないじゃん』
「無職になるなら時間も出来るし。佐倉の着る服ぐらいオレが作ってやるよ。これまで通りにカワイく着飾れ」
『やったー。僕、玲司君の作ってくれた服大好き。PMDが着れなくなるのは残念だけど。玲司君のワンメイクで特別な服が着られるのは嬉しい』
きっと借金を返済するためにロリータファッションのコレクションも全てなくなっちゃうんだと淋しく思ってたけど。
玲司君が新作を用意してくれるのは楽しみだ。
「ってか。PMDが買えるぐらいの稼ぎなら、佐倉の作った米売れば良くね?」
『お米の流通価格は60キロで1万円と少しだから、キロ200円とかだよ? 聖様の新作が買えるかな?』
お義父さんが用意してくれる農業用地の広さ次第じゃない?
「佐倉の顔写真付けて、私が丹精込めて育てましたってパッケージにしたらプレミア価格で売れるだろ」
『そうかな?』
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ブランドイメージって大事だし。
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