恋愛サティスファクション

くらげ

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カワイクじゃんぷあっぷ5

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シナプスが焼け切れたポンコツな頭でも欲しかったにんじんリュックだけは何とか買えた。
本当は他のアイテムも見たかったけど、そんな余裕はない。
僕がレジでお金を払う頃にはRoi君に気付いた他のお客さんでお店は混み始めていた。
僕はお邪魔してはいけないと早々に店を後にすることに。
欲しかったリュックも買えて僕はもう大満足だからね。

「お客様お待ちください」

ご機嫌でニコニコとお店の外に出たところで店員のお姉さんに呼び止められちゃった。
なんだろう? おつりはちゃんともらったよ?

「本日は10,000円以上お買い上げのお客様に記念撮影のサービスがございまして」

記念撮影ってRoi君と?
それなら僕はすでにたくさんお話しできたからいらないかな。
過剰サービスだよ。
Roi君は他のお客さんの相手で忙しそうだ。
にんじんバッグも元々欲しくて買ったもので、Roi君と写真が撮りたくて買ったのとは違うし。
断ろうと首を横に振ったけど、お姉さんは僕のこと離してくれない。
そうしているうちに他のお姉さんに呼ばれてRoi君がやって来た。

「ウサギちゃん、お待たせ。写真はこのブランドロゴのところで良い?」

ブランドのロゴが大きく書かれた壁のところまで、Roi君にエスコートされて。
これが冗談じゃなくて、本当のエスコートなんだよ。
僕の腰に手を回してRoi君はスマートに動いていた。
無理矢理感なんて一切ない。

僕はお姉さんに言われるままカメラを起動したスマホを渡していた。
Roi君のマネージャーさんも別のスマホで写真を撮っているから、ちょっと焦る。
その写真どうするの?

「ウサギちゃんは恥ずかしがり屋さんみたいだし、このツーショはボクのSNSにアップしない方が良いかな?」

ってRoi君に耳元で囁かれた。
甘い声で囁くとか反則だよ。
どれだけ僕をときめかせるつもりなんだ。
写真については、SNSに載せるのは圭介さんとの約束で駄目だから、アップしないでお願いしますって強めに頷いておいた。

「りょーかい。じゃあ、この写真はボクだけのものってことで。またね。バイバイ」

また会うことはないだろうけど、僕もバイバイって手を振り返した。
Roi君も次の記念撮影があるみたいだし、早くここから離れなきゃ。
帰るところをスナップ撮りませんかって雑誌のカメラマンさんにも聞かれたけど。
それも首を振ってお断りした。
ちょっと逃げるようになっちゃったけど、仕方がないよね。

雑誌のカメラマンさん達は少し強引だったし。
僕は読者モデルとか興味ないのに何度も写真撮らせてって言ってきて怖かった。
帰り際に無理矢理渡された編集者さんの名刺どうしよう。
お洋服のこともすっごく誉められたけど。
これは圭介さんのコレクションを圭介さんが選んでくれただけで、僕はただ着てるだけなんだ。

それでも。コーディネートを誉められたよって圭介さんに伝えたらきっと喜ぶよね。
だってプロの編集者さんに誉められたんだし。
圭介さんのロリータへの愛は並々ならぬものがあるのは僕も見ていて感じるし。
あと伝えたいのは、にんじんリュックは写真より可愛いこと。
これはヘビロテ確定だな。
リュックの内側にはしっかりしたポケットも付いてて、見た目以上に使い勝手が良さそうなことも報告。

圭介さんはまだ仕事中だと分かっていても。
帰りの電車のなかで長文メッセージを送ってしまった。
うーん。反省。

あっそうそう。
Roi君に会えたことも、いちおう書いておこう。
圭介さんは男の子のモデルに興味ないけど、空いていたお店がRoi君の登場で一気に混んだこと聞いてほしい。
あの集客力はスゴかったから。
やっぱりモデルさんだけあってカリスマ性とかオーラとか特別だった。
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