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恋愛サティスファクション
誕生日はフルコース9
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初めては痛いと聞いたことがある。
それでも良いと、痛みすらと愛する人と繋がった証だと楽しみにしていた
それが、まさか。
「あぁぁん……」
寝室に響くのは色付いた僕の声と蜜の音。
正面から抱き合うように体を重ねて。
誰も触れたことのない深部を貫かれた僕を襲うのは痛みによる苦痛ではなく、性に濡れた愉悦だった。
絶対に痛くはしないと圭介さんは言った。確かに痛くはない。
たっぷりすぎるほど身体中を愛撫され、心身ともに蕩けるほどに愛され。
魂まで緩みきったうえでの挿入はそう難しいものではなかった。
っていうか、愛され過ぎ。
僕自身が幾度も吐き出した白い精で服はドロドロ、一部は乾き始めてパリパリ。
そう。僕はろくに脱がないまま初めてのSEXをしている。
ショートパンツと下着は中途半端に脱がされ、今は僕の左足脛の辺りにぶら下がって。
それ以外のシャツや靴下、垂れ耳フードは始まる前と全く同じまま。
いや、白いシミが増えてるか。
もとが黒いから汚れた場所が目立つ。
その全てが僕の汚れだと思うと、よくもまあこんなに出せたものだと自らのことなのに感服する。
もう出せる気がしないのに、昂るペニスを圭介さんの大きな手に包まれ緩慢に擦られ続ければ、性懲りもなく腰の辺りが熱くなる始末。
さらに煽るように僕の奥深くに圭介さんの熱が突き立てられるのだから、その衝動に抗いようがない。
それでも僕は乱れる呼吸の合間に圭介さんへ訴える。
「やだぁ、もう、やだ」
だって怖いんだ。
僕の知らないところを良くされて、僕の知らない僕になってしまいそうで。
無意識に逃げようとする腰を圭介さんは掴んで離してくれない。
「嫌だなんて、言わないで。気持ち良いんだろう?」
「よすぎて、いやぁ」
「良すぎちゃうんだ。そっかー」
嫌だと言っているのに圭介さんはより激しく腰を打ち付けてくる。
もう、何て言えば良いのか分からない。
「名前を呼んで。ねえ、唯」
名前を呼べと良いながら僕を攻め立てるのはやめて。
呼ぼうにも呼べない。
悲鳴なのか喘いでいるのか分からない声をあげて、イヤイヤと首を振る。
「唯。ほら、俺のことを呼んで?」
「け……いすけ……さん……」
鳴きすぎて掠れた声で、なんとか名前っぽい音は出せた。
でもこれ以上は無理。
「うん。上手に言えたね」
被っていたフードの内側に手を差し入れて、そっと頭を撫でられる。
誉めてもらえて嬉しい。
綻ぶ口許に落とされるご褒美のキス。
しばらくは甘いキスとゆっくりとした律動を味わっていたのに。
唇が離された途端に激しく奥を穿たれれば。
「いやぁ。ぼくだけまた、イっちゃう」
耐えられないと僕は悲鳴をあげた。
「イって良いんだ」
「いやあ。圭介さんも。圭介さんもいっしょにぃ」
激しい律動に翻弄されながらも僕は共に果てたいと願う。
圭介さんの背中に腕を回して、ボタンを一つも外していないシルバーグレイのシャツをすがるように握りしめて。
「圭介さんもイって」
荒い息の合間に僕のなかでイって欲しいと伝えるとそのつもりだと微笑まれ。
このまま抱き合ってお互いを昂めていきたかったのに。
圭介さんは上半身を起こすと、その手のひらで僕のそれを扱きだした。
もう出すものは残っていないと思っていたのに、前と後ろから同時に攻められれば簡単に薄いながらも精を溢してしまう。
また僕だけ……。
快楽と虚しさを抱えて呆けたところに、今夜、一番の律動が襲う。
「いやぁ。いやぁ。圭介さん、いやだ。もう、ぼくいったぁ」
「うん。唯が言ってくれたんだよ。俺にもイってって」
イったばかりの体には強すぎる刺激に腰が勝手に跳ねてしまう。
「唯も気持ちが良いんだね」
「ちがっ。ちがうっ」
「何が違うの? 気持ちよくない?」
「ちがっ。あっ。あんっ」
良すぎるのだと伝えたいのに、それが伝えられない。
とにかく一度、体を休ませて欲しい。
これ以上されたらおかしくなる。
「はあっ。ぬ、ぬいてっ」
「うん。唯でヌキたい」
「ちがっ。そういういみじゃないっ」
「唯が言ったんだよ。“僕の中でイって”って」
過ぎた快楽に僕の意識は軽く飛んでいた。
譫言のように愛する人の名前を呼び、震える身体をシーツの上に投げ出して。
その手に黒いウサギの耳を握りしめ、与えられる享楽に僕は溺れた。
「唯。俺を受け入れてくれる?」
勿論だと頷けば、ようやく熱い欲が体の奥に注がれる。
待ち焦がれていたはずのそれを僕はろくに味わうことなく、眠るように意識を失った。
それでも良いと、痛みすらと愛する人と繋がった証だと楽しみにしていた
それが、まさか。
「あぁぁん……」
寝室に響くのは色付いた僕の声と蜜の音。
正面から抱き合うように体を重ねて。
誰も触れたことのない深部を貫かれた僕を襲うのは痛みによる苦痛ではなく、性に濡れた愉悦だった。
絶対に痛くはしないと圭介さんは言った。確かに痛くはない。
たっぷりすぎるほど身体中を愛撫され、心身ともに蕩けるほどに愛され。
魂まで緩みきったうえでの挿入はそう難しいものではなかった。
っていうか、愛され過ぎ。
僕自身が幾度も吐き出した白い精で服はドロドロ、一部は乾き始めてパリパリ。
そう。僕はろくに脱がないまま初めてのSEXをしている。
ショートパンツと下着は中途半端に脱がされ、今は僕の左足脛の辺りにぶら下がって。
それ以外のシャツや靴下、垂れ耳フードは始まる前と全く同じまま。
いや、白いシミが増えてるか。
もとが黒いから汚れた場所が目立つ。
その全てが僕の汚れだと思うと、よくもまあこんなに出せたものだと自らのことなのに感服する。
もう出せる気がしないのに、昂るペニスを圭介さんの大きな手に包まれ緩慢に擦られ続ければ、性懲りもなく腰の辺りが熱くなる始末。
さらに煽るように僕の奥深くに圭介さんの熱が突き立てられるのだから、その衝動に抗いようがない。
それでも僕は乱れる呼吸の合間に圭介さんへ訴える。
「やだぁ、もう、やだ」
だって怖いんだ。
僕の知らないところを良くされて、僕の知らない僕になってしまいそうで。
無意識に逃げようとする腰を圭介さんは掴んで離してくれない。
「嫌だなんて、言わないで。気持ち良いんだろう?」
「よすぎて、いやぁ」
「良すぎちゃうんだ。そっかー」
嫌だと言っているのに圭介さんはより激しく腰を打ち付けてくる。
もう、何て言えば良いのか分からない。
「名前を呼んで。ねえ、唯」
名前を呼べと良いながら僕を攻め立てるのはやめて。
呼ぼうにも呼べない。
悲鳴なのか喘いでいるのか分からない声をあげて、イヤイヤと首を振る。
「唯。ほら、俺のことを呼んで?」
「け……いすけ……さん……」
鳴きすぎて掠れた声で、なんとか名前っぽい音は出せた。
でもこれ以上は無理。
「うん。上手に言えたね」
被っていたフードの内側に手を差し入れて、そっと頭を撫でられる。
誉めてもらえて嬉しい。
綻ぶ口許に落とされるご褒美のキス。
しばらくは甘いキスとゆっくりとした律動を味わっていたのに。
唇が離された途端に激しく奥を穿たれれば。
「いやぁ。ぼくだけまた、イっちゃう」
耐えられないと僕は悲鳴をあげた。
「イって良いんだ」
「いやあ。圭介さんも。圭介さんもいっしょにぃ」
激しい律動に翻弄されながらも僕は共に果てたいと願う。
圭介さんの背中に腕を回して、ボタンを一つも外していないシルバーグレイのシャツをすがるように握りしめて。
「圭介さんもイって」
荒い息の合間に僕のなかでイって欲しいと伝えるとそのつもりだと微笑まれ。
このまま抱き合ってお互いを昂めていきたかったのに。
圭介さんは上半身を起こすと、その手のひらで僕のそれを扱きだした。
もう出すものは残っていないと思っていたのに、前と後ろから同時に攻められれば簡単に薄いながらも精を溢してしまう。
また僕だけ……。
快楽と虚しさを抱えて呆けたところに、今夜、一番の律動が襲う。
「いやぁ。いやぁ。圭介さん、いやだ。もう、ぼくいったぁ」
「うん。唯が言ってくれたんだよ。俺にもイってって」
イったばかりの体には強すぎる刺激に腰が勝手に跳ねてしまう。
「唯も気持ちが良いんだね」
「ちがっ。ちがうっ」
「何が違うの? 気持ちよくない?」
「ちがっ。あっ。あんっ」
良すぎるのだと伝えたいのに、それが伝えられない。
とにかく一度、体を休ませて欲しい。
これ以上されたらおかしくなる。
「はあっ。ぬ、ぬいてっ」
「うん。唯でヌキたい」
「ちがっ。そういういみじゃないっ」
「唯が言ったんだよ。“僕の中でイって”って」
過ぎた快楽に僕の意識は軽く飛んでいた。
譫言のように愛する人の名前を呼び、震える身体をシーツの上に投げ出して。
その手に黒いウサギの耳を握りしめ、与えられる享楽に僕は溺れた。
「唯。俺を受け入れてくれる?」
勿論だと頷けば、ようやく熱い欲が体の奥に注がれる。
待ち焦がれていたはずのそれを僕はろくに味わうことなく、眠るように意識を失った。
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