恋愛サティスファクション

くらげ

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初陣アプレンティス

かいぎストラテジー4

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鈴村さんから紹介されてるけど、夏目さんを頼るのはやめておこう。

「可能性なら全員にあるよ?」

圭介さんが残りの4人の名前もスパイの可能性があると書いていく。
その中には鈴村さんの名前もあって。それは違うでしょ?

「さすがに鈴村さんは違いますよね?」
「ううん。一番あり得るのが鈴さんじゃないかな? だって俺の目を欺けるぐらい上手に密偵が出来る人なんて鈴さん以外にいる?」

そう言われると、圭介さんのハッキングスキルの網を掻い潜ってLittle WOMAN側に情報を流すのは大変だ。
それをやれる人は誰って考えたとき、鈴村さんならやれるなって思っちゃった。
鈴村さんが僕達を裏切ってるなんて思いたくないけど、出来るか出来ないかで考えたら出来る人なんだ。

「そんなこと言ったら、もう誰も信じられないじゃん」
「俺は信じてもいいよ」

さらりと言わないで。ときめくから。

「唯の願いは全部俺が叶えるよ。だから俺のことは信じて大丈夫」

にっこり笑って王子様みたいにカッコいいことを言ってるけど。
その証明に使われるのは20年かけて積み上げたストーカー行為だからね。
たしかに圭介さんが僕を裏切るようには思えない。

「これで圭介さんが裏切り者だったら、僕は自分の見る目がなかったと諦めます」
「俺は唯を裏切らないから安心して」

盲目的に惚れてる圭介さんの底なし沼みたいな愛を信じよう。

「それじゃあ。屋敷の中にいるみんなの行動を全て僕達の監視下におきましょう。鈴村さんすら信じられない戦況です。申し訳ないですけどお義父さんも僕達の指示に従ってください」

巻き込んじゃってごめんなさい。
でもLittle WOMANをぶっ潰すためには必要な犠牲なんだ。

「ほう。面白くなってきた」

黙って僕達のやり取りを聞いていたお義父さんが楽しそうに笑う。
その余裕がある感じ、いいね。

「基本的にはこれまで通りに過ごしてもらって大丈夫なんで。外の人とのやり取りに制限があるくらいかな?」

詳しくは圭介さんに決めてもらうけど、お義父さんはこれまでも屋敷でのんびり過ごしてもらっていただけだし。
とくに生活は変わらないよね?

「儂はそれで構わんよー。手紙を出す時は検閲してくれ。電話も時々来るが、録音してあとから聞けるように細工するぐらい圭なら簡単だろう?」

それで僕達が安心して作戦を遂行できるなら安い負担だとお義父さんは言う。
お義父さんが僕達の作戦にのった。
それなら二上さんはどうする?
今ならまだ塀の外に連絡取れるけど。

「俺に拒否権はないんでしょ。もう好きにしてください」

二上さんは投げやりな態度を隠さない。
3台のスマホを好きにしろと机の上に置いた。

「部屋にあるパソコンと今はここにないプライベート用のスマホもあとで確認させてもらうねー」

圭介さんはスマホの中身を確認するために二上さんの指を使って指紋認証を解除する。
二上さんが小さく舌打ちをした。
そうだよね。仕事用のスマホだけならともかく、プライベートなものも確認されるのは嫌だよね。
でも僕達も譲れないんで諦めてください。

「あとは玲司か。素直に言うこと聞いてくれるかな?」
「それは僕から頼みます。玲司君のこと信じたいけど、鈴村さんに脅されて無理矢理っていうパターンはありえるし」

僕の安全を人質に取られて脅されたら、玲司君は優しいから鈴村さんの指示に従うかもしれない。

「玲司への説明は唯にお願いするね」
「はい。吉野さんと染井さんはどうします?」
「親父と同じで良いと思うよ。あの2人が何かするとは思えないけど」

僕もそう思うけど。
やると決めたら徹底的にやらなきゃ。
半端な気持ちで始めちゃいけない。

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