恋愛サティスファクション

くらげ

文字の大きさ
上 下
325 / 469
初陣アプレンティス

かいぎストラテジー1

しおりを挟む
ようやく伝わった。僕の気持ち。
うまく言葉にできなくて時間かかっちゃった。
これからは僕もきちんと伝える努力するから、圭介さんこれからもよろしくね。

お互いの小指絡ませてニコニコしてると、幸せだなあって気持ちでいっぱいになる。
僕、こういう穏やかな時間を圭介さんと過ごすの好きだよ。
もう怒ったり悲しくなったりするのは嫌。

「お二人が元サヤに戻るようで良かったです。おめでとうございます」

全然おめでとうっていう顔をしてない二上さんに仲直りを祝福された。
Little WOMAN潰しは思いとどまれと言いたいんだね。
でも無理。だってLittle WOMANがいる限り、僕は怒ったり悲しくなったり嫌な気持ちにさせられるんだ。
不愉快の原因は根っこから断ち切らないといけない。

「これから作戦会議をするつもりなんですけど、二上さんも参加してくれますか? 反対意見は貴重です。懸念してることをどんどん書いて貼ってください」

戸棚をあさって筆記用具を取り出す。
二上さんに赤色の付箋をあげますね。
僕はピンク色。圭介さんは青。
それぞれの考えを書いてテーブルに貼っていこう。

「僕と圭介さんだけで計画を進めるのは視野が偏って危険だから、二上さんも意見をお願いします。気楽に書いてください」

僕も適当に書くからさ。

「圭介さんはLittle WOMANに対して僕達が出来る案を思いつく限り書いてください。実行できそうな案を探しましょう。他にも知ってることとか、調べられることとか何でも書いて教えてください」

意見は多い方がいい。
お義父さんは見てるだけで書くつもりはなさそうだけど、白い付箋置いておきますね。
よかったら使ってください。

“住民監査請求”
“脱税の告発”
“売春の告発”
“人身売買の告発”
“胎児サプリの告発”

圭介さんがサラサラと書く青色の付箋には告発の文字が並ぶ。
それに対して二上さんが“告発は握り潰されて終わる”と緑の付箋に書き込んだ。

「なんで握り潰されるって分かるんですか?」

“衣笠大臣に頼んで井出総理に直接訴える”

疑問を口にして、ピンク色の付箋に提案を書いて貼る。
僕の質問に二上さんは付箋に書かずに声に出して答えてくれた。

「Little WOMANの顧客にはとても高貴な生まれの方々もいるんです。いわゆる上級国民ってやつですよ。そんな人と懇意にしているLittle WOMANに司法は何もできないんですよ」

“上級国民の顧客あり”

司法すら好きに出来るなんて、どんな人なんだろう。

「井出総理みたいな?」

例えで総理の名前を出しちゃった。
ごめんなさい。井出総理が女の子買っているなんて思ってないです。
もちろんサプリも飲んでないですよね?

「井出は守る価値なんてないよ。本当にヤバくなったら井出ぐらい簡単に差し出すだろうね」

圭介さんが井出総理はそこまで上級ではないと教えてくれる。
総理よりも偉い人って誰だろう?
もう想像もつかない。日本人ではない?

「あそこの親子の下半身スキャンダルで誤魔化されるのはありそうですね」

二上さんが圭介さんの予想に頷く。
親子って言うけど、もしかして。

「井出総理と息子がLittle WOMANの顧客とか言わないですよね?」
「Little WOMANの売春宿。親子で仲良く一緒に利用してるよー」

嘘だろ。それじゃ総理に直談判しても無駄じゃん。
Little WOMANの後ろ盾に総理大臣がいるなんて。
勝てる気がしない。
厚労省の有識者会議で圭介さんの発言が議事録にも残されない横暴の理由はこのせいか。
どれだけの圧力をかけているんだ。

“Little WOMAN客 井出総理、秘書の息子 not上級”

残念な気持ちで付箋に書いた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

タイは若いうちに行け

フロイライン
BL
修学旅行でタイを訪れた高校生の酒井翔太は、信じられないような災難に巻き込まれ、絶望の淵に叩き落とされる…

ニューハーフな生活

フロイライン
恋愛
東京で浪人生活を送るユキこと西村幸洋は、ニューハーフの店でアルバイトを始めるが

少年ペット契約

眠りん
BL
※少年売買契約のスピンオフ作品です。 ↑上記作品を知らなくても読めます。  小山内文和は貧乏な家庭に育ち、教育上よろしくない環境にいながらも、幸せな生活を送っていた。  趣味は布団でゴロゴロする事。  ある日学校から帰ってくると、部屋はもぬけの殻、両親はいなくなっており、借金取りにやってきたヤクザの組員に人身売買で売られる事になってしまった。  文和を購入したのは堂島雪夜。四十二歳の優しい雰囲気のおじさんだ。  文和は雪夜の養子となり、学校に通ったり、本当の子供のように愛された。  文和同様人身売買で買われて、堂島の元で育ったアラサー家政婦の金井栞も、サバサバした性格だが、文和に親切だ。  三年程を堂島の家で、呑気に雪夜や栞とゴロゴロした生活を送っていたのだが、ある日雪夜が人身売買の罪で逮捕されてしまった。  文和はゴロゴロ生活を守る為、雪夜が出所するまでの間、ペットにしてくれる人を探す事にした。 ※前作と違い、エロは最初の頃少しだけで、あとはほぼないです。 ※前作がシリアスで暗かったので、今回は明るめでやってます。

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

人違いで同級生の女子にカンチョーしちゃった男の子の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

処理中です...