309 / 442
初陣アプレンティス
ひがいファイル2
しおりを挟む
「じゃあなんで転職の誘いを断ったの? 何件か誘われてたよね? 結構良い条件もあったじゃん」
「だって父さんがどんな仕事でも3年耐えろっていうから。あんまり早くに転職するのも堪え性がないみたいで良くないかなって。1年は働こうと思ったんです」
たしかにありがたいお誘いをいくつかもらっていたけど。
就職して数ヶ月で転職するのも違うかなって思った。
そんなに悪い職場ではなかったから。
声をかけられた時に迷わず転職していたら。
歌舞伎町に通う暇もなかっただろうし。
クレーマー客にも会わなかった。
圭介さんに会うきっかけがなくなっちゃう。
ロリータファッションが好きになることもなければ、玲司君と出会うこともない。
そんなの嫌だな。
そう思うと、大人になった僕達の出会いは改ざんされた就活データによるお祈りメールから始まってるのか。
苦しかったけど、またやれるかって聞かれたら無理だけど。
全部投げ出してしまわなくて良かった。
「2年目になる頃には圭介さんとお付き合い始まってて、休みなく働くのはデートできなくなるから嫌だなって思ったから。忙しそうな転職の誘いは断ってました」
話を聞いたら週末も休みなく働くのが普通みたいで。
既に週1で休める仕事に慣れてた当時の僕は給料が増えるメリットよりも休みがなくなるデメリットのが大きかったんだ。
「転職どころか今は無職になっちゃったし。でも、これから再就職先を探すときに前より条件良くなってそうなのは朗報ですね。今はもう僕に嫌がらせする社員さんもいないだろうから、少しぐらい選り好みしても許されるかなあ」
学生の時は金融系を目指すものって雰囲気に流されてたけど。
別に僕は銀行員になりたいわけでもない。
じゃあ何がしたいかって聞かれてもすぐには答えられないけど。
まだしばらくは屋敷から出られないんだ。ゆっくり考えよう。
「唯は働く必要ないよ」
圭介さんは僕に家にいてほしいらしい。
「何もしないで家にいるとか嫌ですよ。今すぐは無理でも、Little WOMANのことが落ち着いたら合同説明会とか行きますからね」
早く行けるようになりたいな。
ギリギリだけど第二新卒の募集に応募できる歳だし。
若さは時限で目減りする財産だから急がないと。
「そうだ。なくなった連絡先も僕のAppleIDで電話帳を復活させられるはず。すっかり忘れてたけどあとで試そう。もう安全のためなんて言葉には騙されないぞ。一緒に働こうと誘ってくれてた先輩にも連絡して。あの誘いはまだ有効か聞きたい」
せっかくだから、いろいろ話を聞かせてほしいな。
先輩はベンチャーを立ち上げるとか言ってたけど今はどうしてるんだろう。
ネット広告の代理店ってうまくいってるのかな?
やっぱり会社をイチから興すのは大変だし。
今更聞いたところで僕の居場所なんてないかもだけど。
少しぐらい忙しいのも平気だから。僕、今すっごく働きたい気分。
「なんで? 俺との時間は? 」
「必要ないですよ?」
誘われた当初は圭介さんと少しでも一緒にいたかったから断ったけど。
ずっと一緒にいたら飽きてきた。
朝から晩まで同じ空間にいると刺激が足りなくなる感じ。
やっぱり別々の時間は必要だ。
「だって父さんがどんな仕事でも3年耐えろっていうから。あんまり早くに転職するのも堪え性がないみたいで良くないかなって。1年は働こうと思ったんです」
たしかにありがたいお誘いをいくつかもらっていたけど。
就職して数ヶ月で転職するのも違うかなって思った。
そんなに悪い職場ではなかったから。
声をかけられた時に迷わず転職していたら。
歌舞伎町に通う暇もなかっただろうし。
クレーマー客にも会わなかった。
圭介さんに会うきっかけがなくなっちゃう。
ロリータファッションが好きになることもなければ、玲司君と出会うこともない。
そんなの嫌だな。
そう思うと、大人になった僕達の出会いは改ざんされた就活データによるお祈りメールから始まってるのか。
苦しかったけど、またやれるかって聞かれたら無理だけど。
全部投げ出してしまわなくて良かった。
「2年目になる頃には圭介さんとお付き合い始まってて、休みなく働くのはデートできなくなるから嫌だなって思ったから。忙しそうな転職の誘いは断ってました」
話を聞いたら週末も休みなく働くのが普通みたいで。
既に週1で休める仕事に慣れてた当時の僕は給料が増えるメリットよりも休みがなくなるデメリットのが大きかったんだ。
「転職どころか今は無職になっちゃったし。でも、これから再就職先を探すときに前より条件良くなってそうなのは朗報ですね。今はもう僕に嫌がらせする社員さんもいないだろうから、少しぐらい選り好みしても許されるかなあ」
学生の時は金融系を目指すものって雰囲気に流されてたけど。
別に僕は銀行員になりたいわけでもない。
じゃあ何がしたいかって聞かれてもすぐには答えられないけど。
まだしばらくは屋敷から出られないんだ。ゆっくり考えよう。
「唯は働く必要ないよ」
圭介さんは僕に家にいてほしいらしい。
「何もしないで家にいるとか嫌ですよ。今すぐは無理でも、Little WOMANのことが落ち着いたら合同説明会とか行きますからね」
早く行けるようになりたいな。
ギリギリだけど第二新卒の募集に応募できる歳だし。
若さは時限で目減りする財産だから急がないと。
「そうだ。なくなった連絡先も僕のAppleIDで電話帳を復活させられるはず。すっかり忘れてたけどあとで試そう。もう安全のためなんて言葉には騙されないぞ。一緒に働こうと誘ってくれてた先輩にも連絡して。あの誘いはまだ有効か聞きたい」
せっかくだから、いろいろ話を聞かせてほしいな。
先輩はベンチャーを立ち上げるとか言ってたけど今はどうしてるんだろう。
ネット広告の代理店ってうまくいってるのかな?
やっぱり会社をイチから興すのは大変だし。
今更聞いたところで僕の居場所なんてないかもだけど。
少しぐらい忙しいのも平気だから。僕、今すっごく働きたい気分。
「なんで? 俺との時間は? 」
「必要ないですよ?」
誘われた当初は圭介さんと少しでも一緒にいたかったから断ったけど。
ずっと一緒にいたら飽きてきた。
朝から晩まで同じ空間にいると刺激が足りなくなる感じ。
やっぱり別々の時間は必要だ。
3
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
男子中学生から女子校生になった僕
葵
大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。
普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。
強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!
女装とメス調教をさせられ、担任だった教師の亡くなった奥さんの代わりをさせられる元教え子の男
湊戸アサギリ
BL
また女装メス調教です。見ていただきありがとうございます。
何も知らない息子視点です。今回はエロ無しです。他の作品もよろしくお願いします。
男の子たちの変態的な日常
M
BL
主人公の男の子が変態的な目に遭ったり、凌辱されたり、攻められたりするお話です。とにかくHな話が読みたい方向け。
※この作品はムーンライトノベルズにも掲載しています。
クラスの仲良かったオタクに調教と豊胸をされて好みの嫁にされたオタクに優しいギャル男
湊戸アサギリ
BL
※メス化、男の娘化、シーメール化要素があります。オタクくんと付き合ったギャル男がメスにされています。手術で豊胸した描写があります。これをBLって呼んでいいのかわからないです
いわゆるオタクに優しいギャル男の話になります。色々ご想像にお任せします。本番はありませんが下ネタ言ってますのでR15です
閲覧ありがとうございます。他の作品もよろしくお願いします
俺、メイド始めました
雨宮照
恋愛
ある日、とある理由でメイド喫茶に行った主人公・栄田瑛介は学校でバイトが禁止されているにもかかわらず、同級生の倉橋芽依がメイドとして働いていることを知ってしまう。
秘密を知られた倉橋は、瑛介をバックヤードに連れて行き……男の瑛介をメイドにしようとしてきた!?
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる