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初陣アプレンティス
さいせいメンタル6
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翌日、食材などの荷物と一緒に僕の新しい服やコスメが届いた。
時間がない中で鈴村さんが手配してくれたそうだ。
ありがとうございます。
鈴村さんが選んでくれたのはお嬢さんスタイルのコンサバ系ファッション。
これが魔女見習い洋装スタイルか。
白いブラウスにミディ丈のフレアスカートがデフォルトなんですね。
それと舞台用と思われる化粧下地。これが本当にカバー力高くて嬉しかった。
塗るだけで痣が隠れてそれなりに肌色が整うの本当に嬉しい。
朝は野菜の水やりとかやることたくさんあるから。
手早くベースメイクを出来るのが大事なんだよね。
動きやすいメンズライクなオーバーオールとかの服装にあんまり濃いメイクもしたくないし。
でも玲司君と一緒にやるから見苦しくない僕でいたい。
朝は水やりと野菜の収穫を終えてから朝ごはん。
朝食のあと玲司君はリモート出社。
僕はお義父さんの朝のお散歩に付き合うのが日課になった。
散歩というか庭木の簡単な手入れや果樹の収穫なんだけど。
梨、桃、葡萄、イチジクにスモモ。庭には他にもいろいろな樹が植わっている。
収穫の時期が来ているものは痛む前に収穫して。
食べきれない野菜や果物は午後の配送で送る。
傷む前に即日発送。
塀の外側に人はたくさんいるからね。
みんなで美味しく食べよう。
キッチンの片隅を借りて。
実った桃をひとつずつフルーツキャップで包み、ダンボール箱に並べていく。
そうしていると子供の頃に農園を手伝った記憶が蘇る。
福島の爺ちゃんは米農家だったけど、親戚には桃農家の叔父ちゃんもいて。
夏休みはちょうど最盛期で猫の手も借りたい状態だったから僕も箱詰めを手伝っていたんだ。
中学受験が本格的になる小学6年の夏は夏期講習で帰省しなくなって。
中学に入学してからは部活が忙しくなった。
その頃から年に一度。正月の挨拶に行くだけに。
大学生にもなるとそれすら行かなくなって。
足が遠のいたのは学業やバイトに忙しくなったのもあるけど。
爺ちゃんが亡くなったっていうのも大きい。
小さい頃の僕は爺ちゃんにくっついて夏を過ごしていたから。
従兄弟達とうまく関係を築いていなかった。
それを爺ちゃんが亡くなってから気付いて。
新しく居場所を作ろうとしたけど思春期に差し掛かる僕達の仲はうまくいかなかった。
僕はときどきそういうことがある。
誰とでも親しくなれると思われがちだけど、駄目なときは全然駄目なんだ。
無理して仲良くなるより他の人と仲良くなればいいやって諦めちゃうのもいけないんだけど。
幸いにも今回は僕が屋敷での生活に馴染めるように。初日は玲司君やお義父さんが一緒にいてくれた。
吉野さんや染井さんは僕を親戚の子供みたいに扱ってくれる。
最初は合わないなって思ってた二上さんもお互いに適切な距離感が保てるようになった。
そんなわけでお義父さんの屋敷に来て3日目。
今日も元気にブルーベリー摘みの真っ先中。
暑くなる前の午前中。朝食前に菜園の野菜を、食後に庭の果実を収穫するのが今の僕の仕事。
玲司君は自室でリモートワーク、お義父さんは書斎にいるので庭には僕一人だけ。
でも首からさげた特別なスマートフォンでいつでも屋敷にいる人達とは連絡が取れる。
このライムグリーンのGooglePixelは昨日鈴村さんから送られてきた物だ。
うっかり者の僕が余計なことをしないように制限のかけられた、ある意味キッズケータイ。
電話もできない。ネットも見れない。
そんなスマホの中には初めて見るメッセージアプリがダウンロードされていた。
LINEのようなそのアプリは屋敷にいるみんなや鈴村さんがフレンド登録されていて。
個別にメッセージを送ったり通話をしたり、グループチャットをすることが出来る。
これならLINEでよくないってお義父さんに聞いたら。
LINEは運営会社に会話内容を覗かれる恐れがあるから機密の面で問題があると言われた。
だから特別に自分達だけのメッセージアプリを用意したそうだ。
LINEが僕達のメッセージを調べるなんてと思ったけど、これはもう戦争。
それぐらいの気持ちでいなきゃいけない。
だけどアプリの開発ってそんな簡単に出来ないよね?
もしかして僕が知らなかっただけで前々から使われていた?
どれだけLittle WOMENを疑っているんだって思ったけど。
すでに一度襲われてるし、警戒しすぎて何もなければ何もなかったねとあとから笑えばいい。
これ以上の怪我は結構です。
僕は白い塀に囲われたこの広い庭と屋敷で生活するのそんなに嫌じゃないし。
高層マンションよりずっと居心地がいい。
最初からお義父さんの屋敷に家出していたら良かったんだって思うくらい。
ブルーベリーに続いてラズベリーも摘み終わり屋敷に戻る途中。
だいたいの方向だけ確認して木々の間を適当に歩く。
これが僕の息抜きだったりする。
お義父さんの庭は歩くだけで楽しいから。
そうして初めて歩く場所で見たことない薄紅色の花を咲かせた木を見つけた。
桜っぽいけど真夏に咲くはずがないから違う花。
花の写真を撮ってお義父さんに送る。
そうするとあとで何の木か教えてくれるんだ。
収穫するか判断に迷った時は吉野さんに写真を送って相談。
庭で道に迷った時は染井さんに目の前の景色を撮って送ると迎えに来てもらえる。
そんな感じで僕が庭を出歩く時にはこのGooglePixelは必須アイテムだ。
塀の外に送る野菜や果物の準備ができる頃。
染井さんが作るお昼ご飯の支度も佳境にかかる。
手伝えるときは僕も手伝う。
だけど今日はまだ野菜の箱詰めが終わってない。
お昼ご飯までに出荷作業が終わるように頑張らなきゃ。
時間がない中で鈴村さんが手配してくれたそうだ。
ありがとうございます。
鈴村さんが選んでくれたのはお嬢さんスタイルのコンサバ系ファッション。
これが魔女見習い洋装スタイルか。
白いブラウスにミディ丈のフレアスカートがデフォルトなんですね。
それと舞台用と思われる化粧下地。これが本当にカバー力高くて嬉しかった。
塗るだけで痣が隠れてそれなりに肌色が整うの本当に嬉しい。
朝は野菜の水やりとかやることたくさんあるから。
手早くベースメイクを出来るのが大事なんだよね。
動きやすいメンズライクなオーバーオールとかの服装にあんまり濃いメイクもしたくないし。
でも玲司君と一緒にやるから見苦しくない僕でいたい。
朝は水やりと野菜の収穫を終えてから朝ごはん。
朝食のあと玲司君はリモート出社。
僕はお義父さんの朝のお散歩に付き合うのが日課になった。
散歩というか庭木の簡単な手入れや果樹の収穫なんだけど。
梨、桃、葡萄、イチジクにスモモ。庭には他にもいろいろな樹が植わっている。
収穫の時期が来ているものは痛む前に収穫して。
食べきれない野菜や果物は午後の配送で送る。
傷む前に即日発送。
塀の外側に人はたくさんいるからね。
みんなで美味しく食べよう。
キッチンの片隅を借りて。
実った桃をひとつずつフルーツキャップで包み、ダンボール箱に並べていく。
そうしていると子供の頃に農園を手伝った記憶が蘇る。
福島の爺ちゃんは米農家だったけど、親戚には桃農家の叔父ちゃんもいて。
夏休みはちょうど最盛期で猫の手も借りたい状態だったから僕も箱詰めを手伝っていたんだ。
中学受験が本格的になる小学6年の夏は夏期講習で帰省しなくなって。
中学に入学してからは部活が忙しくなった。
その頃から年に一度。正月の挨拶に行くだけに。
大学生にもなるとそれすら行かなくなって。
足が遠のいたのは学業やバイトに忙しくなったのもあるけど。
爺ちゃんが亡くなったっていうのも大きい。
小さい頃の僕は爺ちゃんにくっついて夏を過ごしていたから。
従兄弟達とうまく関係を築いていなかった。
それを爺ちゃんが亡くなってから気付いて。
新しく居場所を作ろうとしたけど思春期に差し掛かる僕達の仲はうまくいかなかった。
僕はときどきそういうことがある。
誰とでも親しくなれると思われがちだけど、駄目なときは全然駄目なんだ。
無理して仲良くなるより他の人と仲良くなればいいやって諦めちゃうのもいけないんだけど。
幸いにも今回は僕が屋敷での生活に馴染めるように。初日は玲司君やお義父さんが一緒にいてくれた。
吉野さんや染井さんは僕を親戚の子供みたいに扱ってくれる。
最初は合わないなって思ってた二上さんもお互いに適切な距離感が保てるようになった。
そんなわけでお義父さんの屋敷に来て3日目。
今日も元気にブルーベリー摘みの真っ先中。
暑くなる前の午前中。朝食前に菜園の野菜を、食後に庭の果実を収穫するのが今の僕の仕事。
玲司君は自室でリモートワーク、お義父さんは書斎にいるので庭には僕一人だけ。
でも首からさげた特別なスマートフォンでいつでも屋敷にいる人達とは連絡が取れる。
このライムグリーンのGooglePixelは昨日鈴村さんから送られてきた物だ。
うっかり者の僕が余計なことをしないように制限のかけられた、ある意味キッズケータイ。
電話もできない。ネットも見れない。
そんなスマホの中には初めて見るメッセージアプリがダウンロードされていた。
LINEのようなそのアプリは屋敷にいるみんなや鈴村さんがフレンド登録されていて。
個別にメッセージを送ったり通話をしたり、グループチャットをすることが出来る。
これならLINEでよくないってお義父さんに聞いたら。
LINEは運営会社に会話内容を覗かれる恐れがあるから機密の面で問題があると言われた。
だから特別に自分達だけのメッセージアプリを用意したそうだ。
LINEが僕達のメッセージを調べるなんてと思ったけど、これはもう戦争。
それぐらいの気持ちでいなきゃいけない。
だけどアプリの開発ってそんな簡単に出来ないよね?
もしかして僕が知らなかっただけで前々から使われていた?
どれだけLittle WOMENを疑っているんだって思ったけど。
すでに一度襲われてるし、警戒しすぎて何もなければ何もなかったねとあとから笑えばいい。
これ以上の怪我は結構です。
僕は白い塀に囲われたこの広い庭と屋敷で生活するのそんなに嫌じゃないし。
高層マンションよりずっと居心地がいい。
最初からお義父さんの屋敷に家出していたら良かったんだって思うくらい。
ブルーベリーに続いてラズベリーも摘み終わり屋敷に戻る途中。
だいたいの方向だけ確認して木々の間を適当に歩く。
これが僕の息抜きだったりする。
お義父さんの庭は歩くだけで楽しいから。
そうして初めて歩く場所で見たことない薄紅色の花を咲かせた木を見つけた。
桜っぽいけど真夏に咲くはずがないから違う花。
花の写真を撮ってお義父さんに送る。
そうするとあとで何の木か教えてくれるんだ。
収穫するか判断に迷った時は吉野さんに写真を送って相談。
庭で道に迷った時は染井さんに目の前の景色を撮って送ると迎えに来てもらえる。
そんな感じで僕が庭を出歩く時にはこのGooglePixelは必須アイテムだ。
塀の外に送る野菜や果物の準備ができる頃。
染井さんが作るお昼ご飯の支度も佳境にかかる。
手伝えるときは僕も手伝う。
だけど今日はまだ野菜の箱詰めが終わってない。
お昼ご飯までに出荷作業が終わるように頑張らなきゃ。
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