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ぼくらのプロフィール6
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「えっ? 玲司君? 圭介さん?」
なぜか中高生ぐらいの歳の二人が仲良く揃って松の木の枝にぶら下がっているんだけど。
2本並んだ立派な枝振りの松にそれぞれ縄で縛られて吊り下げられている。
その松の木の真ん中に満面の笑みを浮かべて立っているのが鈴村さん。
ふたりの身体に食い込むように這うSMショーのような縄の縛り方。鈴村さんが犯人か。
「見なかったことにしろ!」
玲司君が慌ててアルバムを閉じたけど。もう遅い。見ちゃったよ。
もしかして玲司君そういう趣味あるの? 縛られたい人?
「鈴村さんにこういうことも教わった方がいい?」
僕、こんな綺麗に縛ったり出来ないよ。
頼んだら教えてもらえるものなのかな。
一種の職人芸みたいだけど。
「教わるな! 佐倉はこんなもん知らなくていいんだよ。お願いだからこれ以上鈴村みたいになるな。世間知らずな佐倉のままでいてくれ」
「世間知らずじゃ駄目だろ。ってか、僕そこまで何も知らないかな。一応一般教養はそれなりに学んできたつもりだけど」
確かに僕には知らないことが多過ぎるって自覚はあるよ。
だからそれらをこれから学ぶつもりだし、玲司君のことももっと知りたいし。
そもそも、なんで二人が吊るされてるの?
「鈴村に“メッ”てされたんだよ」
「これが鈴村さんの“メッ”なんだ」
絵面がエグい。
見目麗しい美少年達が為す術もない様子で締め上げられて。
そういう趣味の人が見たら喜びそうなところが更にキツイ。
「これはまだ人に見せれる“メッ”だけどな。圭はこれのあと更に反省してないってキツめの“メッ”されてるぞ」
「これよりキツいの?」
「アイツ、焼酎飲めねぇじゃん。あれ体質って誤魔化してるけどトラウマのせい。鈴村にガチめにツメられて飲めなくなったんだぜ」
圭介さんは強いお酒も好んで飲むけど、体質に合わなくて焼酎は悪酔いしちゃうと言って飲まない。
僕もそうなんだって納得して無理に飲ませた事ない。
けど、飲めない理由が鈴村さんに“メッ”てされたトラウマだったなんて。
それほどに鈴村さん怒らせたって何やったんだよ。
そうとう悪いことをしないと、こうはならない。
玲司君は何も言わないで。
松の木に吊るされる怖いお仕置については聞かなかったことにする。
これはパンドラの箱だ。
開けたらいけないって僕のセンサーが働いた。
丁寧に鍵を閉めて。次の写真を見よう。
玲司君と圭介さん、一緒に仲良く絵を描いてるみたいだけど。
これは何してるとこ?
「これは圭が俺に服の発注してるとこだな。圭が書いたこんな服欲しいっていう説明文と座標みたいな数字の羅列をデザイン画に直して。鈴村のチェックでOKもらえたら制作するんだ」
暇つぶしの洋服作りだと言ってたけど。
鈴村さんから本格的な指導を受けてる?
「素材選んで、パターン引いて、シーチングで仮縫い、パターン直し。型紙が合格したら本番の布の裁断。ここまで来たら完成も見えてくる。縫製したら出来上がり。本体のボディを組み上げて、飾りを縫い付けて。そしたらいつも佐倉が着てるワンピースだ。セットのヘッドドレスやガーターリングもオレの手製だからな。たくさん着ろよ」
「説明してくれる言葉の半分くらい意味が分からないけど、なんかたくさんの工程を経てひとつの服ができるって言うのが分かった。大事に着る!」
今より少しだけ若い玲司君が持つ見覚えのある花柄の布。
僕達の馴れ初めワンピースのスカートを彩ってくれた布だ。
「こんなふうに作ってたんだ。この写真と馴れ初めエピソードはセットで紹介しようよ。花婿の手作りワンピースだよってみんなに見てもらおう。僕も自慢したい。僕達の出会いは運命なんだって」
「そんだけ気に入ってくれたら鈴村にデザインボツにされまくったのも救われるな」
「そんなにダメ出しされたの?」
「途中でレースもらうの諦めかけるぐらいにはな。でも圭が絶対にレース貰って服作るんだってアイデア出しから鈴村の説得までしたんだよ」
それほどまでに圭介さんはアンティークレースを気に入ってたんだ。
確かに可愛いもんな。
クラシカルな花模様のコットンレース。
あれを好きだと感じる感性は僕も同じ。
なぜか中高生ぐらいの歳の二人が仲良く揃って松の木の枝にぶら下がっているんだけど。
2本並んだ立派な枝振りの松にそれぞれ縄で縛られて吊り下げられている。
その松の木の真ん中に満面の笑みを浮かべて立っているのが鈴村さん。
ふたりの身体に食い込むように這うSMショーのような縄の縛り方。鈴村さんが犯人か。
「見なかったことにしろ!」
玲司君が慌ててアルバムを閉じたけど。もう遅い。見ちゃったよ。
もしかして玲司君そういう趣味あるの? 縛られたい人?
「鈴村さんにこういうことも教わった方がいい?」
僕、こんな綺麗に縛ったり出来ないよ。
頼んだら教えてもらえるものなのかな。
一種の職人芸みたいだけど。
「教わるな! 佐倉はこんなもん知らなくていいんだよ。お願いだからこれ以上鈴村みたいになるな。世間知らずな佐倉のままでいてくれ」
「世間知らずじゃ駄目だろ。ってか、僕そこまで何も知らないかな。一応一般教養はそれなりに学んできたつもりだけど」
確かに僕には知らないことが多過ぎるって自覚はあるよ。
だからそれらをこれから学ぶつもりだし、玲司君のことももっと知りたいし。
そもそも、なんで二人が吊るされてるの?
「鈴村に“メッ”てされたんだよ」
「これが鈴村さんの“メッ”なんだ」
絵面がエグい。
見目麗しい美少年達が為す術もない様子で締め上げられて。
そういう趣味の人が見たら喜びそうなところが更にキツイ。
「これはまだ人に見せれる“メッ”だけどな。圭はこれのあと更に反省してないってキツめの“メッ”されてるぞ」
「これよりキツいの?」
「アイツ、焼酎飲めねぇじゃん。あれ体質って誤魔化してるけどトラウマのせい。鈴村にガチめにツメられて飲めなくなったんだぜ」
圭介さんは強いお酒も好んで飲むけど、体質に合わなくて焼酎は悪酔いしちゃうと言って飲まない。
僕もそうなんだって納得して無理に飲ませた事ない。
けど、飲めない理由が鈴村さんに“メッ”てされたトラウマだったなんて。
それほどに鈴村さん怒らせたって何やったんだよ。
そうとう悪いことをしないと、こうはならない。
玲司君は何も言わないで。
松の木に吊るされる怖いお仕置については聞かなかったことにする。
これはパンドラの箱だ。
開けたらいけないって僕のセンサーが働いた。
丁寧に鍵を閉めて。次の写真を見よう。
玲司君と圭介さん、一緒に仲良く絵を描いてるみたいだけど。
これは何してるとこ?
「これは圭が俺に服の発注してるとこだな。圭が書いたこんな服欲しいっていう説明文と座標みたいな数字の羅列をデザイン画に直して。鈴村のチェックでOKもらえたら制作するんだ」
暇つぶしの洋服作りだと言ってたけど。
鈴村さんから本格的な指導を受けてる?
「素材選んで、パターン引いて、シーチングで仮縫い、パターン直し。型紙が合格したら本番の布の裁断。ここまで来たら完成も見えてくる。縫製したら出来上がり。本体のボディを組み上げて、飾りを縫い付けて。そしたらいつも佐倉が着てるワンピースだ。セットのヘッドドレスやガーターリングもオレの手製だからな。たくさん着ろよ」
「説明してくれる言葉の半分くらい意味が分からないけど、なんかたくさんの工程を経てひとつの服ができるって言うのが分かった。大事に着る!」
今より少しだけ若い玲司君が持つ見覚えのある花柄の布。
僕達の馴れ初めワンピースのスカートを彩ってくれた布だ。
「こんなふうに作ってたんだ。この写真と馴れ初めエピソードはセットで紹介しようよ。花婿の手作りワンピースだよってみんなに見てもらおう。僕も自慢したい。僕達の出会いは運命なんだって」
「そんだけ気に入ってくれたら鈴村にデザインボツにされまくったのも救われるな」
「そんなにダメ出しされたの?」
「途中でレースもらうの諦めかけるぐらいにはな。でも圭が絶対にレース貰って服作るんだってアイデア出しから鈴村の説得までしたんだよ」
それほどまでに圭介さんはアンティークレースを気に入ってたんだ。
確かに可愛いもんな。
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あれを好きだと感じる感性は僕も同じ。
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