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めいめいオリジナル7
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“婚姻届”“不正”という単語で調べてみたら、不受理届っていうのを出しておけば勝手に婚姻届出されても安心なんだ。
弁護士事務所のホームページでは別れた恋人やストーカー対策に効果的と紹介されている。
現在進行形でお付き合いしている人達が信用ならないって、やっぱりレアケースなのか。
もしかしてこれは泰葉さんへの相談案件になるのでは。
恋人が結婚に対して勇み足で暴走モードなんですって相談したい。
泰葉さんにどうやって伝えるべきか悩んでいたら鈴村さんが優しく声をかけてきた。
「婚姻届の有無はさておき。時期が来たら式は挙げなさい。保さんが3人の晴れ姿を見るのを楽しみにしているから」
大切な届出を軽くあしらっちゃだめ。
大事なものだから僕は今こんなにも悩んでいるんだ。
でも結婚式か。圭介さんと玲司君の白いタキシード姿。見たい!
絶対にカッコイイ。
お色直しに玲司君はRoi君モードに変身してもらって。きゃー。
圭介さんも皇子様スーツを着てくれないかな。
ひとりで式の妄想を楽しんでたら、圭介さんと玲司君も同じようにあれこれ夢を語っているみたい。
なのだけど。何言ってるのかな?
「唯に似合うのはプリンセスラインのふわっとしたやつだって」
「フィッシュテールでフロントがっつり短いヤツだろ」
「たしかに唯の足は綺麗だけどー。俺は鎖骨が好きなのー。ビスチェにプリンセスラインのシンプルなドレスだって昔から決めてたのー」
「しゃあねえなぁ。じゃあ、式は圭の好きにしろ。オレは披露宴のドレス決めるから」
「えー。披露宴はピンクのミニドレスにハートのステッキタイプのブーケを持たせたい」
「てめぇ。人が譲ってやったら調子にのりやがって。それならオレだってバックスタイルがスーパーロングトレーンのレースが透けるドレスで真っ赤な絨毯敷いたバージンロード歩かせるし」
「フィッシュテールのロングトレーンか」
「エロくて良いだろ」
「うん。いいかもー。玲司は唯の良さを引き出すのがうまいよね。でも、バージンロードは禁欲的なクラシカルドレスって決めてるから」
ふたりして盛り上がってるところ悪いけど。
「決まってません!」
ちょっとキツめに口を挟んでしまっても仕方がないよね
「唯も着たいドレスあるの? どんなの? 教えてー」
「佐倉の好みもおさえてやらねえとな。結婚式は花嫁が主役だ。好きなもん着ろ」
「前提が違う! 僕は花婿さん! 着るのはドレスじゃなくてタキシード!」
何勝手に決めてんの?
僕だってタキシードを着るし。
ウェディングドレスは着ないし。
「そうだよね。サクラは花婿だ。晴れ着のタキシードは是非とも私に仕立てさせてくれるかな?」
「鈴村さんはタキシードが作れるんですか?」
それすごい! めっちゃ尊敬!
「私は紳士の本場、英国で服飾を学んでいるからね」
誇らしげに胸を張る鈴村さん。ちょっと可愛い。
「僕が式を挙げる時には絶対にお願いします」
「我が子の晴れ姿を飾らせてもらえるなんて光栄だよ」
僕も鈴村さんがタキシードを仕立ててくれたら凄く嬉しい。
式が楽しみになった。
「あっ。そうそう。楓さんのお店にね、とても大切に保管されている白無垢があるのだけど。もしサクラさえ良ければ前撮り写真の時にでも袖を通してみたらどうかな? 近頃は結婚式も洋装ばかりで着てもらえないと楓さん寂しがっていたから」
白無垢。花嫁さんのための特別な着物。
「楓さんのコレクションならきっと綺麗なんでしょうね」
「厳かな神前式で花嫁が着てくれたら、とても美しいだろうね」
そっか。結婚式ってチャペルだけじゃなくて神社でもやれるのか。
そしたら圭介さんと玲司君は紋付袴姿になる?
それも見たい!
「どうだろう。候補のひとつとして覚えておいてくれないかな?」
「覚えていたとしても僕は男なんで神様の前で結婚を誓うことは出来ないですよ」
どれだけ見た目を取り繕っても。僕達は男同士なんだ。
神様に叱られちゃう。
「何を言っているのだ? 日本は八百万の神々に守られた多様性の国だよ。ゲイのカップルが誓った愛を見守ってくれる神様もいるさ。安心して神の御前で2人への愛を誓っておいで」
「キリスト教だとゲイは許されないけど神道ならその辺もおおらかなんですね」
そっか。日本の神様なら僕達みたいなイレギュラーな存在でもオールオッケーしてくれるのか。
プロポーズが成功した暁には楓さんに白無垢貸してくださいってお願いしよ。
プロポーズかあ。いつかしたいなあ。
ナイトクルーズの船のデッキの上とか。
観覧車のてっぺんとか。
一生に一度の事だから、やっぱり特別なシチュエーションが良いよな。
その時期がきたら計画を立てよう。
“婚姻届”“不正”という単語で調べてみたら、不受理届っていうのを出しておけば勝手に婚姻届出されても安心なんだ。
弁護士事務所のホームページでは別れた恋人やストーカー対策に効果的と紹介されている。
現在進行形でお付き合いしている人達が信用ならないって、やっぱりレアケースなのか。
もしかしてこれは泰葉さんへの相談案件になるのでは。
恋人が結婚に対して勇み足で暴走モードなんですって相談したい。
泰葉さんにどうやって伝えるべきか悩んでいたら鈴村さんが優しく声をかけてきた。
「婚姻届の有無はさておき。時期が来たら式は挙げなさい。保さんが3人の晴れ姿を見るのを楽しみにしているから」
大切な届出を軽くあしらっちゃだめ。
大事なものだから僕は今こんなにも悩んでいるんだ。
でも結婚式か。圭介さんと玲司君の白いタキシード姿。見たい!
絶対にカッコイイ。
お色直しに玲司君はRoi君モードに変身してもらって。きゃー。
圭介さんも皇子様スーツを着てくれないかな。
ひとりで式の妄想を楽しんでたら、圭介さんと玲司君も同じようにあれこれ夢を語っているみたい。
なのだけど。何言ってるのかな?
「唯に似合うのはプリンセスラインのふわっとしたやつだって」
「フィッシュテールでフロントがっつり短いヤツだろ」
「たしかに唯の足は綺麗だけどー。俺は鎖骨が好きなのー。ビスチェにプリンセスラインのシンプルなドレスだって昔から決めてたのー」
「しゃあねえなぁ。じゃあ、式は圭の好きにしろ。オレは披露宴のドレス決めるから」
「えー。披露宴はピンクのミニドレスにハートのステッキタイプのブーケを持たせたい」
「てめぇ。人が譲ってやったら調子にのりやがって。それならオレだってバックスタイルがスーパーロングトレーンのレースが透けるドレスで真っ赤な絨毯敷いたバージンロード歩かせるし」
「フィッシュテールのロングトレーンか」
「エロくて良いだろ」
「うん。いいかもー。玲司は唯の良さを引き出すのがうまいよね。でも、バージンロードは禁欲的なクラシカルドレスって決めてるから」
ふたりして盛り上がってるところ悪いけど。
「決まってません!」
ちょっとキツめに口を挟んでしまっても仕方がないよね
「唯も着たいドレスあるの? どんなの? 教えてー」
「佐倉の好みもおさえてやらねえとな。結婚式は花嫁が主役だ。好きなもん着ろ」
「前提が違う! 僕は花婿さん! 着るのはドレスじゃなくてタキシード!」
何勝手に決めてんの?
僕だってタキシードを着るし。
ウェディングドレスは着ないし。
「そうだよね。サクラは花婿だ。晴れ着のタキシードは是非とも私に仕立てさせてくれるかな?」
「鈴村さんはタキシードが作れるんですか?」
それすごい! めっちゃ尊敬!
「私は紳士の本場、英国で服飾を学んでいるからね」
誇らしげに胸を張る鈴村さん。ちょっと可愛い。
「僕が式を挙げる時には絶対にお願いします」
「我が子の晴れ姿を飾らせてもらえるなんて光栄だよ」
僕も鈴村さんがタキシードを仕立ててくれたら凄く嬉しい。
式が楽しみになった。
「あっ。そうそう。楓さんのお店にね、とても大切に保管されている白無垢があるのだけど。もしサクラさえ良ければ前撮り写真の時にでも袖を通してみたらどうかな? 近頃は結婚式も洋装ばかりで着てもらえないと楓さん寂しがっていたから」
白無垢。花嫁さんのための特別な着物。
「楓さんのコレクションならきっと綺麗なんでしょうね」
「厳かな神前式で花嫁が着てくれたら、とても美しいだろうね」
そっか。結婚式ってチャペルだけじゃなくて神社でもやれるのか。
そしたら圭介さんと玲司君は紋付袴姿になる?
それも見たい!
「どうだろう。候補のひとつとして覚えておいてくれないかな?」
「覚えていたとしても僕は男なんで神様の前で結婚を誓うことは出来ないですよ」
どれだけ見た目を取り繕っても。僕達は男同士なんだ。
神様に叱られちゃう。
「何を言っているのだ? 日本は八百万の神々に守られた多様性の国だよ。ゲイのカップルが誓った愛を見守ってくれる神様もいるさ。安心して神の御前で2人への愛を誓っておいで」
「キリスト教だとゲイは許されないけど神道ならその辺もおおらかなんですね」
そっか。日本の神様なら僕達みたいなイレギュラーな存在でもオールオッケーしてくれるのか。
プロポーズが成功した暁には楓さんに白無垢貸してくださいってお願いしよ。
プロポーズかあ。いつかしたいなあ。
ナイトクルーズの船のデッキの上とか。
観覧車のてっぺんとか。
一生に一度の事だから、やっぱり特別なシチュエーションが良いよな。
その時期がきたら計画を立てよう。
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