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可視化ライブラリ
そうだ名古屋に行こう9
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一緒にご飯を食べるだけだと思っていたのに、今度は買い物へ行くことになった。
またあのごつい車で移動。
着いたのは老舗デパート、名倉屋本店。
入り口のフロアガイドにはメンズフロアは5階だと書かれていた。
それなのにエレベーターで7階に上がって、さらに奥にある個室に通された。
それは噂に聞く外商サロンってやつでは。
強面警備隊は扉の前までってルールなのか?
部屋に通されたのは僕と鈴村さんとお義父さん。
「えっ? 壁やんは?」
僕のスペシャルガードマンじゃないの?
「僕は外で待ってるよ。さっくんはゆっくり買い物を楽しんだらいい」
壁やんも他の警備隊員さん達と部屋の外にいるみたい。
ちゃんと待っててよ。
勝手に博多に行ったら嫌だよ。
落ち着いた調度品の部屋に招かれて、ふかふかのソファを勧められる。
最近流行りのヒヨコの形のケーキと紅茶でおもてなし。
一息ついたら手際よく全身を採寸された。
何事かと思っていたら今度は布の山の登場。
もしかしてこれはスーツのオーダー?
それはさすがに。僕にも遠慮ってものがあるよ。
でも後学のために見るだけなら。興味はある。
いつかフルオーダーのスーツ欲しいなって夢を見るのは自由だよね。
夢を語って良いのなら。ネイビーのスリーピースを。
大学の入学式の時、父さんがお祝いだと用意してくれたスーツはチャコールグレーのピンストライプだった。
僕が希望した無地のネイビーは童顔な僕をより幼く見せるからと却下されて。
就活の時もダークグレーを勧められたな。
あれって父さんの好みもあったんじゃないか?
いまさら聞けないけど。
でも今ならネイビーも着こなせる気がする。
最近、世間の荒波にもまれているし顔に締まりが出てきたでしょ。
王道の無地ネイビーの生地を見せてください!
青にも色々あって。鮮やかで明るい色から黒に近い落ち着いた色まで。
直感で好きだと選んでも、鏡で合わせてみたら似合わないの悲しい。
似合わないから憧れるのか。
「サクちゃんにはこれが良いんじゃないかー?」
お義父さんが勧めてくれたのは渋い濃紺。
それはどうだろうって思いつつ、まあ合わせるだけならって鏡の前に立ってみたら。
「いいかも」
「だろー」
大人っぽいを通り過ぎてオジサンっぽい印象の濃紺がお子ちゃまな僕の顔に意外とあっている。
これをさらっと選べるのすごい。
そのあとも衿のデザインやステッチの有無など。
お義父さんのアドバイスが尽く僕の好みを直撃してくる。
「無理に肩パットを足すより、自然なラインのままで良いんじゃないかー」
そうなの? 僕、自分のなで肩はあんまり好きじゃないんだけど。
スーツがカッコ良く着られないなって。
あのスクエアなフォルムが男らしさって感じするし。
でもお義父さんがそう言うなら。
細かい技術的なとこは全部おまかせで。
「かなりこうといのを選んだなー。裏は少しぐらい遊んでもいいぞー」
好きなのを選べと裏地のカタログを渡される。
なんの制約もない中で選ぶ遊び心って難しい。
ひとりで決めるのは自信がないので、スタッフさんと相談して。
表の布地より少し明るい藍色のペイズリー柄に決めた。
「これでお願いします」
はっ! つい楽しくなってスーツをオーダーしてしまった!
お義父さんも楽しそうだからいい?
少し早い誕生日プレゼント?
それなら遠慮しすぎるのも失礼になるし、お義父さんのご厚意はありがたくいただきます。
仮縫い終わったあとのフィッティングも待ち遠しいし、いまさらキャンセルは出来ない。
またあのごつい車で移動。
着いたのは老舗デパート、名倉屋本店。
入り口のフロアガイドにはメンズフロアは5階だと書かれていた。
それなのにエレベーターで7階に上がって、さらに奥にある個室に通された。
それは噂に聞く外商サロンってやつでは。
強面警備隊は扉の前までってルールなのか?
部屋に通されたのは僕と鈴村さんとお義父さん。
「えっ? 壁やんは?」
僕のスペシャルガードマンじゃないの?
「僕は外で待ってるよ。さっくんはゆっくり買い物を楽しんだらいい」
壁やんも他の警備隊員さん達と部屋の外にいるみたい。
ちゃんと待っててよ。
勝手に博多に行ったら嫌だよ。
落ち着いた調度品の部屋に招かれて、ふかふかのソファを勧められる。
最近流行りのヒヨコの形のケーキと紅茶でおもてなし。
一息ついたら手際よく全身を採寸された。
何事かと思っていたら今度は布の山の登場。
もしかしてこれはスーツのオーダー?
それはさすがに。僕にも遠慮ってものがあるよ。
でも後学のために見るだけなら。興味はある。
いつかフルオーダーのスーツ欲しいなって夢を見るのは自由だよね。
夢を語って良いのなら。ネイビーのスリーピースを。
大学の入学式の時、父さんがお祝いだと用意してくれたスーツはチャコールグレーのピンストライプだった。
僕が希望した無地のネイビーは童顔な僕をより幼く見せるからと却下されて。
就活の時もダークグレーを勧められたな。
あれって父さんの好みもあったんじゃないか?
いまさら聞けないけど。
でも今ならネイビーも着こなせる気がする。
最近、世間の荒波にもまれているし顔に締まりが出てきたでしょ。
王道の無地ネイビーの生地を見せてください!
青にも色々あって。鮮やかで明るい色から黒に近い落ち着いた色まで。
直感で好きだと選んでも、鏡で合わせてみたら似合わないの悲しい。
似合わないから憧れるのか。
「サクちゃんにはこれが良いんじゃないかー?」
お義父さんが勧めてくれたのは渋い濃紺。
それはどうだろうって思いつつ、まあ合わせるだけならって鏡の前に立ってみたら。
「いいかも」
「だろー」
大人っぽいを通り過ぎてオジサンっぽい印象の濃紺がお子ちゃまな僕の顔に意外とあっている。
これをさらっと選べるのすごい。
そのあとも衿のデザインやステッチの有無など。
お義父さんのアドバイスが尽く僕の好みを直撃してくる。
「無理に肩パットを足すより、自然なラインのままで良いんじゃないかー」
そうなの? 僕、自分のなで肩はあんまり好きじゃないんだけど。
スーツがカッコ良く着られないなって。
あのスクエアなフォルムが男らしさって感じするし。
でもお義父さんがそう言うなら。
細かい技術的なとこは全部おまかせで。
「かなりこうといのを選んだなー。裏は少しぐらい遊んでもいいぞー」
好きなのを選べと裏地のカタログを渡される。
なんの制約もない中で選ぶ遊び心って難しい。
ひとりで決めるのは自信がないので、スタッフさんと相談して。
表の布地より少し明るい藍色のペイズリー柄に決めた。
「これでお願いします」
はっ! つい楽しくなってスーツをオーダーしてしまった!
お義父さんも楽しそうだからいい?
少し早い誕生日プレゼント?
それなら遠慮しすぎるのも失礼になるし、お義父さんのご厚意はありがたくいただきます。
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