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恋愛サティスファクション
ハローGW7
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「玲司君ってヤクザの構成員なの!?」
思わず叫んでしまってから、慌てて口を両手で塞ぐ。
もう遅い。言っちゃった。
「ちげぇぞ」
「そうだよ。玲司はただの一般人。……ふふっ」
鈴村さん、その笑い方は怖いですっ!
「前あいたな。車動かすから、佐倉受け取りヨロシク。支払いはダッシュボードのなかのプリカで」
ハンバーガーショップのプリペイドカードは無造作に輪ゴムで束ねて放り込んであった。
なんでこんなにたくさんあるの?
分厚い束も今はなんか怖い。
プリペイドカードで問題なく支払いを済ませて。
ハンバーガーの詰まった大きな袋を受け取った。
自分と玲司君の分を取り分けたら、残りは後ろに座る鈴村さんに渡す。
「食事だ。起きたまえ」
「ふぁい。おはよーござまー」
鈴村さんは後列シートで眠っていた店長さんを起こして、小さな紙袋をひとつだけ渡す。
「って、ええー!? ポテトちっちゃ。しかもミルクだし。なんでトランプ?」
「お子様セットだからね」
「じゃあ、メインは? バーガーないじゃないですか」
「メインのナゲットは私のものだ」
「ジャイアンだ。顔だけキレイなジャイアンだ」
「誉めてもナゲットはやらぬぞ」
「誉めてないです」
「というのは冗談で、疲れて眠る君を思って選んだものがココにある。心して食せ」
「あざーっす。いただきまーすっ」
後ろで繰り広げられるコントを聞きながら、僕は玲司君のアレ食べたい、コレ取ってに応える。
まずは期間限定のチーズタコスバーガー。
ドリンクホルダーに1個目のコーラを出して。
「ナゲット」
「はい、あーん」
「タコスソースたれた」
「はいはい。いま拭くから」
「次のバーガー取って」
「早いね。ちゃんと噛んで食べなよ。ポテトは?」
「食べる」
そう言って口を開ける玲司君にポテトを数本食べさせて。
玲司君って僕より年上のはずなのに、大きな子供みたいだ。
お世話をしながら自分の分も食べる。
ピリ辛なタコスソースが美味しい。アップルパイも安定の美味しい。
「そのアップルパイ食べてるヤツ初めて見た」
「美味しいのに」
「ひとくちちょーだい」
「うん。いいよ」
食べかけでも良いなら。
半分ぐらい食べちゃったアップルパイを「あーん」ってしたら。
パクリとひとくちで残りの全部を食べられた。
「ちょっと! ひとくちが大きくない!?」
「意外と旨いじゃん。でも、ひとくちだけでイイか。佐倉が買うときに分けてもらうぐらいがちょうどイイ」
「今のひとくちだけで半分食べてたよ。それなら1個まるまるあってもふたくちで食べ終われるじゃん。自分の食べる分は自分で頼んで」
「分かってないな。ひとくちがイイんだ」
「次からはアップルパイを2個頼むことにする」
どうせ半分食べられるなら。
最初から多めに頼むよ。
思わず叫んでしまってから、慌てて口を両手で塞ぐ。
もう遅い。言っちゃった。
「ちげぇぞ」
「そうだよ。玲司はただの一般人。……ふふっ」
鈴村さん、その笑い方は怖いですっ!
「前あいたな。車動かすから、佐倉受け取りヨロシク。支払いはダッシュボードのなかのプリカで」
ハンバーガーショップのプリペイドカードは無造作に輪ゴムで束ねて放り込んであった。
なんでこんなにたくさんあるの?
分厚い束も今はなんか怖い。
プリペイドカードで問題なく支払いを済ませて。
ハンバーガーの詰まった大きな袋を受け取った。
自分と玲司君の分を取り分けたら、残りは後ろに座る鈴村さんに渡す。
「食事だ。起きたまえ」
「ふぁい。おはよーござまー」
鈴村さんは後列シートで眠っていた店長さんを起こして、小さな紙袋をひとつだけ渡す。
「って、ええー!? ポテトちっちゃ。しかもミルクだし。なんでトランプ?」
「お子様セットだからね」
「じゃあ、メインは? バーガーないじゃないですか」
「メインのナゲットは私のものだ」
「ジャイアンだ。顔だけキレイなジャイアンだ」
「誉めてもナゲットはやらぬぞ」
「誉めてないです」
「というのは冗談で、疲れて眠る君を思って選んだものがココにある。心して食せ」
「あざーっす。いただきまーすっ」
後ろで繰り広げられるコントを聞きながら、僕は玲司君のアレ食べたい、コレ取ってに応える。
まずは期間限定のチーズタコスバーガー。
ドリンクホルダーに1個目のコーラを出して。
「ナゲット」
「はい、あーん」
「タコスソースたれた」
「はいはい。いま拭くから」
「次のバーガー取って」
「早いね。ちゃんと噛んで食べなよ。ポテトは?」
「食べる」
そう言って口を開ける玲司君にポテトを数本食べさせて。
玲司君って僕より年上のはずなのに、大きな子供みたいだ。
お世話をしながら自分の分も食べる。
ピリ辛なタコスソースが美味しい。アップルパイも安定の美味しい。
「そのアップルパイ食べてるヤツ初めて見た」
「美味しいのに」
「ひとくちちょーだい」
「うん。いいよ」
食べかけでも良いなら。
半分ぐらい食べちゃったアップルパイを「あーん」ってしたら。
パクリとひとくちで残りの全部を食べられた。
「ちょっと! ひとくちが大きくない!?」
「意外と旨いじゃん。でも、ひとくちだけでイイか。佐倉が買うときに分けてもらうぐらいがちょうどイイ」
「今のひとくちだけで半分食べてたよ。それなら1個まるまるあってもふたくちで食べ終われるじゃん。自分の食べる分は自分で頼んで」
「分かってないな。ひとくちがイイんだ」
「次からはアップルパイを2個頼むことにする」
どうせ半分食べられるなら。
最初から多めに頼むよ。
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