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恋愛サティスファクション
すれ違い三叉路3
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僕もう知らないっ!
ただいまヤサグレ・モード発動中。
無理矢理連れてこられたあげくに放置されたら仕方がないと思う。
広く余裕をもって座れるソファーだったのに。
最初に僕を拉致した男の友達未満な知り合いとかナンパしてきた女の子とかが増えて。
バカ騒ぎに参加する気なんてカケラもない僕はソファーどころか隅っこのスツールに追いやられている。
皆はお洒落に着飾ってるのに、ひとりだけつまらないビジネススーツ姿で浮きまくりだ。
前回のロリータも浮いてたけど、あのときは可愛かったから救いがある。
だけど今回はダサくて馴染めてないとか酷すぎる。
しかも、会話に乗ってこない僕はノリが悪いやつ認定されて。
イジられるのも腹が立つので完全に無視してたら、こっちのことを空気扱いするようになった。
こんな扱いなら帰らせてくれれば良いのに。それだけは駄目らしくて。
持っていたビジネスバッグを取り上げられているせいで勝手に帰ることも出来ない。
気分は最低だ。
そう。僕はこの人達とは友達じゃないし、親しくなりたいわけでもない。
なのに、この場のトップとして責任だけ果たせと留め置かれている状態だ。
もしかして財布としてキープされているのか。
さすがにそれはないと思いたいけど、この人達がちゃんと自分達の飲み食いした分を払ってくれるとも思えない。
これは長居すればするほど状況が悪くなるやつだ。
これ以上は付き合いきれない。
幸いにも、僕が不愉快なことにソファーの近くに待機してくれているスタッフさんが気付いてくれている。
気遣わしげな視線を送られるから、困ったもんだと返しておく。
視線だけで会話が出来そうだよ。
鞄さえ何とかなれば、この騒ぎの中だ。
こっそり抜け出すことは出来るだろう。
テーブルを挟んだ反対側。
遠く手が届かないソファーに置かれた鞄が欲しいのだと、僕の真後ろに立つスタッフさんにアピールしてみる。
こっそりと指差しとアイコンタクトで願うと真後ろのスタッフさんから他のスタッフさんに指示が出されて。
空いたグラスを下げに来たウェイターさんが自然な仕草で僕の鞄を救出してくれた。
後ろからそっと肩を叩かれて、着いてくるように促される。
テーブル回りに集まる人達は僕が席を離れることに気付いていない。
というか、自分達が楽しむことに夢中で僕のことなんて心底どうでも良いって感じだ。
それは僕も似たようなものなので、挨拶もなしに席を立った。
スタッフさんの制服なのであろうブラックスーツの背中を追いかけて。
ようやく、家に帰れると喜んだのも束の間。
案内されたのはエントランスではなく、バックヤードらしき場所。
いまだ鞄を帰してもらえていない僕は着いていくしかなくて。
STAFF ONLYと書かれた扉の奥へと進んでいく。
雑然とした通路を抜けて辿り着いた事務室で僕を出迎えてくれたのは、前回玲司君と親しげに話していた派手な髪型のお兄さん。
ニコニコ優しくて。僕にあのカードをくれた張本人。なんだけど。
今日はなんだか怖い雰囲気だ。怒ってる?
そうか。遊びにおいでって言うのは社交辞令で本気にしちゃいけないやつだったんだ。
よくよく考えたら当たり前なことじゃん。
ここは僕なんかが気軽にふらっと来られる場所じゃない。
ただいまヤサグレ・モード発動中。
無理矢理連れてこられたあげくに放置されたら仕方がないと思う。
広く余裕をもって座れるソファーだったのに。
最初に僕を拉致した男の友達未満な知り合いとかナンパしてきた女の子とかが増えて。
バカ騒ぎに参加する気なんてカケラもない僕はソファーどころか隅っこのスツールに追いやられている。
皆はお洒落に着飾ってるのに、ひとりだけつまらないビジネススーツ姿で浮きまくりだ。
前回のロリータも浮いてたけど、あのときは可愛かったから救いがある。
だけど今回はダサくて馴染めてないとか酷すぎる。
しかも、会話に乗ってこない僕はノリが悪いやつ認定されて。
イジられるのも腹が立つので完全に無視してたら、こっちのことを空気扱いするようになった。
こんな扱いなら帰らせてくれれば良いのに。それだけは駄目らしくて。
持っていたビジネスバッグを取り上げられているせいで勝手に帰ることも出来ない。
気分は最低だ。
そう。僕はこの人達とは友達じゃないし、親しくなりたいわけでもない。
なのに、この場のトップとして責任だけ果たせと留め置かれている状態だ。
もしかして財布としてキープされているのか。
さすがにそれはないと思いたいけど、この人達がちゃんと自分達の飲み食いした分を払ってくれるとも思えない。
これは長居すればするほど状況が悪くなるやつだ。
これ以上は付き合いきれない。
幸いにも、僕が不愉快なことにソファーの近くに待機してくれているスタッフさんが気付いてくれている。
気遣わしげな視線を送られるから、困ったもんだと返しておく。
視線だけで会話が出来そうだよ。
鞄さえ何とかなれば、この騒ぎの中だ。
こっそり抜け出すことは出来るだろう。
テーブルを挟んだ反対側。
遠く手が届かないソファーに置かれた鞄が欲しいのだと、僕の真後ろに立つスタッフさんにアピールしてみる。
こっそりと指差しとアイコンタクトで願うと真後ろのスタッフさんから他のスタッフさんに指示が出されて。
空いたグラスを下げに来たウェイターさんが自然な仕草で僕の鞄を救出してくれた。
後ろからそっと肩を叩かれて、着いてくるように促される。
テーブル回りに集まる人達は僕が席を離れることに気付いていない。
というか、自分達が楽しむことに夢中で僕のことなんて心底どうでも良いって感じだ。
それは僕も似たようなものなので、挨拶もなしに席を立った。
スタッフさんの制服なのであろうブラックスーツの背中を追いかけて。
ようやく、家に帰れると喜んだのも束の間。
案内されたのはエントランスではなく、バックヤードらしき場所。
いまだ鞄を帰してもらえていない僕は着いていくしかなくて。
STAFF ONLYと書かれた扉の奥へと進んでいく。
雑然とした通路を抜けて辿り着いた事務室で僕を出迎えてくれたのは、前回玲司君と親しげに話していた派手な髪型のお兄さん。
ニコニコ優しくて。僕にあのカードをくれた張本人。なんだけど。
今日はなんだか怖い雰囲気だ。怒ってる?
そうか。遊びにおいでって言うのは社交辞令で本気にしちゃいけないやつだったんだ。
よくよく考えたら当たり前なことじゃん。
ここは僕なんかが気軽にふらっと来られる場所じゃない。
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