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恋愛サティスファクション
カワイクじゃんぷあっぷ
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僕の仕事は携帯ショップの店員。
週休2日は建前だけで、実際は週に1日だけ休める正社員。
でも、ちゃんと休めるだけマシだってエリアマネージャーは言ってた。
ほんの少し前までは月に1日休めたら良いって感じのブラックだったらしい。
労基に怒られてから改善した、これ以上目をつけられるとヤバイからちゃんと休めって顔を会わせるたびにマネージャーから言われるけど。
僕ってそんなに疲れて見えるのかな?
どっちかというと、マネージャーのがくたびれて見えるけど。
この間もスタッフルームで次のキャンペーンの説明受けながら、僕はハンドマッサージをしてあげたしね。
僕、昔からマッサージ頼まれること多くて得意だからさ。
圭介さんのおうちにお泊まりするときは、彼にも頼まれてマッサージすることあるんだ。
もちろん普通のマッサージね。エッチなのじゃないよ。
僕にはそんなこと上級過ぎて出来ない。
足の指先からはじめて身体の中心に向かって全身のマッサージ。
昨日の夜も圭介さんのおうちにお泊まりして、いつものようにリンパマッサージをしてあげたあと。
そんなつもりはなかったのに、なんだかんだとそういう雰囲気になっちゃって……。
あれぇ?って思う間もなく、セーラーカラーのワンピースに着替えることになってた。
紺色の衿に白い制服風のデザインに合わせるのはシックな濃紺のリボンカチューシャ。
同じリボンモチーフを手首にも巻かれて。
靴下はクルー丈のシンプルめな白。
シンプルって言ってもスクールソックスではなくて透け感のあるレーシーソックス。これは僕もお気に入りだったり。
そうして着飾った僕は翌日が仕事休みなことも後押しして、圭介さんとの熱い夜を過ごした。
いっぱい愛されて、いっぱい愛を返して。
ふわっふわのドロッドロに溶かされて。
そして、翌朝。
いつもなら起きられなくてベッドの上から出勤する圭介さんを見送っていたのが。
SEXをするのに慣れてきたのか、今朝はちゃんと起きて一緒にコーヒーを飲めたんだ。
寝たまま見送るのが本当に嫌だったから、この成長はとっても嬉しい。
「今朝の唯は、とってもゴキゲンだねー」
「だって、今朝はちゃんと圭介さんにいってらっしゃい出来るから」
「いつもだって唯はちゃんとしてくれてるよー」
「そんなことないです。寝たまま挨拶なんてお行儀悪いです」
「カワイイ彼氏がシーツに埋もれながら、いってらっしゃいって掠れた声で言ってくれるんだよ。絶対仕事捗るよねー」
「もうっ」
カワイイ彼氏だなんて言われたら恥ずかしいじゃん。
僕の耳、絶対赤くなってる。
フニャフニャでも、声枯れてても、いってらっしゃいと言うのを頑張って良かった。
「今日は玄関でいってらっしゃいして欲しいなー。そしたらもっと頑張れる」
「あんまり頑張りすぎないでくださいね」
「適度に手を抜きつつ頑張るから大丈夫。今日は定時で帰れるくらいだしー」
「それなら今夜はご飯作って待ってても良いですか?」
「もちろん! それじゃ今夜は唯の作った煮込みハンバーグ食べたい」
「はい」
「あとはマカロニサラダ」
「はい」
「それとかぼちゃの味噌汁」
「はい。全部作ります」
「めっちゃヤル気出てきたー」
ただのハンバークとサラダにはしゃぐ圭介さんの方がカワイイと思う。
「あっそうだ。今日、僕買い物行きたかったんです。服借りても良いですか?」
「いいよー。春物の新作見に行きたいんだっけ? 一緒にいけなくてごめんね。服ならトルソーに用意してあるから」
「ありがとうございます。今日はどんなコーデなのかな」
「今日は、ロマンティック路線のお嬢様ワンピースにしてみたよー。でも、ナンパされちゃダメだからね」
「ナンパされたのは最初の1回だけなんだけど。圭介さんは心配性です」
「唯が無自覚系だから、俺がふたり分、気を付けてるだけー」
圭介さんは大袈裟なんだから。
無自覚系っていうのはモテる人に使う言葉だよ。
平凡な僕には関係ないっていうか、圭介さんのが鈍感系だから。
大人の魅力を駄々漏れさせて、街行く人の目線を集めてるっていうのに本人はそれに気付かず無関心。
一緒に歩く僕の方が居たたまれないよ。
だから僕は圭介さんの隣に立っても見劣りしないように可愛くあろうと頑張るんだ。
それは一人でいるときも変わらない。
外に出掛けたら誰に会うか分からないからね。
いつ何時でも隙なく可愛い。それが僕のロリータ道だ。
時間通りに出勤する圭介さんを玄関でお見送り。
「圭介さん、いってらっしゃい」
「うん。いってくるよ、唯」
あれ? 行かないの? 挨拶したよ?
いってくると言ったのに未だ出ていかない圭介さんに首をかしげる。
「ねえ。唯。いってらっしゃいのチューは?」
それはしなきゃダメなやつ?
あー。しなきゃダメなんですね。
圭介さんの真っ直ぐな視線がやって欲しいなーってうるさい。
恥ずかしいけど仕方がないな。
玄関の段差があるからつま先立ちにならなくても触れられる。唇への軽いキス。
さあ。今度こそいってらっしゃい。って思ったのに。
圭介さんからお返しのキスが朝からするような軽さじゃなくて濃厚で。
これはいってらっしゃいのキスじゃない。
週休2日は建前だけで、実際は週に1日だけ休める正社員。
でも、ちゃんと休めるだけマシだってエリアマネージャーは言ってた。
ほんの少し前までは月に1日休めたら良いって感じのブラックだったらしい。
労基に怒られてから改善した、これ以上目をつけられるとヤバイからちゃんと休めって顔を会わせるたびにマネージャーから言われるけど。
僕ってそんなに疲れて見えるのかな?
どっちかというと、マネージャーのがくたびれて見えるけど。
この間もスタッフルームで次のキャンペーンの説明受けながら、僕はハンドマッサージをしてあげたしね。
僕、昔からマッサージ頼まれること多くて得意だからさ。
圭介さんのおうちにお泊まりするときは、彼にも頼まれてマッサージすることあるんだ。
もちろん普通のマッサージね。エッチなのじゃないよ。
僕にはそんなこと上級過ぎて出来ない。
足の指先からはじめて身体の中心に向かって全身のマッサージ。
昨日の夜も圭介さんのおうちにお泊まりして、いつものようにリンパマッサージをしてあげたあと。
そんなつもりはなかったのに、なんだかんだとそういう雰囲気になっちゃって……。
あれぇ?って思う間もなく、セーラーカラーのワンピースに着替えることになってた。
紺色の衿に白い制服風のデザインに合わせるのはシックな濃紺のリボンカチューシャ。
同じリボンモチーフを手首にも巻かれて。
靴下はクルー丈のシンプルめな白。
シンプルって言ってもスクールソックスではなくて透け感のあるレーシーソックス。これは僕もお気に入りだったり。
そうして着飾った僕は翌日が仕事休みなことも後押しして、圭介さんとの熱い夜を過ごした。
いっぱい愛されて、いっぱい愛を返して。
ふわっふわのドロッドロに溶かされて。
そして、翌朝。
いつもなら起きられなくてベッドの上から出勤する圭介さんを見送っていたのが。
SEXをするのに慣れてきたのか、今朝はちゃんと起きて一緒にコーヒーを飲めたんだ。
寝たまま見送るのが本当に嫌だったから、この成長はとっても嬉しい。
「今朝の唯は、とってもゴキゲンだねー」
「だって、今朝はちゃんと圭介さんにいってらっしゃい出来るから」
「いつもだって唯はちゃんとしてくれてるよー」
「そんなことないです。寝たまま挨拶なんてお行儀悪いです」
「カワイイ彼氏がシーツに埋もれながら、いってらっしゃいって掠れた声で言ってくれるんだよ。絶対仕事捗るよねー」
「もうっ」
カワイイ彼氏だなんて言われたら恥ずかしいじゃん。
僕の耳、絶対赤くなってる。
フニャフニャでも、声枯れてても、いってらっしゃいと言うのを頑張って良かった。
「今日は玄関でいってらっしゃいして欲しいなー。そしたらもっと頑張れる」
「あんまり頑張りすぎないでくださいね」
「適度に手を抜きつつ頑張るから大丈夫。今日は定時で帰れるくらいだしー」
「それなら今夜はご飯作って待ってても良いですか?」
「もちろん! それじゃ今夜は唯の作った煮込みハンバーグ食べたい」
「はい」
「あとはマカロニサラダ」
「はい」
「それとかぼちゃの味噌汁」
「はい。全部作ります」
「めっちゃヤル気出てきたー」
ただのハンバークとサラダにはしゃぐ圭介さんの方がカワイイと思う。
「あっそうだ。今日、僕買い物行きたかったんです。服借りても良いですか?」
「いいよー。春物の新作見に行きたいんだっけ? 一緒にいけなくてごめんね。服ならトルソーに用意してあるから」
「ありがとうございます。今日はどんなコーデなのかな」
「今日は、ロマンティック路線のお嬢様ワンピースにしてみたよー。でも、ナンパされちゃダメだからね」
「ナンパされたのは最初の1回だけなんだけど。圭介さんは心配性です」
「唯が無自覚系だから、俺がふたり分、気を付けてるだけー」
圭介さんは大袈裟なんだから。
無自覚系っていうのはモテる人に使う言葉だよ。
平凡な僕には関係ないっていうか、圭介さんのが鈍感系だから。
大人の魅力を駄々漏れさせて、街行く人の目線を集めてるっていうのに本人はそれに気付かず無関心。
一緒に歩く僕の方が居たたまれないよ。
だから僕は圭介さんの隣に立っても見劣りしないように可愛くあろうと頑張るんだ。
それは一人でいるときも変わらない。
外に出掛けたら誰に会うか分からないからね。
いつ何時でも隙なく可愛い。それが僕のロリータ道だ。
時間通りに出勤する圭介さんを玄関でお見送り。
「圭介さん、いってらっしゃい」
「うん。いってくるよ、唯」
あれ? 行かないの? 挨拶したよ?
いってくると言ったのに未だ出ていかない圭介さんに首をかしげる。
「ねえ。唯。いってらっしゃいのチューは?」
それはしなきゃダメなやつ?
あー。しなきゃダメなんですね。
圭介さんの真っ直ぐな視線がやって欲しいなーってうるさい。
恥ずかしいけど仕方がないな。
玄関の段差があるからつま先立ちにならなくても触れられる。唇への軽いキス。
さあ。今度こそいってらっしゃい。って思ったのに。
圭介さんからお返しのキスが朝からするような軽さじゃなくて濃厚で。
これはいってらっしゃいのキスじゃない。
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