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ロステマ帝国編
閑話.冒険センター換金所
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冒険センター内部に、各世界の通貨とペグとを交換できるスペースがある。
キャッシュレスの進んだ世界であれば、スマホの方で勝手に規格を合わせて決済してくれる。
だが、未だに通貨制を採用する文明度の低い国では事前に用意していく必要性があるのだ。
◆◇◆
ある日、依頼が終わった後、テミスが換金しているのを見た怜央は声を掛けた。
「テミス、何してんの?」
「あら怜央、見ればわからない? 今換金してたとこよ」
「そりゃまあわかるけど、なんで終わった後に? 普通行く前にやるもんでしょ?」
職員から硬貨を受け取ったテミスは怜央に見せつけて言った。
「これは記念よ。その世界に行った記念」
「……硬貨が好きなのか?」
「ええ、そうよ。どれをとっても同じデザインの貨幣は無い。それに、この模様や描かれている人物、それら全てに歴史があって、もしくはこれから歴史になるかもしれない。その一部をこうして手軽に集められるなんて素敵じゃない?」
思えばテミスには収集癖がある。
初めて出会ったのはクレア武器ショップ。
今でこそわかることだが、あの時武器ショップに居たのは能力でコピーするため。
それは一種の収集行為なのではないか。
そしてこの硬貨交換もその一種なのだろうと怜央は考えた。
「――そういうもんかね。でもこの交換って行ったことのある国か行く予定の国の貨幣しか交換できないんだろ」
「ええ、そうよ?」
「……沢山、集められるといいな」
趣味があるのは悪いことでは無い。
ましてや他人に迷惑をかける趣味でもなし、テミスの意外な一面を知れた怜央は純粋に応援したい気持ちであった。
※書き溜め分を追い越しましたので次回更新は遅れます。次章まるまるでき次第投稿いたします。
キャッシュレスの進んだ世界であれば、スマホの方で勝手に規格を合わせて決済してくれる。
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ある日、依頼が終わった後、テミスが換金しているのを見た怜央は声を掛けた。
「テミス、何してんの?」
「あら怜央、見ればわからない? 今換金してたとこよ」
「そりゃまあわかるけど、なんで終わった後に? 普通行く前にやるもんでしょ?」
職員から硬貨を受け取ったテミスは怜央に見せつけて言った。
「これは記念よ。その世界に行った記念」
「……硬貨が好きなのか?」
「ええ、そうよ。どれをとっても同じデザインの貨幣は無い。それに、この模様や描かれている人物、それら全てに歴史があって、もしくはこれから歴史になるかもしれない。その一部をこうして手軽に集められるなんて素敵じゃない?」
思えばテミスには収集癖がある。
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今でこそわかることだが、あの時武器ショップに居たのは能力でコピーするため。
それは一種の収集行為なのではないか。
そしてこの硬貨交換もその一種なのだろうと怜央は考えた。
「――そういうもんかね。でもこの交換って行ったことのある国か行く予定の国の貨幣しか交換できないんだろ」
「ええ、そうよ?」
「……沢山、集められるといいな」
趣味があるのは悪いことでは無い。
ましてや他人に迷惑をかける趣味でもなし、テミスの意外な一面を知れた怜央は純粋に応援したい気持ちであった。
※書き溜め分を追い越しましたので次回更新は遅れます。次章まるまるでき次第投稿いたします。
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