55 / 69
近未来編
48.亡命と命名
しおりを挟む
それから3時間後、博士は修理を終わらせ小さな庭でお披露目をした。
皆が注目する中、博士は部屋の中から呼びかける。
「よし、出てきていいぞ。その完璧な身体を見せてやれ」
テラスに繋がる窓の奥から現れたアンドロイドは、競泳水着の様なピチピチな肌着と、厚く頑丈そうなニーソックスを着て出てきた。
「おー、あの時とは見違えたな!すっかり綺麗になっちまって!」
「いやいや! てか何その服、博士の趣味?」
「バカもん! これは機能性に特化した服――もとい装備だ! 見た目で判断するでない!」
「えー? これにどんな機能があるってのよ」
「ふっ、ならば1から説明してくれよう。先ずは――」
「いや、確かにこれだけだと露出がエグいですって。街中歩けませんよこれ。せめて何か上から被せましょうよ」
「いやだから、この形には意味があるんじゃて、無意味に重ね着すると効率が半減するじゃろがい」
「じゃあ半減しない程度の奴でいいので着せましょう。お土産用にシエロが多く買ってきたからなんかあるでしょ」
怜央はテーブルの上に、服の入った袋を取り出した。
シエロがそれを漁り、ホットパンツと呼ばれるとても短いズボンを出した。
それを履かせたシエロは一言。
「いいですね!」
「確かに似合うかもしれんけど……腰周りが強調されて帰って目立つ気が……」
「それがいいんですよ!」
「んー……とりあえず上にはパーカーを来てもらおう。少しデカいかもだけど」
「おい、それじゃ機能が――」
「あーいいですいいです。その機能が必要になったら脱いでもらえばいいだけですし」
怜央は博士の遮りを無視して、アンドロイドに薄いパーカーを羽織らせた。
アンドロイドは空気を読んで袖を通すと昨夜のお礼を述べ始めた。
「昨日はありがとうございました。あのままでしたら私はきっと壊れていたことでしょう。今こうしていられるのも皆さんのお陰です」
「――良いってことよ! 誰かが困ってたら助けるのは当たり前だ! な、怜央」
「その通り」
「せいぜいその恩を忘れない事ね。少しずつの返済も受け付けるわ」
アリータは髪を靡かせながら決めるものの、言ってることは厚かましかったのでコバートが髪をわしゃわしゃした。
「何言ってんだ、お前もお前でなかなか楽しんでただろ」
「はあ? それを言ったら1番はテミスでしょ?」
「……一理あるな。どうだテミス、選り好みしてたら今回のドライブは無かったんだぜ? 俺の言ってたこともあながち間違いじゃなかったろ?」
「……」
テミスは肩を竦めたものの、内心では少し認めていた。
その裏で、アンドロイドに着せたパーカーを博士は脱がそうとしていた。
それに気づいたアリータは咎めた。
「ちょっとエロ親父! アンタなにしてんのよ!」
「ばっ、失礼なこれはちょっと脱がそうとしただけで」
「それが問題って言ってるのよ! 大体なんで脱がす必要があるのよ、さっき着せたばっかりでしょ!?」
「むう、空を飛ぶにはどうしても……。夏目君……」
事の解説を求める視線を浴びせられた怜央は仕方なく代弁した。
最後の方は流れでアンドロイドに、博士との約束を果たしてもらえるよう交渉もしていた。
「――と、いうわけだ。お願いできない?」
「はい、お任せ下さい」
アンドロイドは自らパーカーを脱いで博士を送る準備に入った。
頭の上に光り輝く輪っかが、それもグルグルと高速回転しているものが出現した。
そして背中からは格納されてた黒い鋼製の翼が、無数に出てきて左右一対の翼を築く。
それは肌着を破らない絶妙な場所から出てきた。
「それでどうやって運ぶのかしら? まさか抱き抱えていく訳でもないんでしょ?」
「いや、そのまさかじゃ。体に負担はかかるものの、ワシの体力ならまだいけるはず。それに飛行時間はさほど長くはない。彼女の性能なら1時間で行ける計算だ」
博士はゴーグルを着けて防寒装備に着替えると、アンドロイドに不格好にも抱き抱えられた。
「さてと、それじゃあこれでお別れだ。短い間だったが世話になったな」
「いえ、こちらも色々と助かりました」
「オッサンも元気でな」
「飛んでる最中彼女に変なことすんじゃないわよ」
「……」
椅子に座ったままのテミスは何も言わず、手をヒラヒラさせているだけだった。
「それでは出発します。体勢に気をつけてください」
「うむ、レーダーに引っかからないよう暫くは低空気味に頼むぞ」
アンドロイドは了解の意を示すと音もなく浮遊し、徐々に徐々にと加速を始め、次第には目にも止まらぬ速さで消えていった。
「しかし彼女の名前がないって不便よね」
「それな」
アリータとコバートは呼び名が無いことに苦労していた。
「いや大丈夫、今決まったよ」
「ふーん? どんな?」
テミスは脚を組み替えながら尋ねた。
「『ミカエル』。俺の世界で、すごい天使の名前をそのままね」
「ほー。じゃあちゃんミカって呼ぼ」
コバートは何故か渾名を付けたがる節があった。
怜央はそれも個性と、咎めることもなかった。
ミカエルが飛んで1時間後、博士は無事に亡命先の政府庁舎に届けられた。
それからさらに20分後、怜央達と合流したミカエルは共に学園へと帰った。
◇◆◇
一行が学園へ帰還すると、持込み物検査場に移された。
その要因はミカエルだった。
「おお、こっちは初めてだ。でもなんで――あっ、ちゃんミカか」
「そうだ。前のシエロと同じパターン」
「ふーん? そういえば細かく聞いてなかったけど、前回はどうやって通したの?」
「いやまあ、色々あってな。とても褒められるようなもんじゃないんだけど……」
「コネよコネ」
「コネ言うなテミス。なんかいやらしいだろ!」
「でも今回も頼むんでしょ? ならさっさと連絡なさい」
「……へいへい」
怜央はスマホを取り出してある人物に電話をかけた。
「お疲れ様です、夏目です。――いや、実はですねちょっとお願いしたいことが……ええ、ええ。そうです。すみませんお願いします」
怜央が架けたのは勿論、水谷である。
その後到着した水谷は職員に声をかけ、一行をノーチェックで通させた。
そして前回以上に手際よく手続きを進め、無事ミカエルをの入国が叶った。
今回の依頼はギルドとそのメンバーを獲得出来た、一挙両得の依頼であった。
皆が注目する中、博士は部屋の中から呼びかける。
「よし、出てきていいぞ。その完璧な身体を見せてやれ」
テラスに繋がる窓の奥から現れたアンドロイドは、競泳水着の様なピチピチな肌着と、厚く頑丈そうなニーソックスを着て出てきた。
「おー、あの時とは見違えたな!すっかり綺麗になっちまって!」
「いやいや! てか何その服、博士の趣味?」
「バカもん! これは機能性に特化した服――もとい装備だ! 見た目で判断するでない!」
「えー? これにどんな機能があるってのよ」
「ふっ、ならば1から説明してくれよう。先ずは――」
「いや、確かにこれだけだと露出がエグいですって。街中歩けませんよこれ。せめて何か上から被せましょうよ」
「いやだから、この形には意味があるんじゃて、無意味に重ね着すると効率が半減するじゃろがい」
「じゃあ半減しない程度の奴でいいので着せましょう。お土産用にシエロが多く買ってきたからなんかあるでしょ」
怜央はテーブルの上に、服の入った袋を取り出した。
シエロがそれを漁り、ホットパンツと呼ばれるとても短いズボンを出した。
それを履かせたシエロは一言。
「いいですね!」
「確かに似合うかもしれんけど……腰周りが強調されて帰って目立つ気が……」
「それがいいんですよ!」
「んー……とりあえず上にはパーカーを来てもらおう。少しデカいかもだけど」
「おい、それじゃ機能が――」
「あーいいですいいです。その機能が必要になったら脱いでもらえばいいだけですし」
怜央は博士の遮りを無視して、アンドロイドに薄いパーカーを羽織らせた。
アンドロイドは空気を読んで袖を通すと昨夜のお礼を述べ始めた。
「昨日はありがとうございました。あのままでしたら私はきっと壊れていたことでしょう。今こうしていられるのも皆さんのお陰です」
「――良いってことよ! 誰かが困ってたら助けるのは当たり前だ! な、怜央」
「その通り」
「せいぜいその恩を忘れない事ね。少しずつの返済も受け付けるわ」
アリータは髪を靡かせながら決めるものの、言ってることは厚かましかったのでコバートが髪をわしゃわしゃした。
「何言ってんだ、お前もお前でなかなか楽しんでただろ」
「はあ? それを言ったら1番はテミスでしょ?」
「……一理あるな。どうだテミス、選り好みしてたら今回のドライブは無かったんだぜ? 俺の言ってたこともあながち間違いじゃなかったろ?」
「……」
テミスは肩を竦めたものの、内心では少し認めていた。
その裏で、アンドロイドに着せたパーカーを博士は脱がそうとしていた。
それに気づいたアリータは咎めた。
「ちょっとエロ親父! アンタなにしてんのよ!」
「ばっ、失礼なこれはちょっと脱がそうとしただけで」
「それが問題って言ってるのよ! 大体なんで脱がす必要があるのよ、さっき着せたばっかりでしょ!?」
「むう、空を飛ぶにはどうしても……。夏目君……」
事の解説を求める視線を浴びせられた怜央は仕方なく代弁した。
最後の方は流れでアンドロイドに、博士との約束を果たしてもらえるよう交渉もしていた。
「――と、いうわけだ。お願いできない?」
「はい、お任せ下さい」
アンドロイドは自らパーカーを脱いで博士を送る準備に入った。
頭の上に光り輝く輪っかが、それもグルグルと高速回転しているものが出現した。
そして背中からは格納されてた黒い鋼製の翼が、無数に出てきて左右一対の翼を築く。
それは肌着を破らない絶妙な場所から出てきた。
「それでどうやって運ぶのかしら? まさか抱き抱えていく訳でもないんでしょ?」
「いや、そのまさかじゃ。体に負担はかかるものの、ワシの体力ならまだいけるはず。それに飛行時間はさほど長くはない。彼女の性能なら1時間で行ける計算だ」
博士はゴーグルを着けて防寒装備に着替えると、アンドロイドに不格好にも抱き抱えられた。
「さてと、それじゃあこれでお別れだ。短い間だったが世話になったな」
「いえ、こちらも色々と助かりました」
「オッサンも元気でな」
「飛んでる最中彼女に変なことすんじゃないわよ」
「……」
椅子に座ったままのテミスは何も言わず、手をヒラヒラさせているだけだった。
「それでは出発します。体勢に気をつけてください」
「うむ、レーダーに引っかからないよう暫くは低空気味に頼むぞ」
アンドロイドは了解の意を示すと音もなく浮遊し、徐々に徐々にと加速を始め、次第には目にも止まらぬ速さで消えていった。
「しかし彼女の名前がないって不便よね」
「それな」
アリータとコバートは呼び名が無いことに苦労していた。
「いや大丈夫、今決まったよ」
「ふーん? どんな?」
テミスは脚を組み替えながら尋ねた。
「『ミカエル』。俺の世界で、すごい天使の名前をそのままね」
「ほー。じゃあちゃんミカって呼ぼ」
コバートは何故か渾名を付けたがる節があった。
怜央はそれも個性と、咎めることもなかった。
ミカエルが飛んで1時間後、博士は無事に亡命先の政府庁舎に届けられた。
それからさらに20分後、怜央達と合流したミカエルは共に学園へと帰った。
◇◆◇
一行が学園へ帰還すると、持込み物検査場に移された。
その要因はミカエルだった。
「おお、こっちは初めてだ。でもなんで――あっ、ちゃんミカか」
「そうだ。前のシエロと同じパターン」
「ふーん? そういえば細かく聞いてなかったけど、前回はどうやって通したの?」
「いやまあ、色々あってな。とても褒められるようなもんじゃないんだけど……」
「コネよコネ」
「コネ言うなテミス。なんかいやらしいだろ!」
「でも今回も頼むんでしょ? ならさっさと連絡なさい」
「……へいへい」
怜央はスマホを取り出してある人物に電話をかけた。
「お疲れ様です、夏目です。――いや、実はですねちょっとお願いしたいことが……ええ、ええ。そうです。すみませんお願いします」
怜央が架けたのは勿論、水谷である。
その後到着した水谷は職員に声をかけ、一行をノーチェックで通させた。
そして前回以上に手際よく手続きを進め、無事ミカエルをの入国が叶った。
今回の依頼はギルドとそのメンバーを獲得出来た、一挙両得の依頼であった。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説

伝説の霊獣達が住まう【生存率0%】の無人島に捨てられた少年はサバイバルを経ていかにして最強に至ったか
藤原みけ@雑魚将軍2巻発売中
ファンタジー
小さな村で平凡な日々を過ごしていた少年リオル。11歳の誕生日を迎え、両親に祝われながら幸せに眠りに着いた翌日、目を覚ますと全く知らないジャングルに居た。
そこは人類が滅ぼされ、伝説の霊獣達の住まう地獄のような無人島だった。
次々の襲い来る霊獣達にリオルは絶望しどん底に突き落とされるが、生き残るため戦うことを決意する。だが、現実は最弱のネズミの霊獣にすら敗北して……。
サバイバル生活の中、霊獣によって殺されかけたリオルは理解する。
弱ければ、何も得ることはできないと。
生きるためリオルはやがて力を求め始める。
堅実に努力を重ね少しずつ成長していくなか、やがて仲間(もふもふ?)に出会っていく。
地獄のような島でただの少年はいかにして最強へと至ったのか。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。


転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

Link's
黒砂糖デニーロ
ファンタジー
この世界には二つの存在がいる。
人類に仇なす不死の生物、"魔属”
そして魔属を殺せる唯一の異能者、"勇者”
人類と魔族の戦いはすでに千年もの間、続いている――
アオイ・イリスは人類の脅威と戦う勇者である。幼馴染のレン・シュミットはそんな彼女を聖剣鍛冶師として支える。
ある日、勇者連続失踪の調査を依頼されたアオイたち。ただの調査のはずが、都市存亡の戦いと、その影に蠢く陰謀に巻き込まれることに。
やがてそれは、世界の命運を分かつ事態に――
猪突猛進型少女の勇者と、気苦労耐えない幼馴染が繰り広げる怒涛のバトルアクション!

錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。
いいたか
ファンタジー
小説家になろうにて130万PVを達成!
この世界『アレスディア』には天職と呼ばれる物がある。
戦闘に秀でていて他を寄せ付けない程の力を持つ剣士や戦士などの戦闘系の天職や、鑑定士や聖女など様々な助けを担ってくれる補助系の天職、様々な天職の中にはこの『アストレア王国』をはじめ、いくつもの国では不遇とされ虐げられてきた鍛冶師や錬金術師などと言った生産系天職がある。
これは、そんな『アストレア王国』で不遇な天職を賜ってしまった違う世界『地球』の前世の記憶を蘇らせてしまった一人の少年の物語である。
彼の行く先は天国か?それとも...?
誤字報告は訂正後削除させていただきます。ありがとうございます。
小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで連載中!
現在アルファポリス版は5話まで改稿中です。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。

クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。
目覚めると彼は真っ白な空間にいた。
動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。
神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。
龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。
六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。
神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。
気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる