もしかしてこの世界美醜逆転?………はっ、勝った!妹よ、そのブサメン第2王子は喜んで差し上げますわ!

結ノ葉

文字の大きさ
上 下
35 / 85
本編

34.深夜テンションって素晴らしいものよね……ははっ…あなたもそう思うでしょ?

しおりを挟む
辺が暗くなり、人々が寝静まった華Ⅻの時間帯。

桔梗月に入り夜の寒さが厳しくなってきた頃、シュルテンヴェル邸に有る多くの部屋の電気が消えている中、
一部屋だけ電気が消されていない部屋があった。そうリエルの作業部屋である。

この作業部屋はリエルの部屋の隣に有るバスルームとは違い、シュルテンヴェル邸から少し離れた別館にある為、 

小一時間程移動に時間はかかるものの集中したいときや一人で落ち着きたいときにうってつけでリエルはよくこの部屋で作業をしていた。
 
そしてそれは現在進行系である。 

二週間ほど前に二つの課題を仕上げてアリスにアクセサリーケースといくつかのネックレスやヘアクリップと送ったリエルだったが、

ついでに、と送ったマグネットピアスがアリスの目に止まったらしく華の園本店と翠の園支店で早速お試し販売が決定したのだ。

それは勿論嬉しかったしリエル自身も喜んだのだが、ある問題が発生した。それは…

3つ目の課題の当初ドレスを一つ作って終わりの予定だったものが、リエルが送ったマグネットピアスの中から特に人気が高い物に合う物を3着作って欲しい。と連絡があったのだ。

リエルはその連絡を聞いた瞬間思わず「それ何て地獄…?」と呟いていた。

ひとまずドレスのデザイン画を書こうと机に向かったリエルだったが、ここで一つ問題が発生した。
  
3つのそれぞれ違ったデザインを考えるにはある程度集中して向き合わなければならないのだがどうしても他のものが気になって集中しきれなかったのだ。

廊下を通る使用人の足音、何処からか聞こえてくる義妹の喚き声、外から聞こえて来る虫の鳴き声。

何時もなら気にならない様々な音が全て拡張されたように鮮明にリエルの耳に届いていた。

暫く耳に入ってくる雑音を我慢していたリエルだったが、小一時間ほど待っても変わることのない状況に自室で作業をするのは諦めてハーヴェンに声を掛け馬車で作業部屋に向かった。

作業部屋に着いたリエルがまず初めに行ったのはイーゼルの準備である。

幼い頃に兄が使ったというシュルテンヴェル特注品のイーゼルはリエルが生まれるより前に買われたはずなのにその美しさは変わるどころか更に美しさを増していた。

イーゼルにデザイン用紙をセットしたリエルはまず
インクを少しだけ付けたペンで、下書きを書いていった。

一つ目めに書いたのは、白黒のハウンドトゥース…いわゆる千鳥模様とオニキスが特徴のピアス似合うもの。これはドレス…というよりもワンピースに近い。

(実を言うとドレスとワンピースに大した違いは無いのだがここでは普段使いするようなものをワンピース、それ以外をドレスとする)
 
ワンピースのタイプとしては英国クラシックと呼ばれるタイプのもので、イメージとしては英国のお嬢様の様な雰囲気のチェック柄のワンピースが近いだろう。

ピアスもそこまで大きくはない物なので少しワンピースを飾っても柄が煩くてアイテム同士が喧嘩するということは無いはずなので遠慮なく下書きで書いた無地のワンピースを飾っていく。

デザインはタートルネックを中に着込んだようなデザイン。

ハイウエストで背中側には編み上げと大きめのリボンがついていて可愛らしい、けれどベルトを合わせた途端に全体が引き締まって見え、少し大人っぽさも出せる物だ。

これは大人っぽ可愛いを目指す人向けね。と、呟いたあとリエルは完成した白黒のデザイン用紙を端に避けて次のデザインに取り掛かった。

2つ目に選んだピアスはゴールドのトパーズを菱形に加工した少し大きめの物。

合わせるドレスはオフショルダーのドレスで、色は左側は紅に近い赤色。右側は丁子茶色のツートンカラー。

胸下辺に大きな真紅の薔薇の飾りをつけ、そこからいくつものパールが連なったチェーンを伸ばす。

内側に仕込むのは黒いレース。白いレースのほうがドレスには使われやすいが赤の下に黒を入れると色が更に映えるのだ。

こうして書き上がったのは、女性の本来の美しさ、気高さ、魅力を最大限に引き出すことが出来るであろうエレガントな雰囲気を纏ったドレスである。

2つ目のデザインを書き終えたリエルは1つ目に書いたデザイン用紙の隣にそれを置き、直ぐに3つ目のデザインに取り掛かった。

3つ目のデザインを作る上で選ばれたのは現時点で人気が最も高いブルー・クオーツを使ったピアスである。

ブルークォーツは「青水晶」や「ブルー水晶」といった別名を持ち、海のような深く美しい青色画特徴的な宝石だ。

それに見合うように…とリエルの手によって書かれたのは、紺色のレースを何枚も重ねたデザインのホルターネックドレス。

首元には黒いリボンがあり、そこから胸下のあたりまでにかけて花の柄が入ったレースがデザインされている。そこに付け足されたのは真っ黒なコルセットベルト。

リエルが苦労しながら何とか書き上げたそのドレスは見たものを魅力させるような、そんな美しさと可憐さを兼ね備えた物になった。

改めて自分が書き上げた3つのデザインを改めて見たリエルは(良くこれだけ描けたわね…私…)と思いながら、
デザインを元に居るものを書き出してハーヴェンに取り寄せるように頼もうと、ふっと小さめのメモ用紙が置いてある作業部屋の窓際を見た。

ここでリエルは違和感に気づいた。(あれ…?こんなに明るかったかしら…)と、

そうリエルが作業部屋に籠もってデザインを書き始めてから既に6時間を越していたのだ。それに気づいた瞬間リエルの行動は早かった。

真っ先に作業部屋の2階にあるサニタリールームに向い、鏡台の前に立って肌荒れとくまができていないことを確認した後

直ぐ様サニタリールームに備え付けてあるバスルームに入り、最低限のことをした後、直ぐ様仮眠室に入って眠りについた。

リエルが時間に気づいてから僅か40分後、星Ⅶの時間帯の出来事であった。

深い眠りについたリエルはまだ知らない。

リエルが眠っている間に来たアシュルト等三人がリエルを見付ける為に一生懸命とてつもなく広いシュルテンヴェル邸の中を探し回っていることに。

見つかる気配がないリエルを、汗だくになりながら探している途中にハーヴェンから声をかけられて安心して三人とも座り込んで動けなくなってしまったことも。まだ何も知らないのである。

____________________
お気に入り登録してくださった方が132人も!?
 
いつも沢山の女神様方に見て頂くことができて日々とっても嬉しく思っております!ありがとうございます❣❣

総集編……うん…何も言わないで…、
3日ごとに更新したかったけどテスト勉強やら何やらで全然できなかったんですよ……ユルシテ…

改めまして、昨日美容院に行って始めて肩下のあたりまで切って違和感が拭えません結ノ葉です。

あれ…?私、この間ネットでヘアカーラー買わんかった?でもこの長さまで切ったら無理じゃ無い……?
やべっ……取り敢えず内巻きに出来てれば良いのに………

そうそう、髪と言えばナイトキャップどうしましょう…人の前でつけるのは恥ずかしいからやりたく無い…ケドやらなかったらダメージが…!!

普通にヤバいですねぇ…あ、因みに今日は○子ちゃんの大○君とぬ○孫の羽衣○のバースデー!!

何だろ…○ら孫に関しては推しの家族ぶっ込んでくるの辞めてくれないですかねぇ……唐突に死ぬんですよこっちは(瀕死)

因みに本日バースデーの方の誕生石は「トパーズ」と「シトリン」で、意味は「友情・希望・潔白」だそうですよ!お誕生日の方にとって良い一年になりますように!


「上手く髪が負けない…、よし、女子力組~へるぷみー」髪がJJのような向きで跡が付いて即座に女子力組(乱♡ゃん、加州♡光、じろーちゃ♡)を呼ぶ系審神者

「何?また来たの?君も暇なんだねオイラ?オイラは君と違って忙しいんだよ」by.恋をしている妖精王

「何々~?面白いこと?僕もまーぜてっ!!」by.巨人族の大看板娘
   
「……キラーン」by.中性的容姿のお人形

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

異世界転生〜色いろあって世界最強!?〜

野の木
恋愛
気付いたら、見知らぬ場所に。 生まれ変わった?ここって異世界!? しかも家族全員美男美女…なのになんで私だけ黒髪黒眼平凡顔の前世の姿のままなの!? えっ、絶世の美女?黒は美人の証? いやいや、この世界の人って目悪いの? 前世の記憶を持ったまま異世界転生した主人公。 しかもそこは、色により全てが決まる世界だった!?

美醜逆転異世界で、非モテなのに前向きな騎士様が素敵です

花野はる
恋愛
先祖返りで醜い容貌に生まれてしまったセドリック・ローランド、18歳は非モテの騎士副団長。 けれども曽祖父が同じ醜さでありながら、愛する人と幸せな一生を送ったと祖父から聞いて育ったセドリックは、顔を隠すことなく前向きに希望を持って生きている。けれどやはりこの世界の女性からは忌み嫌われ、中身を見ようとしてくれる人はいない。 そんな中、セドリックの元に異世界の稀人がやって来た!外見はこんなでも、中身で勝負し、専属護衛になりたいと頑張るセドリックだが……。 醜いイケメン騎士とぽっちゃり喪女のラブストーリーです。 多分短い話になると思われます。 サクサク読めるように、一話ずつを短めにしてみました。

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

私は女神じゃありません!!〜この世界の美的感覚はおかしい〜

朝比奈
恋愛
年齢=彼氏いない歴な平凡かつ地味顔な私はある日突然美的感覚がおかしい異世界にトリップしてしまったようでして・・・。 (この世界で私はめっちゃ美人ってどゆこと??) これは主人公が美的感覚が違う世界で醜い男(私にとってイケメン)に恋に落ちる物語。 所々、意味が違うのに使っちゃってる言葉とかあれば教えて下さると幸いです。 暇つぶしにでも呼んでくれると嬉しいです。 ※休載中 (4月5日前後から投稿再開予定です)

おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ

Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_ 【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】 後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。 目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。 そして若返った自分の身体。 美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。 これでワクワクしない方が嘘である。 そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。

異世界で婚活したら、とんでもないのが釣れちゃった?!

家具付
恋愛
五年前に、異世界に落っこちてしまった少女スナゴ。受け入れてくれた村にすっかりなじんだ頃、近隣の村の若い人々が集まる婚活に誘われる。一度は行ってみるべきという勧めを受けて行ってみたそこで出会ったのは……? 多種多様な獣人が暮らす異世界でおくる、のんびりほのぼのな求婚ライフ!の、はずだったのに。

何を言われようとこの方々と結婚致します!

おいも
恋愛
私は、ヴォルク帝国のハッシュベルト侯爵家の娘、フィオーレ・ハッシュベルトです。 ハッシュベルト侯爵家はヴォルク帝国でも大きな権力を持っていて、その現当主であるお父様にはとても可愛がられています。 そんな私にはある秘密があります。 それは、他人がかっこいいと言う男性がとても不細工に見え、醜いと言われる男性がとてもかっこよく見えるということです。 まあ、それもそのはず、私には日本という国で暮らしていた前世の記憶を持っています。 前世の美的感覚は、男性に限定して、現世とはまるで逆! もちろん、私には前世での美的感覚が受け継がれました……。 そんな私は、特に問題もなく16年生きてきたのですが、ある問題が発生しました。 16歳の誕生日会で、おばあさまから、「そろそろ結婚相手を見つけなさい。エアリアル様なんてどう?今度、お茶会を開催するときエアリアル様をお呼びするから、あなたも参加しなさい。」 え?おばあさま?エアリアル様ってこの帝国の第二王子ですよね。 そして、帝国一美しいと言われている男性ですよね? ……うん!お断りします! でもこのまんまじゃ、エアリアル様と結婚させられてしまいそうだし……よし! 自分で結婚相手を見つけることにしましょう!

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!

桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。 「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。 異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。 初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

処理中です...