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呪いの発現編
18、眠り
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「ミューさん、ごめんね……」
呪いが落ち着いたユーリは、顔を赤らめたまま、ミューに謝罪した。
「い、いえ……大丈夫です」
そう答えるミューも同様に顔が赤く、彼の顔を見ることが出来ずにいる。
行為が終わり、二人とも衣服を整え、ベッドの上に並んで座っていた。
ミューは自身の下腹部に手を当て、魔法を発動させる。
紫色の魔法陣が光り輝き、すぐに発光は治まる。
その光景を見ていたユーリは、何をしているのか気になったようで、
「その魔法は……?」と尋ねた。
ミューは眉を下げ、困ったような笑みを浮かべる。
「これは『避妊魔法』です。妊娠しないように、しないといけませんから……」
妊娠という単語に、ユーリは罪悪感を覚え、背筋に冷や汗が流れた。
そんな彼の心境を知らずに、ミューは続きを話す。
「簡単な魔法ですよ。魔法職じゃない人でも、覚えられますし……。女性の冒険者は、盗賊やモンスターに襲われる危険があるので。冒険者同士でも、酔った勢いで肉体関係を持つ方も多いと聞きますから……」
「そんな魔法あるんだ……初めて知ったよ」
「ユーリさんは男の人ですから、知らなくて当然ですよ。まさか自分が、この魔法を使うことになるなんて……思いもしませんでした」
赤らんだ顔のまま、ミューは精液を出し終え、元通りに小さくなった自身の下腹部を撫でた。
嬉しそうに、目を細めている。
(ユーリさんの赤ちゃん……いつか欲しいですねっ♡)
ユーリは冒険者として成功している為、子どもを育てられる金銭はあろうが、ミューは冒険者として未熟な身。
(立派な冒険者になった、その時には――)
ユーリの子を孕んだ光景を頭に浮かべ、ミューは頬を緩めた。
柔らかな雰囲気になったミューに、ユーリも緊張を解く。
「ミューさん、呪いのせいでこんなことになっちゃったけど――本当にありがとう」
ユーリの笑顔は、ミューにとって、以前より距離が近くなったように感じられた。
「い、いえ……ユーリさんのお力になりたかったですから。そ、そそそ……それにユーリさんが初めての相手で、良かったです……っ」
今度のミューは、視線を少し逸らしたりもしたが、最後にはユーリの顔を見て、言うことが出来た。
「ミューさん……」
ミューの健気さに、ユーリは胸を打たれる。
二人は互いへの愛おしさから、あれだけ身体を求め合ったというのに、再び劣情が湧いてきているようだった。
呪いとは関係がない、愛情を与えあうだけの性行為。
今すぐそれに及びたい気持ちはあったが、そこへ踏み出すには、まだ二人とも勇気がなかった。
ユーリは感情を振り切る様に、視線を逸らしながらも明るい声を出す。
「も、もう夜も遅いし……寝ようかっ!?」
「そ、そうですね……っ!」
ミューも臆病さが顔を出し、同意した。
深夜を過ぎ、もう朝に近い時間帯。
二人は、一緒のベッドで横になった。
明かりを消した室内で、やがて暗闇に目が慣れてくる。
互いの顔が近くにある状況で、ミューは心底楽しそうな笑みを浮かべる。
「これからも、よろしくお願いしますね……ユーリさんっ♡」
ユーリも、ミューとの絆が深まったことを、感じていた。
「うん、よろしくね」
共に笑い、眠りにつく。
心地よい疲労と、これまでにない幸福を感じながら、瞼を閉じ、二人は意識を手放した――。
呪いが落ち着いたユーリは、顔を赤らめたまま、ミューに謝罪した。
「い、いえ……大丈夫です」
そう答えるミューも同様に顔が赤く、彼の顔を見ることが出来ずにいる。
行為が終わり、二人とも衣服を整え、ベッドの上に並んで座っていた。
ミューは自身の下腹部に手を当て、魔法を発動させる。
紫色の魔法陣が光り輝き、すぐに発光は治まる。
その光景を見ていたユーリは、何をしているのか気になったようで、
「その魔法は……?」と尋ねた。
ミューは眉を下げ、困ったような笑みを浮かべる。
「これは『避妊魔法』です。妊娠しないように、しないといけませんから……」
妊娠という単語に、ユーリは罪悪感を覚え、背筋に冷や汗が流れた。
そんな彼の心境を知らずに、ミューは続きを話す。
「簡単な魔法ですよ。魔法職じゃない人でも、覚えられますし……。女性の冒険者は、盗賊やモンスターに襲われる危険があるので。冒険者同士でも、酔った勢いで肉体関係を持つ方も多いと聞きますから……」
「そんな魔法あるんだ……初めて知ったよ」
「ユーリさんは男の人ですから、知らなくて当然ですよ。まさか自分が、この魔法を使うことになるなんて……思いもしませんでした」
赤らんだ顔のまま、ミューは精液を出し終え、元通りに小さくなった自身の下腹部を撫でた。
嬉しそうに、目を細めている。
(ユーリさんの赤ちゃん……いつか欲しいですねっ♡)
ユーリは冒険者として成功している為、子どもを育てられる金銭はあろうが、ミューは冒険者として未熟な身。
(立派な冒険者になった、その時には――)
ユーリの子を孕んだ光景を頭に浮かべ、ミューは頬を緩めた。
柔らかな雰囲気になったミューに、ユーリも緊張を解く。
「ミューさん、呪いのせいでこんなことになっちゃったけど――本当にありがとう」
ユーリの笑顔は、ミューにとって、以前より距離が近くなったように感じられた。
「い、いえ……ユーリさんのお力になりたかったですから。そ、そそそ……それにユーリさんが初めての相手で、良かったです……っ」
今度のミューは、視線を少し逸らしたりもしたが、最後にはユーリの顔を見て、言うことが出来た。
「ミューさん……」
ミューの健気さに、ユーリは胸を打たれる。
二人は互いへの愛おしさから、あれだけ身体を求め合ったというのに、再び劣情が湧いてきているようだった。
呪いとは関係がない、愛情を与えあうだけの性行為。
今すぐそれに及びたい気持ちはあったが、そこへ踏み出すには、まだ二人とも勇気がなかった。
ユーリは感情を振り切る様に、視線を逸らしながらも明るい声を出す。
「も、もう夜も遅いし……寝ようかっ!?」
「そ、そうですね……っ!」
ミューも臆病さが顔を出し、同意した。
深夜を過ぎ、もう朝に近い時間帯。
二人は、一緒のベッドで横になった。
明かりを消した室内で、やがて暗闇に目が慣れてくる。
互いの顔が近くにある状況で、ミューは心底楽しそうな笑みを浮かべる。
「これからも、よろしくお願いしますね……ユーリさんっ♡」
ユーリも、ミューとの絆が深まったことを、感じていた。
「うん、よろしくね」
共に笑い、眠りにつく。
心地よい疲労と、これまでにない幸福を感じながら、瞼を閉じ、二人は意識を手放した――。
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