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第五章 竜族との戦い
第180話 飛竜と亜竜の根源竜
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出発して直ぐに、向こう側からお迎えが来た。勿論歓迎する方のお迎えでは無いが。俺たちは作戦通り二手に分かれ、俺たちは消耗をし過ぎない様一直線に飛び抜ける。…俺たちは本来の姿に戻っているので、駆け抜けるの方が正解だが。
そして直ぐに、根城としている建物の近辺に到着した。俺は最硬度の結界が張られていることを見抜き、作戦通りマセイタに突破を任せる。
「はぁっ!!」
パリィン!!
結界が破れる音と共に、室内の様子が目に入る。
「気を付けろ、外身で中を推測するな!」
レシアルドのその声と共に、俺たちは中に入る。中はどう考えてもあの小さい建物に収まる空間では無く、術式により拡張された空間であるとすぐに分かった。そして、早速数体の竜が飛来する。数対の二尾竜も混ざっており、余人が見たら震え上がる戦力だろう。しかし俺らからしたら『ただの雑兵』程度である。最初に出たのはブレアだ。
「保持!拳、壁、鎖!」
空中に壁を作り動きの外枠を構築した後、手に保持を纏い硬質化した拳でぶん殴る。空中でよろめき動きが落ち着いた瞬間に、鎖で竜達を縛り上げた。オマケに竜の全身をまとめて保持で固め、絡めあったまま動けなくする徹底ぶりである。
ブレアはスキル『保持』を使い相手の身体を拘束する事も出来るが、それは相手が動けない、又は僅かにしか動けない時間を十分に作る事が前提条件なので、余り使わなかったがこう言う場面では有効だ。
俺は改めて中を見る。そこは通路一つが竜数十体を余裕で通せる巨大な空間で、床のみ簡素なカーペットが敷かれている以外には土壁であった。おそらくカーペットの下も土だろう。マセイタとレシアルドは直ぐに竜形態に変化し、飛翔を開始する。俺も飛び上がり、足場を出現させ腰を落ち着ける。そのまま足場を出現させ駆ける事も出来るが、今回は足場自体を動かして飛んだ。
そこらからひっきりなしに竜が来る。大体5、6体の群れを成し来るので然程撃退に苦労はしないが、その間は移動が止められるので更に竜が寄って来る。ねずみ算である。
その時。
《ルオオアアアア!!!!》
けたたましい鳴き声が辺りを震わした。それと同時に壁を突き破り現れたのは。超巨大な三尾の飛竜であった。数え切れないほどの翼を携え襲来し、俺たちの姿を捉えると黄色に輝く瞳をこちらに向ける。
《ヌダ・ベルオムリ…!!》
レシアルドがそう呟くと同時に、ベルオムリが声を上げる。
《さあ、私に挑む愚か者は誰だ!望む者は前に出ろ!》
そう言い、数枚の翼をはためかせ暴風を生み出す。同時に数万の岩を出現させ、正しく雨の如くそれを降らした。俺たちはそれをいなし、上空に浮かぶ竜を見る。丁度岩の雨が降り終わった後、もう一体の竜が出現した。
その竜は随分奇妙な見た目をしていた。
角が3本生えた1つの頭を持ち、体から生える6枚の翼はトンボの様に細く長く透明で、3つの尾の先には固そうなコブを備えている。更に手足から生える指はまるで人間の様である。
《ハルス!まさか2体同時に…!》
《主!警戒しろ、あの2体は三尾竜。それぞれ飛竜と亜竜の根源竜だ!》
レシアルドの叫びと同時に、ハルスが声を上げる。まだ声変わりをしていない子供を思わせる声であった。
《ふ~ん、面白いねぇ。へぇ、神王竜君も味な事するんだね。人と契約する竜なんて、きっと君くらいだよ》
そう言ってハルスは尾を振るう。何も無い空中を振り抜いたにも関わらず、それは衝撃となり辺り一帯を吹き飛ばした。俺は即座に結界を張り防御に徹する。流石最高位竜、小手調べの攻撃も凄まじい。
俺が結界を解くと同時に、ブレアとメレットが飛び出した。
「レシアルド!コイツらは俺たちが請け負う、気にせず進んで!」
「やれやれ、無血は無理そうね」
メレットは余裕を全く崩さずそう言う。彼女は学園の頃からそうだった。権力でも実力でも敵わない相手に、いつも余裕綽々の態度で接する。大した胆力だと俺は感嘆したものだ。
《ブレア殿、メレット殿!気を付けろ!ブレア殿、ベルオムリを相手取るのであればとにかく攻撃の回避を徹底しなければならない。奴は零足百四十四翼、竜族最大の身体を持つ竜だ!》
「分かった!」
その時、マセイタが大きく飛翔しベルオムリに突進した。瞬間、ブレア、メレット、マセイタ、ベルオムリ、ハルスの姿が消えた。竜の移動に巻き込まれ、ブレアとメレットが移動させられたのだ。戻るには戦い、勝つ以外に方法は無いだろう。マセイタは体格的に圧倒的不利と見たブレアの加勢に行ったのだろう。俺たちはすぐさま意識を切り替え、再び移動を開始した。
そして直ぐに、根城としている建物の近辺に到着した。俺は最硬度の結界が張られていることを見抜き、作戦通りマセイタに突破を任せる。
「はぁっ!!」
パリィン!!
結界が破れる音と共に、室内の様子が目に入る。
「気を付けろ、外身で中を推測するな!」
レシアルドのその声と共に、俺たちは中に入る。中はどう考えてもあの小さい建物に収まる空間では無く、術式により拡張された空間であるとすぐに分かった。そして、早速数体の竜が飛来する。数対の二尾竜も混ざっており、余人が見たら震え上がる戦力だろう。しかし俺らからしたら『ただの雑兵』程度である。最初に出たのはブレアだ。
「保持!拳、壁、鎖!」
空中に壁を作り動きの外枠を構築した後、手に保持を纏い硬質化した拳でぶん殴る。空中でよろめき動きが落ち着いた瞬間に、鎖で竜達を縛り上げた。オマケに竜の全身をまとめて保持で固め、絡めあったまま動けなくする徹底ぶりである。
ブレアはスキル『保持』を使い相手の身体を拘束する事も出来るが、それは相手が動けない、又は僅かにしか動けない時間を十分に作る事が前提条件なので、余り使わなかったがこう言う場面では有効だ。
俺は改めて中を見る。そこは通路一つが竜数十体を余裕で通せる巨大な空間で、床のみ簡素なカーペットが敷かれている以外には土壁であった。おそらくカーペットの下も土だろう。マセイタとレシアルドは直ぐに竜形態に変化し、飛翔を開始する。俺も飛び上がり、足場を出現させ腰を落ち着ける。そのまま足場を出現させ駆ける事も出来るが、今回は足場自体を動かして飛んだ。
そこらからひっきりなしに竜が来る。大体5、6体の群れを成し来るので然程撃退に苦労はしないが、その間は移動が止められるので更に竜が寄って来る。ねずみ算である。
その時。
《ルオオアアアア!!!!》
けたたましい鳴き声が辺りを震わした。それと同時に壁を突き破り現れたのは。超巨大な三尾の飛竜であった。数え切れないほどの翼を携え襲来し、俺たちの姿を捉えると黄色に輝く瞳をこちらに向ける。
《ヌダ・ベルオムリ…!!》
レシアルドがそう呟くと同時に、ベルオムリが声を上げる。
《さあ、私に挑む愚か者は誰だ!望む者は前に出ろ!》
そう言い、数枚の翼をはためかせ暴風を生み出す。同時に数万の岩を出現させ、正しく雨の如くそれを降らした。俺たちはそれをいなし、上空に浮かぶ竜を見る。丁度岩の雨が降り終わった後、もう一体の竜が出現した。
その竜は随分奇妙な見た目をしていた。
角が3本生えた1つの頭を持ち、体から生える6枚の翼はトンボの様に細く長く透明で、3つの尾の先には固そうなコブを備えている。更に手足から生える指はまるで人間の様である。
《ハルス!まさか2体同時に…!》
《主!警戒しろ、あの2体は三尾竜。それぞれ飛竜と亜竜の根源竜だ!》
レシアルドの叫びと同時に、ハルスが声を上げる。まだ声変わりをしていない子供を思わせる声であった。
《ふ~ん、面白いねぇ。へぇ、神王竜君も味な事するんだね。人と契約する竜なんて、きっと君くらいだよ》
そう言ってハルスは尾を振るう。何も無い空中を振り抜いたにも関わらず、それは衝撃となり辺り一帯を吹き飛ばした。俺は即座に結界を張り防御に徹する。流石最高位竜、小手調べの攻撃も凄まじい。
俺が結界を解くと同時に、ブレアとメレットが飛び出した。
「レシアルド!コイツらは俺たちが請け負う、気にせず進んで!」
「やれやれ、無血は無理そうね」
メレットは余裕を全く崩さずそう言う。彼女は学園の頃からそうだった。権力でも実力でも敵わない相手に、いつも余裕綽々の態度で接する。大した胆力だと俺は感嘆したものだ。
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その時、マセイタが大きく飛翔しベルオムリに突進した。瞬間、ブレア、メレット、マセイタ、ベルオムリ、ハルスの姿が消えた。竜の移動に巻き込まれ、ブレアとメレットが移動させられたのだ。戻るには戦い、勝つ以外に方法は無いだろう。マセイタは体格的に圧倒的不利と見たブレアの加勢に行ったのだろう。俺たちはすぐさま意識を切り替え、再び移動を開始した。
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