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第四章 脚光を浴びる

第151話 イタズラ大魔王 2

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少々ネタに走ってます。肌物とかが苦手な方は今日同じく投稿するもう2話後の話をご覧下さい。

作者より

**********


一度個別にカーテンで仕切り、お互いを見えなくした俺たちは光の膜を取る。俺が感じたのはこうだ。

(体、ちっさ!腕、ほっそ!)

適度に鍛えた普段の身体からしたら新鮮が過ぎていた。裏を返せばコメット君も今俺と真逆の事を思っているのかも知れない。ただ、余りジロジロ見るのもいけないので俺はそそくさと服を着る。下着を着た時点で思った。

「…これ、どうやって着ればいいの?」

なんか色々ホックとかが付いてるけど、着方が分からん。下はいいが、上が…

「アラン君、着替え終わったよ」
「え、早くない?まだ全然何だけど。下着とズボンなら着れたけど…」

その後俺は、カーテン越しの俺の声に教えて貰いながら服を着るのだった。


大体8分程悪戦苦闘した俺はようやく服を着てカーテンを開ける事ができた。シャッとカーテンが開いた目の前にいるのは、紛れも無い俺。コメット君、いやココではアラン君?は俺を見て呟く。

「…すっごい完成度。マジで俺じゃん」

俺はニコっと笑い『でしょでしょ?』と言うのだった。コレを中身37のオッサンがしていると知ったら彼はどう言う反応をするのか、それは誰にも分からない。


俺たちは念には念を押して一度王都に出た後部屋に戻った。俺は何も知らないフリしてアラン君に聞く。

「ただいま~」
「お邪魔します!…ここは?」
「ん~と、俺たちがスキルで作った現実とは違う空間…って言えば良い?」
「へぇ~」

ちょうどその時、セドリック君が出て来た。さて、どうなるどうなる?

「アランお帰り~。コメット君もいらっしゃい、特に何も無いけどゆっくりしていってよ」
「はい、そうさせて頂きます!」

俺はアラン君に魔道具経由の念話を飛ばす。俺達が普段使う念話魔法の術式を埋め込み指先サイズまで小さくしたソレは、体のどこかに貼り付けて置くだけでお互いに念話が使える。

(アラン君、僕の部屋は奥の部屋に行って左から2つ目の扉ね)
(了解!あそこか)

そのまま扉を開けたアラン君は俺を部屋に招き入れる。本来なら逆な気がするのは気のせい。部屋の扉を閉めた後、俺たちはホッと息を吐きあった。

「案外バレなさそうだね。このまま朝まで行けたり?」
「朝になったら元に戻ろっか。それまでにバレたらアウト!って事で」

服の裾を軽く整えた俺は、水入りコップを出してそれを一息に呑む。コキュッコキュと飲んだ後、ふと気になった。

(これ、胃袋の大きさとかも当然変わっているよね?って事は、今は普段の調子で食べると胃もたれするかも)

お腹の辺りを見た時に、左右に分けて流していた前髪が垂れて目に掛かった。見慣れない空色の髪をどかした俺は、アラン君に連れられ再び共用部屋に出る。危険スレスレを通ってこそこう言うのは楽しいんだよ。

ちなみに、この判断を後悔する事になるのに然程時間は必要無かった。
共用部屋に出た時、さっきの間に部屋から出てきたのだろうメレットさんに会った。その瞬間、獲物を見つけた肉食動物の様な視線を向けられ、俺は少しばかり背筋に悪寒が走る。もうバレた訳では無いだろうが、俺は念の為挨拶をしておいた。

「こんにちは…メレットさん?コメットです、よろしくお願いします!」

俺は子供、俺は子供…必死に自己暗示を掛けつつそれを言う。アラン君が苦笑いと言った感じでこっちを見ているが、気にしない。するとメレットさんは肩をプルプル震わせ、そして右手で口を押さえた。

(!?)

俺が反応を不審がると同時に、心を読んだのかブレア君が顔を引き攣らせる。それと同時に、俺の心読まれていると感じた。そしてイタズラの内容を知ったブレア君は俺に念話で声を掛ける。あ、バレたな。

(え、アラン…え?コメット君?あれ?)
(あー…今、俺とコメット君で姿を入れ替えたら案外バレないんじゃ無いか説検証中です。どうか内緒に…)

俺から聞かされたブレア(バレたので君付け解除)は一瞬驚きを見せたが直ぐに普通の顔に戻った。それと同時に気まずそうな声が飛んで来る。

(あっ…うん、成程。多分バレては無いだろうけど…後悔、すると思う。その、メレットが…)
(え?どう言う事?)

俺はメレットさんに視線を戻す。こちらを変わらずじっと見つめるメレットさんに、俺は子供の特権である“キョトン攻撃”を繰り出してみる。それにより、彼女の中の何かしらの堤防が決壊した様だった。

「かっ…」
「?」
「かああぁぁぁわああぁぁぁぁいいいぃぃぃぃ!!!!」
「んぐぇっっ!!!???」

光もビックリの超速で接近されそして抱きしめられる。それにより現在小さくなっている俺の身体は呆気なく捕獲され、俺は苦し気な声を漏らした。

く、苦しい…息が詰まる…!俺は三回りは軽く小さくなった掌でメレットさんをパンパン叩く。ギブギブ!!しかし、彼女が離す気配は無かった。


**********

次回、少々ネタに走ります。肌物が嫌いな方はご注意下さい。真ん中辺りにあります。

作者より
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