151 / 228
第四章 脚光を浴びる
第151話 イタズラ大魔王 2
しおりを挟む
少々ネタに走ってます。肌物とかが苦手な方は今日同じく投稿するもう2話後の話をご覧下さい。
作者より
**********
一度個別にカーテンで仕切り、お互いを見えなくした俺たちは光の膜を取る。俺が感じたのはこうだ。
(体、ちっさ!腕、ほっそ!)
適度に鍛えた普段の身体からしたら新鮮が過ぎていた。裏を返せばコメット君も今俺と真逆の事を思っているのかも知れない。ただ、余りジロジロ見るのもいけないので俺はそそくさと服を着る。下着を着た時点で思った。
「…これ、どうやって着ればいいの?」
なんか色々ホックとかが付いてるけど、着方が分からん。下はいいが、上が…
「アラン君、着替え終わったよ」
「え、早くない?まだ全然何だけど。下着とズボンなら着れたけど…」
その後俺は、カーテン越しの俺の声に教えて貰いながら服を着るのだった。
大体8分程悪戦苦闘した俺はようやく服を着てカーテンを開ける事ができた。シャッとカーテンが開いた目の前にいるのは、紛れも無い俺。コメット君、いやココではアラン君?は俺を見て呟く。
「…すっごい完成度。マジで俺じゃん」
俺はニコっと笑い『でしょでしょ?』と言うのだった。コレを中身37のオッサンがしていると知ったら彼はどう言う反応をするのか、それは誰にも分からない。
俺たちは念には念を押して一度王都に出た後部屋に戻った。俺は何も知らないフリしてアラン君に聞く。
「ただいま~」
「お邪魔します!…ここは?」
「ん~と、俺たちがスキルで作った現実とは違う空間…って言えば良い?」
「へぇ~」
ちょうどその時、セドリック君が出て来た。さて、どうなるどうなる?
「アランお帰り~。コメット君もいらっしゃい、特に何も無いけどゆっくりしていってよ」
「はい、そうさせて頂きます!」
俺はアラン君に魔道具経由の念話を飛ばす。俺達が普段使う念話魔法の術式を埋め込み指先サイズまで小さくしたソレは、体のどこかに貼り付けて置くだけでお互いに念話が使える。
(アラン君、僕の部屋は奥の部屋に行って左から2つ目の扉ね)
(了解!あそこか)
そのまま扉を開けたアラン君は俺を部屋に招き入れる。本来なら逆な気がするのは気のせい。部屋の扉を閉めた後、俺たちはホッと息を吐きあった。
「案外バレなさそうだね。このまま朝まで行けたり?」
「朝になったら元に戻ろっか。それまでにバレたらアウト!って事で」
服の裾を軽く整えた俺は、水入りコップを出してそれを一息に呑む。コキュッコキュと飲んだ後、ふと気になった。
(これ、胃袋の大きさとかも当然変わっているよね?って事は、今は普段の調子で食べると胃もたれするかも)
お腹の辺りを見た時に、左右に分けて流していた前髪が垂れて目に掛かった。見慣れない空色の髪をどかした俺は、アラン君に連れられ再び共用部屋に出る。危険スレスレを通ってこそこう言うのは楽しいんだよ。
ちなみに、この判断を後悔する事になるのに然程時間は必要無かった。
共用部屋に出た時、さっきの間に部屋から出てきたのだろうメレットさんに会った。その瞬間、獲物を見つけた肉食動物の様な視線を向けられ、俺は少しばかり背筋に悪寒が走る。もうバレた訳では無いだろうが、俺は念の為挨拶をしておいた。
「こんにちは…メレットさん?コメットです、よろしくお願いします!」
俺は子供、俺は子供…必死に自己暗示を掛けつつそれを言う。アラン君が苦笑いと言った感じでこっちを見ているが、気にしない。するとメレットさんは肩をプルプル震わせ、そして右手で口を押さえた。
(!?)
俺が反応を不審がると同時に、心を読んだのかブレア君が顔を引き攣らせる。それと同時に、俺の心読まれていると感じた。そしてイタズラの内容を知ったブレア君は俺に念話で声を掛ける。あ、バレたな。
(え、アラン…え?コメット君?あれ?)
(あー…今、俺とコメット君で姿を入れ替えたら案外バレないんじゃ無いか説検証中です。どうか内緒に…)
俺から聞かされたブレア(バレたので君付け解除)は一瞬驚きを見せたが直ぐに普通の顔に戻った。それと同時に気まずそうな声が飛んで来る。
(あっ…うん、成程。多分バレては無いだろうけど…後悔、すると思う。その、メレットが…)
(え?どう言う事?)
俺はメレットさんに視線を戻す。こちらを変わらずじっと見つめるメレットさんに、俺は子供の特権である“キョトン攻撃”を繰り出してみる。それにより、彼女の中の何かしらの堤防が決壊した様だった。
「かっ…」
「?」
「かああぁぁぁわああぁぁぁぁいいいぃぃぃぃ!!!!」
「んぐぇっっ!!!???」
光もビックリの超速で接近されそして抱きしめられる。それにより現在小さくなっている俺の身体は呆気なく捕獲され、俺は苦し気な声を漏らした。
く、苦しい…息が詰まる…!俺は三回りは軽く小さくなった掌でメレットさんをパンパン叩く。ギブギブ!!しかし、彼女が離す気配は無かった。
**********
次回、少々ネタに走ります。肌物が嫌いな方はご注意下さい。真ん中辺りにあります。
作者より
作者より
**********
一度個別にカーテンで仕切り、お互いを見えなくした俺たちは光の膜を取る。俺が感じたのはこうだ。
(体、ちっさ!腕、ほっそ!)
適度に鍛えた普段の身体からしたら新鮮が過ぎていた。裏を返せばコメット君も今俺と真逆の事を思っているのかも知れない。ただ、余りジロジロ見るのもいけないので俺はそそくさと服を着る。下着を着た時点で思った。
「…これ、どうやって着ればいいの?」
なんか色々ホックとかが付いてるけど、着方が分からん。下はいいが、上が…
「アラン君、着替え終わったよ」
「え、早くない?まだ全然何だけど。下着とズボンなら着れたけど…」
その後俺は、カーテン越しの俺の声に教えて貰いながら服を着るのだった。
大体8分程悪戦苦闘した俺はようやく服を着てカーテンを開ける事ができた。シャッとカーテンが開いた目の前にいるのは、紛れも無い俺。コメット君、いやココではアラン君?は俺を見て呟く。
「…すっごい完成度。マジで俺じゃん」
俺はニコっと笑い『でしょでしょ?』と言うのだった。コレを中身37のオッサンがしていると知ったら彼はどう言う反応をするのか、それは誰にも分からない。
俺たちは念には念を押して一度王都に出た後部屋に戻った。俺は何も知らないフリしてアラン君に聞く。
「ただいま~」
「お邪魔します!…ここは?」
「ん~と、俺たちがスキルで作った現実とは違う空間…って言えば良い?」
「へぇ~」
ちょうどその時、セドリック君が出て来た。さて、どうなるどうなる?
「アランお帰り~。コメット君もいらっしゃい、特に何も無いけどゆっくりしていってよ」
「はい、そうさせて頂きます!」
俺はアラン君に魔道具経由の念話を飛ばす。俺達が普段使う念話魔法の術式を埋め込み指先サイズまで小さくしたソレは、体のどこかに貼り付けて置くだけでお互いに念話が使える。
(アラン君、僕の部屋は奥の部屋に行って左から2つ目の扉ね)
(了解!あそこか)
そのまま扉を開けたアラン君は俺を部屋に招き入れる。本来なら逆な気がするのは気のせい。部屋の扉を閉めた後、俺たちはホッと息を吐きあった。
「案外バレなさそうだね。このまま朝まで行けたり?」
「朝になったら元に戻ろっか。それまでにバレたらアウト!って事で」
服の裾を軽く整えた俺は、水入りコップを出してそれを一息に呑む。コキュッコキュと飲んだ後、ふと気になった。
(これ、胃袋の大きさとかも当然変わっているよね?って事は、今は普段の調子で食べると胃もたれするかも)
お腹の辺りを見た時に、左右に分けて流していた前髪が垂れて目に掛かった。見慣れない空色の髪をどかした俺は、アラン君に連れられ再び共用部屋に出る。危険スレスレを通ってこそこう言うのは楽しいんだよ。
ちなみに、この判断を後悔する事になるのに然程時間は必要無かった。
共用部屋に出た時、さっきの間に部屋から出てきたのだろうメレットさんに会った。その瞬間、獲物を見つけた肉食動物の様な視線を向けられ、俺は少しばかり背筋に悪寒が走る。もうバレた訳では無いだろうが、俺は念の為挨拶をしておいた。
「こんにちは…メレットさん?コメットです、よろしくお願いします!」
俺は子供、俺は子供…必死に自己暗示を掛けつつそれを言う。アラン君が苦笑いと言った感じでこっちを見ているが、気にしない。するとメレットさんは肩をプルプル震わせ、そして右手で口を押さえた。
(!?)
俺が反応を不審がると同時に、心を読んだのかブレア君が顔を引き攣らせる。それと同時に、俺の心読まれていると感じた。そしてイタズラの内容を知ったブレア君は俺に念話で声を掛ける。あ、バレたな。
(え、アラン…え?コメット君?あれ?)
(あー…今、俺とコメット君で姿を入れ替えたら案外バレないんじゃ無いか説検証中です。どうか内緒に…)
俺から聞かされたブレア(バレたので君付け解除)は一瞬驚きを見せたが直ぐに普通の顔に戻った。それと同時に気まずそうな声が飛んで来る。
(あっ…うん、成程。多分バレては無いだろうけど…後悔、すると思う。その、メレットが…)
(え?どう言う事?)
俺はメレットさんに視線を戻す。こちらを変わらずじっと見つめるメレットさんに、俺は子供の特権である“キョトン攻撃”を繰り出してみる。それにより、彼女の中の何かしらの堤防が決壊した様だった。
「かっ…」
「?」
「かああぁぁぁわああぁぁぁぁいいいぃぃぃぃ!!!!」
「んぐぇっっ!!!???」
光もビックリの超速で接近されそして抱きしめられる。それにより現在小さくなっている俺の身体は呆気なく捕獲され、俺は苦し気な声を漏らした。
く、苦しい…息が詰まる…!俺は三回りは軽く小さくなった掌でメレットさんをパンパン叩く。ギブギブ!!しかし、彼女が離す気配は無かった。
**********
次回、少々ネタに走ります。肌物が嫌いな方はご注意下さい。真ん中辺りにあります。
作者より
0
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
異世界の片隅で引き篭りたい少女。
月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!
見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに
初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、
さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。
生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。
世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。
なのに世界が私を放っておいてくれない。
自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。
それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ!
己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。
※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。
ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
運命のいたずら世界へご招待~
夜空のかけら
ファンタジー
ホワイト企業で働く私、飛鳥 みどりは、異世界へご招待されそうになる。
しかし、それをさっと避けて危険回避をした。
故郷の件で、こういう不可思議事案には慣れている…はず。
絶対異世界なんていかないぞ…という私との戦い?の日々な話。
※
自著、他作品とクロスオーバーしている部分があります。
1話が500字前後と短いです。
世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる