149 / 228
第四章 脚光を浴びる
第149話 破壊力抜群
しおりを挟む
一度俺とテレッド君以外の人には出て貰い、外で待機させた上で俺は作業を開始する。
俺はセドリックから教えて貰った通りのカルフェラ様の姿を思い浮かべつつ、常識の範囲内でテレッド君に適用する。
「ふおぉぉ……」
まず髪がクリーム色から艶のある漆黒に染まり、次に目がインクが垂れてきた様にジワリと金色に染まる。更に光に当たり虹彩は白色の筋が入る。そして顔のパーツの配置が僅かに変わり、大人びた、しかし幼さを残す顔になる。
更に首から下がカモフラージュ用の光と闇の共存する膜に包まれ、少し経った後身長が一気に20デリ程伸び145デリ程になった。身長伸ばしの前に服を膜の下で俺がそっと脱がしたので服がやられる心配は無い。公然わいせつ罪とかそっち系は知らない。見てないから多分セーフ。
未だ膜を展開した状態で変化を終え、着ていた服が畳まれた状態で排出される。
「一応、出来ました、ね。希望通りにはなったはずです。…服を着て下さい。一度出るので、着終わったら呼ぶなり出て来るなりとお願いします」
「はい!」
本人の要求とは言え膜の下では全裸のテレッド君に未だ困惑中の俺、そして希望通りになって喜ぶテレッド君。この温度差よ。俺は肩を軽く竦めつつ部屋から出た。
「中でお着替え中ですのでもう少々お待ちください」
数分後、お着替えを終えたテレッド君が出てきた。その瞬間の全員の総意はこうである。
「「「「「誰!?」」」」」
「テレッド君です」
「はい!!」
11歳程の少年に見える黒髪金眼の男の子。この世の言葉をどれだけ集めても表せない程の容姿には近くの騎士たちがしばし茫然とした。声の高さもワントーン下がり、これで正体を見抜く人がいるのかって言う変わり様だった。
…ちなみに同時刻、神界にてガンドゥと一緒にアラン達一行を観察
していたカルフェラが突如身悶えし始めたのは彼等には知る由も
無かった。偶然にもアランが仕立て上げた服がカルフェラが今
着ている服に酷似しているのも責任の一端を担っているだろう。
30秒ほどの放心状態から復帰した王族一家がまじまじとテレッド君を見る。そして、アドナン王が結構なガチトーンで俺にこう言った。
「なあ、アラン君。君たちが王城にいる間だけでも私たちにもこの術をかけてくれないかい?」
「え、ええ?」
王都に繰り出した俺たちは当然の如く視線を集めた。名目上は護衛なので近くに一般人に扮した騎士も数名距離を置いて着いてきて、俺たちはテレッド君を真ん中に左右と後ろを護る様に歩いている。
この場に置いてテレッド君は“テレッド・ログワート”は“カルフ・ヘイラ”と言う偽名を使っている。そろそろセドリック経由でカルフェラ様が怒鳴りに来るとかありそうで怖い。会った事ないけど。
道行く人は交流戦の1位2位3位の男たちが歩いているのと、守られている様に見えるカルフ君で話が持ちきりだった。
「あの人達って交流戦優勝者の方々だよな?」
「側にいるあのべらぼうなイケメンは誰かしら」
「あの人、神典の中のカルフェラ様に似て無い?漆黒の髪に白と金の眼!」
「もしや神の使いか?な訳無いか」
俺は心の中で『趣向は違うけどガチ神なら目の前に居るぞ』とツッコむのだった。そんな事を露ほども知らないカルフ君は俺に問う。
「アラン君、申し訳ないんだけど文房具屋に行っても良いかな?」
「勿論、好きな所に行っていいよ。カルフ君が楽しんでくれるならどこでも」
「ありがとう!!」
「「「「「「グホアァ!!!」」」」」」
カルフ君が微笑んだ瞬間に、周りの人が未知のパワーで撃墜された。コントかよ。勿論、当の本人は周りの人が倒れた理由が自分にあるなんて知らない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2の時半の時間から6の時まで俺たちは護衛をした。途中でメレットも合流し、王城に送り届ける前にセドリックとブレアと一緒に先に創作空間に帰って行った。
王都巡りの時はまぁ死者が大量に出た。笑顔を取っても、悩む顔を取っても、困り顔を取っても全てに置いて破壊力が凄すぎる。どこから噂が広まったのか一目見ようと物見に来た人たちが笑顔攻撃を食らって撃墜される様は俺たちの頭を困惑一色で染めた。
「ありがとうございました~!」
「うむ、すまないな。こんなに遅くまで時間を取らせてしまって。他の者達にも感謝を伝えておいてくれ」
「アラン君、ありがとうございました!」
ニッコニコの笑顔のテレッド君を見た後俺は王城を後にした。王都に戻り、さて帰ろうかと思った時俺はある一つのイタズラを思い付く。それに関してニヤ~っと『自分でも悪い顔をしてるな、俺』と感じる笑みを浮かべた後、俺はそれを実行に移した。
俺はセドリックから教えて貰った通りのカルフェラ様の姿を思い浮かべつつ、常識の範囲内でテレッド君に適用する。
「ふおぉぉ……」
まず髪がクリーム色から艶のある漆黒に染まり、次に目がインクが垂れてきた様にジワリと金色に染まる。更に光に当たり虹彩は白色の筋が入る。そして顔のパーツの配置が僅かに変わり、大人びた、しかし幼さを残す顔になる。
更に首から下がカモフラージュ用の光と闇の共存する膜に包まれ、少し経った後身長が一気に20デリ程伸び145デリ程になった。身長伸ばしの前に服を膜の下で俺がそっと脱がしたので服がやられる心配は無い。公然わいせつ罪とかそっち系は知らない。見てないから多分セーフ。
未だ膜を展開した状態で変化を終え、着ていた服が畳まれた状態で排出される。
「一応、出来ました、ね。希望通りにはなったはずです。…服を着て下さい。一度出るので、着終わったら呼ぶなり出て来るなりとお願いします」
「はい!」
本人の要求とは言え膜の下では全裸のテレッド君に未だ困惑中の俺、そして希望通りになって喜ぶテレッド君。この温度差よ。俺は肩を軽く竦めつつ部屋から出た。
「中でお着替え中ですのでもう少々お待ちください」
数分後、お着替えを終えたテレッド君が出てきた。その瞬間の全員の総意はこうである。
「「「「「誰!?」」」」」
「テレッド君です」
「はい!!」
11歳程の少年に見える黒髪金眼の男の子。この世の言葉をどれだけ集めても表せない程の容姿には近くの騎士たちがしばし茫然とした。声の高さもワントーン下がり、これで正体を見抜く人がいるのかって言う変わり様だった。
…ちなみに同時刻、神界にてガンドゥと一緒にアラン達一行を観察
していたカルフェラが突如身悶えし始めたのは彼等には知る由も
無かった。偶然にもアランが仕立て上げた服がカルフェラが今
着ている服に酷似しているのも責任の一端を担っているだろう。
30秒ほどの放心状態から復帰した王族一家がまじまじとテレッド君を見る。そして、アドナン王が結構なガチトーンで俺にこう言った。
「なあ、アラン君。君たちが王城にいる間だけでも私たちにもこの術をかけてくれないかい?」
「え、ええ?」
王都に繰り出した俺たちは当然の如く視線を集めた。名目上は護衛なので近くに一般人に扮した騎士も数名距離を置いて着いてきて、俺たちはテレッド君を真ん中に左右と後ろを護る様に歩いている。
この場に置いてテレッド君は“テレッド・ログワート”は“カルフ・ヘイラ”と言う偽名を使っている。そろそろセドリック経由でカルフェラ様が怒鳴りに来るとかありそうで怖い。会った事ないけど。
道行く人は交流戦の1位2位3位の男たちが歩いているのと、守られている様に見えるカルフ君で話が持ちきりだった。
「あの人達って交流戦優勝者の方々だよな?」
「側にいるあのべらぼうなイケメンは誰かしら」
「あの人、神典の中のカルフェラ様に似て無い?漆黒の髪に白と金の眼!」
「もしや神の使いか?な訳無いか」
俺は心の中で『趣向は違うけどガチ神なら目の前に居るぞ』とツッコむのだった。そんな事を露ほども知らないカルフ君は俺に問う。
「アラン君、申し訳ないんだけど文房具屋に行っても良いかな?」
「勿論、好きな所に行っていいよ。カルフ君が楽しんでくれるならどこでも」
「ありがとう!!」
「「「「「「グホアァ!!!」」」」」」
カルフ君が微笑んだ瞬間に、周りの人が未知のパワーで撃墜された。コントかよ。勿論、当の本人は周りの人が倒れた理由が自分にあるなんて知らない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2の時半の時間から6の時まで俺たちは護衛をした。途中でメレットも合流し、王城に送り届ける前にセドリックとブレアと一緒に先に創作空間に帰って行った。
王都巡りの時はまぁ死者が大量に出た。笑顔を取っても、悩む顔を取っても、困り顔を取っても全てに置いて破壊力が凄すぎる。どこから噂が広まったのか一目見ようと物見に来た人たちが笑顔攻撃を食らって撃墜される様は俺たちの頭を困惑一色で染めた。
「ありがとうございました~!」
「うむ、すまないな。こんなに遅くまで時間を取らせてしまって。他の者達にも感謝を伝えておいてくれ」
「アラン君、ありがとうございました!」
ニッコニコの笑顔のテレッド君を見た後俺は王城を後にした。王都に戻り、さて帰ろうかと思った時俺はある一つのイタズラを思い付く。それに関してニヤ~っと『自分でも悪い顔をしてるな、俺』と感じる笑みを浮かべた後、俺はそれを実行に移した。
0
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
異世界でいきなり経験値2億ポイント手に入れました
雪華慧太
ファンタジー
会社が倒産し無職になった俺は再就職が決まりかけたその日、あっけなく昇天した。
女神の手違いで死亡した俺は、無理やり異世界に飛ばされる。
強引な女神の加護に包まれて凄まじい勢いで異世界に飛ばされた結果、俺はとある王国を滅ぼしかけていた凶悪な邪竜に激突しそれを倒した。
くっころ系姫騎士、少し天然な聖女、ツンデレ魔法使い! アニメ顔負けの世界の中で、無職のままカンストした俺は思わぬ最強スキルを手にすることになったのだが……。
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)
ひなた
ファンタジー
…どうやら私、神様のミスで死んだようです。
流行りの異世界転生?と内心(神様にモロバレしてたけど)わくわくしてたら案の定!
剣と魔法のファンタジー世界に転生することに。
せっかくだからと魔力多めにもらったら、多すぎた!?
オマケに最後の最後にまたもや神様がミス!
世界で自分しかいない特殊個体の猫獣人に
なっちゃって!?
規格外すぎて親に捨てられ早2年経ちました。
……路上生活、そろそろやめたいと思います。
異世界転生わくわくしてたけど
ちょっとだけ神様恨みそう。
脱路上生活!がしたかっただけなのに
なんで無双してるんだ私???
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる