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第一章 神童、爆誕

第5話 さすが神と言うべき力

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そんなこんなで初めての魔法の訓練は終わった。オーティスさんは帰る時に、

「この子たちは過去にも類を見ない程の才能があるかも知れません。今からでも成長が楽しみです。では、私はこれで。警備があるので」
「うん、毎度悪いね。これからも宜しくね」
「わかりました」

なんて言っていた。後から聞いたが、オーティスさんはこの辺りを警備する騎士のリーダーで、僕たちの訓練に来てくれることは父上も予想外だったそうだ。僕たちは夕食前の自由時間を2人きりの話に費やしていた。

「いや~父上と母上のあの表情おもしろかったねぇ~」
「ほんと。少しやりすぎたかも!って思った時にはもう遅かった」

俺たちは笑いながら話を続ける。

「っていうか、僕にどれだけの力与えたのさ。経験0の時点であそこまで出来るなんて」
「僕の力を与えて、しかも目の前に常に僕がいるからね。100%とはいかないにしても、ほぼそれに近い程の力はあるよ」
「ますます洗礼式が怖くなったな」
「もうそれは避けられない」

なんて事を話しながらその日は終わった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

約二ヶ月後。少し肌寒いある日。

「、、、やっちゃった」
「どーするの、これ、、、」

セドリックの目の前には大人が1人倒れている。

「す、凄いですねセドリック様、、。なんていう強さ、、」

オーティスさんがこう呟いてしまうのも無理はない。この人はパウエスさんというCランク騎士で、限りなくBランクに近い強さを持っている人だ。しかしその人が、僕たちの目の前で倒れている。なぜこんなことになったを知るには、時間を少し遡る必要がある。

数時間前。僕たちは最近戦闘用の人形に打ち込みをする訓練をしていたのだが、打ち込みに飽きてしまったのか、

「一試合だけでいいから実際に騎士の誰かと戦ってみたいのですが、いいですか?」

とセドリックが言ったのが始まりだ。

「確かに、実際の人との戦闘訓練も重要だからね。よし、じゃあパウエス、少し相手取ってくれないかい?」

オーティスさんがそういうと、近くにいたパウエスと呼ばれた騎士が答えた。

「問題ありませんよ」

続けてオーティスさんは俺にも、戦うかどうか聞いてきた。

「アラン様はどうする?」
「僕は見学してます」
「わかりました。じゃあパウエス、ちゃんと手加減してね」
「承知しました」

そんなこんなで セドリックvsパウエス が始まった。

「では、両者、、始め!」

オーティスさんの叫びと共に試合が始まる。まずは単純に剣の打ち合いから始める。カンカンカンと木刀がぶつかる音がして、それが約2、3分ほど続き、さらに距離を取っての初等~中等魔法のぶつけ合いがあった後、セドリックが仕掛けに出た。

「はあぁぁぁ!」
「うぉ!?」

セドリックが突撃して体当たりにも等しい飛び掛かりでパウエスに一撃を入れる。しかしここはパウエス、冷静に木刀を構え対処し再び距離を取ろうとする。しかし、パウエスは判断を誤った。突撃を受けるところまでは良かった。そこから回避の行動を取ったせいで、隙が出来てしまった。

「やぁ!」
「ぐほぉ!?」

エルヴィスの蹴りが見事にパウエスの横腹に突き刺さってしまった。元々尖った革靴を履いてるが故、さらに威力も上がるだろう。セドリックは一撃でパウエスをのしてしまった。で、目の前にパウエスが倒れているという訳である。そして今に至る。

「これ起きたらまず謝らなくちゃ、、、」

そのあとパウエスさんが起きた後セドリックは全力で謝っていた。
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