上 下
37 / 49
番外編 ※本編を読んでからお読み下さい。

レンのお仕事2

しおりを挟む
ふぅ。やっと叔父さんから開放された。
さて、東の砦に行く準備をするか。取り敢えず叔父さんに渡された書類を読み込んでおこう。

レイス アスペルガー
   22歳
   男
   貧民街出身
   
とまぁ、こんなところだ。取り敢えず弱気な奴という設定で通そうと思う。配属は明後日からだから明日ここを立つ。

次の日

東の砦には割と早くについた。ここの責任者に挨拶をしに行く。

コンコン

「失礼します。レイス アスペルガーであります。明日付けでこの砦の配属となります。」

ドアを開けた。そこには、丸々と太ったブタ・・・ゲフンゲフン・・・少しふくよかであらせられる男がいた。めんどくさい。もう、ブタでいいか。と自分の中でそう結論づけているとブタが喋り出した。
ブタは、開口一番にこう言った。
「お前か。取り敢えず、有り金をすべてここに置いていけ。」

・・・は?

「あ、有り金ですか・・・!?」
「そうだ。お前もここをクビにはなりたくないだろう?」

   わぁお。来て早々犯人見つけちゃったよ★

予想外のことに俺のキャラがぶれてしまっている。どうしようなー。ここでサクッと殺ってもいいんだけれど、共犯者がいると困るんだよな・・・。

しばらくは耐えるしかないのか。ここは大人しく金を出しておこう。

「わ、わかりました。ですからどうかクビにだけは・・・!」

そう言って取り敢えず有り金すべてをブタの目の前に差し出す。
自分で演じておいて言うのもなんなんだが、この設定めんどくせぇ・・・。

「フンっ。貧民街出身の癖に身の丈に合わぬ金など持ちよって。もういい、下がれ。」

大人しく下がる。部屋から出るとこれまた弱気な男がいた。
「あ、あのっ!あなたが新しく来た方ですか?」
「は、はい。レイス  アスペルガーと言います。」
「ぼ、僕はアルハルト  リューネブルクです。」
ふーん。なんか弱そうなやつだけど、こいつどこかで見たことがある気がするんだよな・・・。
「こ、この砦を案内します。」
そう言って歩き出した。訓練場、食堂、風呂、手洗い、洗濯場と案内してもらい俺の部屋まで案内してもらう。どうやら二人部屋でこいつと一緒らしい。

「ここが部屋です。入ってください。」
部屋に入る。ドアを閉めると、アルハルトの雰囲気が変わった。

「さて、久し振りだねレン。」

びっくりした。こいつは叔父さんの私兵の1人で俺の幼馴染のリオレウスだった。

「リオか!?久し振りだな!!まさかお前も陛下の命でここに来たのか?」
「うん。まさかレンと一緒に仕事をすることになるとは思わなかったよ。」
最近見ないと思っていたらこんなところにいたのか。
「で?どこまで分かった?」
俺がそう聞くとリオはサラリという。

「あー、ここの責任者と隊長。それだけなんだけどね。割と厄介なんだよ。責任者は今すぐにでも殺れるんだけど、隊長がネックでね。」
「どんな風にだ?」
「中々ね隙がないんだ。寝ている時は別としてね。」
でも、とリオは続ける。
「寝ている時は部屋の前に見張りを立てているんだ。2人もね。あとは部屋の中にはありとあらゆるトラップがあって、一度入った時にバレかけたんだ。」
こいつでも手こずるって相当だぞ・・・。どうするかな・・・。


~後書き~
お久しぶりです。前回の更新からかなり時間が経っています。ごめんなさい!!
今日、マラソン大会があったんですよー。サーキットで。結果は39位。割と頑張った方ですね!!まぁ、頑張ったのは置いておいて、凄いんですよ!!中京テレビのPS純金が取材に来ていたんですよー。若しかしたら祐翔も映っているかもですね(笑)放映が楽しみです。
次回もよろしくお願いします!!

しおりを挟む
感想 54

あなたにおすすめの小説

秘密の多い令嬢は幸せになりたい

完菜
恋愛
前髪で瞳を隠して暮らす少女は、子爵家の長女でキャスティナ・クラーク・エジャートンと言う。少女の実の母は、7歳の時に亡くなり、父親が再婚すると生活が一変する。義母に存在を否定され貴族令嬢としての生活をさせてもらえない。そんなある日、ある夜会で素敵な出逢いを果たす。そこで出会った侯爵家の子息に、新しい生活を与えられる。新しい生活で出会った人々に導かれながら、努力と前向きな性格で、自分の居場所を作り上げて行く。そして、少女には秘密がある。幻の魔法と呼ばれる、癒し系魔法が使えるのだ。その魔法を使ってしまう事で、国を揺るがす事件に巻き込まれて行く。 完結が確定しています。全105話。

婚約破棄されなかった者たち

ましゅぺちーの
恋愛
とある学園にて、高位貴族の令息五人を虜にした一人の男爵令嬢がいた。 令息たちは全員が男爵令嬢に本気だったが、結局彼女が選んだのはその中で最も地位の高い第一王子だった。 第一王子は許嫁であった公爵令嬢との婚約を破棄し、男爵令嬢と結婚。 公爵令嬢は嫌がらせの罪を追及され修道院送りとなった。 一方、選ばれなかった四人は当然それぞれの婚約者と結婚することとなった。 その中の一人、侯爵令嬢のシェリルは早々に夫であるアーノルドから「愛することは無い」と宣言されてしまい……。 ヒロインがハッピーエンドを迎えたその後の話。

婚約者から婚約破棄をされて喜んだのに、どうも様子がおかしい

恋愛
婚約者には初恋の人がいる。 王太子リエトの婚約者ベルティーナ=アンナローロ公爵令嬢は、呼び出された先で婚約破棄を告げられた。婚約者の隣には、家族や婚約者が常に可愛いと口にする従妹がいて。次の婚約者は従妹になると。 待ちに待った婚約破棄を喜んでいると思われる訳にもいかず、冷静に、でも笑顔は忘れずに二人の幸せを願ってあっさりと従者と部屋を出た。 婚約破棄をされた件で父に勘当されるか、何処かの貴族の後妻にされるか待っていても一向に婚約破棄の話をされない。また、婚約破棄をしたのに何故か王太子から呼び出しの声が掛かる。 従者を連れてさっさと家を出たいべルティーナと従者のせいで拗らせまくったリエトの話。 ※なろうさんにも公開しています。 ※短編→長編に変更しました(2023.7.19)

婚約者をないがしろにする人はいりません

にいるず
恋愛
 公爵令嬢ナリス・レリフォルは、侯爵子息であるカリロン・サクストンと婚約している。カリロンは社交界でも有名な美男子だ。それに引き換えナリスは平凡でとりえは高い身分だけ。カリロンは、社交界で浮名を流しまくっていたものの今では、唯一の女性を見つけたらしい。子爵令嬢のライザ・フュームだ。  ナリスは今日の王家主催のパーティーで決意した。婚約破棄することを。侯爵家でもないがしろにされ婚約者からも冷たい仕打ちしか受けない。もう我慢できない。今でもカリロンとライザは誰はばかることなくいっしょにいる。そのせいで自分は周りに格好の話題を提供して、今日の陰の主役になってしまったというのに。  そう思っていると、昔からの幼馴染であるこの国の次期国王となるジョイナス王子が、ナリスのもとにやってきた。どうやらダンスを一緒に踊ってくれるようだ。この好奇の視線から助けてくれるらしい。彼には隣国に婚約者がいる。昔は彼と婚約するものだと思っていたのに。

【完結】愛してるなんて言うから

空原海
恋愛
「メアリー、俺はこの婚約を破棄したい」  婚約が決まって、三年が経とうかという頃に切り出された婚約破棄。  婚約の理由は、アラン様のお父様とわたしのお母様が、昔恋人同士だったから。 ――なんだそれ。ふざけてんのか。  わたし達は婚約解消を前提とした婚約を、互いに了承し合った。 第1部が恋物語。 第2部は裏事情の暴露大会。親世代の愛憎確執バトル、スタートッ! ※ 一話のみ挿絵があります。サブタイトルに(※挿絵あり)と表記しております。  苦手な方、ごめんなさい。挿絵の箇所は、するーっと流してくださると幸いです。

婚約者に裏切られた私が幸せになってもいいのですか?

鈴元 香奈
恋愛
婚約者の王太子に裏切られ、彼の恋人の策略によって見ず知らずの男に誘拐されたリカルダは、修道院で一生を終えようと思っていた。 だが、父親である公爵はそれを許さず新しい結婚相手を見つけてくる。その男は子爵の次男で容姿も平凡だが、公爵が認めるくらいに有能であった。しかし、四年前婚約者に裏切られた彼は女性嫌いだと公言している。 仕事はできるが女性に全く慣れておらず、自分より更に傷ついているであろう若く美しい妻をどう扱えばいいのか戸惑うばかりの文官と、幸せを諦めているが貴族の義務として夫の子を産みたい若奥様の物語。 小説家になろうさんにも投稿しています。

公爵令嬢の辿る道

ヤマナ
恋愛
公爵令嬢エリーナ・ラナ・ユースクリフは、迎えた5度目の生に絶望した。 家族にも、付き合いのあるお友達にも、慕っていた使用人にも、思い人にも、誰からも愛されなかったエリーナは罪を犯して投獄されて凍死した。 それから生を繰り返して、その度に自業自得で凄惨な末路を迎え続けたエリーナは、やがて自分を取り巻いていたもの全てからの愛を諦めた。 これは、愛されず、しかし愛を求めて果てた少女の、その先の話。 ※暇な時にちょこちょこ書いている程度なので、内容はともかく出来についてはご了承ください。 追記  六十五話以降、タイトルの頭に『※』が付いているお話は、流血表現やグロ表現がございますので、閲覧の際はお気を付けください。

ごきげんよう、元婚約者様

藍田ひびき
恋愛
「最後にお会いしたのは、貴方から婚約破棄を言い渡された日ですね――」  ローゼンハイン侯爵令嬢クリスティーネからアレクシス王太子へと送られてきた手紙は、そんな書き出しから始まっていた。アレクシスはフュルスト男爵令嬢グレーテに入れ込み、クリスティーネとの婚約を一方的に破棄した過去があったのだ。  手紙は語る。クリスティーネの思いと、アレクシスが辿るであろう末路を。 ※ 3/29 王太子視点、男爵令嬢視点を追加しました。 ※ 3/25 誤字修正しました。 ※ なろうにも投稿しています。

処理中です...