21 / 30
20
しおりを挟む
男が出て行った後、私達はこれからどうするかを話し合った。
「取り敢えず王都の人が多い中心街に行こうと思う。」
カザムさんがそう言った。
「そこで一週間ほど滞在なんですか?」
私が訊ねると、あぁ、と言って
「アイツのことは完全に信用している訳では無いが、あの目は嘘を言っていなかった。」
そうして、明日の明朝この村を出る事にした。その事を宿の人に話すと賢明だ、と言われた。
「あの男爵はこの近くの別荘にいるそうです。早めに出た方が良いでしょう。」
そう言ってくれた。明日は早く出るので、今日のうちに宿代を払っておく。
「いい宿の人で良かったですね。」
「ホントにな。もしこの宿じゃなかったら間違いなくお前捕まってるぞ」
カザムさんがそう言うと、実感が湧いてきた。怖いそんなの嫌だ。顔が真っ青になり自分を抱きしめて震えているとカザムさんが後ろから抱きしめて、言ってくれた。
「大丈夫だ。俺が必ず守る。」
その言葉に安心した。気が緩んだのかいつの間にか眠ってしまった。
エレナが真っ青になって震えている。それを見ると、胸が締め付けられた。思わず抱きしめて囁いていた。大丈夫だ。俺が必ず守る、と。恥ずかしい。今更になってはずかしくなってきた。今の言葉を忘れるようにエレナに言おうとしたが、スースー、と寝息を立てている。それ程に緊張していたんだと思った。エレナの顔を除き見ると、胸の鼓動が早くなった。何故だか分からない。分かることは今の自分がおかしい、という事だけだ。普段こんなに鼓動が早くなるなんて、余程ハードな運動をした時くらいしかならない。この気持ちには蓋をしたはずなのに。何故だ。何故こんなにも俺はおかしいんだ。その想いを振り切るようにエレナをベッドに運び、窓際の椅子に座る。外を眺めても月は見えない、雨はまだ止まない。ベッドで眠るエレナを見る。あぁ、何故こんなにも世界は残酷なのか。叶うはずのない想いを抱えていなければならないなんて両親を失ったばかりのあの幼き頃の憎悪しかなかった俺は想像もしなかっただろう。
ー後書きー
寝ぼけ眼で書いてるので、おかしい所があるもです。
この作品の書評、誤字報告懲りずに受付中です。私はしつこいですからね!!(ホントにな!)
「取り敢えず王都の人が多い中心街に行こうと思う。」
カザムさんがそう言った。
「そこで一週間ほど滞在なんですか?」
私が訊ねると、あぁ、と言って
「アイツのことは完全に信用している訳では無いが、あの目は嘘を言っていなかった。」
そうして、明日の明朝この村を出る事にした。その事を宿の人に話すと賢明だ、と言われた。
「あの男爵はこの近くの別荘にいるそうです。早めに出た方が良いでしょう。」
そう言ってくれた。明日は早く出るので、今日のうちに宿代を払っておく。
「いい宿の人で良かったですね。」
「ホントにな。もしこの宿じゃなかったら間違いなくお前捕まってるぞ」
カザムさんがそう言うと、実感が湧いてきた。怖いそんなの嫌だ。顔が真っ青になり自分を抱きしめて震えているとカザムさんが後ろから抱きしめて、言ってくれた。
「大丈夫だ。俺が必ず守る。」
その言葉に安心した。気が緩んだのかいつの間にか眠ってしまった。
エレナが真っ青になって震えている。それを見ると、胸が締め付けられた。思わず抱きしめて囁いていた。大丈夫だ。俺が必ず守る、と。恥ずかしい。今更になってはずかしくなってきた。今の言葉を忘れるようにエレナに言おうとしたが、スースー、と寝息を立てている。それ程に緊張していたんだと思った。エレナの顔を除き見ると、胸の鼓動が早くなった。何故だか分からない。分かることは今の自分がおかしい、という事だけだ。普段こんなに鼓動が早くなるなんて、余程ハードな運動をした時くらいしかならない。この気持ちには蓋をしたはずなのに。何故だ。何故こんなにも俺はおかしいんだ。その想いを振り切るようにエレナをベッドに運び、窓際の椅子に座る。外を眺めても月は見えない、雨はまだ止まない。ベッドで眠るエレナを見る。あぁ、何故こんなにも世界は残酷なのか。叶うはずのない想いを抱えていなければならないなんて両親を失ったばかりのあの幼き頃の憎悪しかなかった俺は想像もしなかっただろう。
ー後書きー
寝ぼけ眼で書いてるので、おかしい所があるもです。
この作品の書評、誤字報告懲りずに受付中です。私はしつこいですからね!!(ホントにな!)
0
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
妹の妊娠と未来への絆
アソビのココロ
恋愛
「私のお腹の中にはフレディ様の赤ちゃんがいるんです!」
オードリー・グリーンスパン侯爵令嬢は、美貌の貴公子として知られる侯爵令息フレディ・ヴァンデグリフトと婚約寸前だった。しかしオードリーの妹ビヴァリーがフレディと一夜をともにし、妊娠してしまう。よくできた令嬢と評価されているオードリーの下した裁定とは?
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる