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カザムさんが泣いた次の日。空が曇っていて、今にも雨が降りそうだ。
「雨が降るな・・・村まであと少しだから走るか。」
そういったかカザムさんは私を肩に担いだ。
「えっ、きゃあっ」
「悪い。急ぐから我慢してくれ。」
そう言って走り出す。その速さは人を一人抱えているとは思えない速さだ。どんどん景色が変わってゆく。
5分くらい走った所に村があった。カザムさんはその手前で私を下ろしてくれた。
「ほら着いたぞ。早く宿を取らねーと。部屋が埋まっちまう。」
そう言って進んでいく。そうして着いた宿は少しいや、大分老朽化が進んでいた。どうやらこの村にはここしか宿がないらしい。
「いやぁ、あははは・・・・・・大丈夫なのかよここ・・・」
カザムさんは顔を引き攣らせて言う。
「いや、趣のある宿じゃあないですか・・・うん。」
そう言う私も若干顔が引き攣っている。だが、この村にはここしかないのだから仕方がない。宿に入る。その直後、物凄い音がした。後ろを向くとすごい勢いで雨が降っている。良かった。濡れなくて。再び前を向き部屋をとるのだが、何だか身の危険を感じるので同じ部屋で泊まることにした。
「ごめんな。」
カザムさんが謝る。
「気にしないで下さい。仕方の無いことじゃないですか。不可抗力です。」
「いや、この部屋に泊まることに対してもあるが、あと2日はここにいなければならないだろうからな。それに対してもある。」
「えっ!?どういう事ですか!?」
するとカザムさんは外を指差し言う。
「この雨じゃ二日は止まない。お前も濡れながら旅するのは嫌だろう?」
「もちろん嫌ですよ。でも、ここに入ってから降ってきたので良かったですね。」
だから暫くはここで滞在だな、とそう言ったっきり沈黙が続く。
沈黙が辛い。無理やり話題を作って話しかける。
「き、今日のお昼ごはん楽しみですね。」
「そうだな。」
・・・気まづい。何なんだこの沈黙はというか、カザムさん真顔になってる!
「カザムさん。私なんかしましたか?」
「あ?いや、何もしてねーけどどうした?」
キョトンとした顔でカザムさんが聞いてくる。
「え、だってずっと真顔で考え込んでたじゃないですか!」
「それは次に何処へ行くのか考えてただけなんだが・・・」
固まった。するとカザムさんが手を目の前で振ってきた。
「おい、どうした?」
「か、カザムさんが怒ってるのかと思って・・・」
そうカザムさんの目を見て言うと、何故か顔を手で覆った。
エレナはこの時完全に上目遣いになっていた。
いきなりそんな顔すんなよ!・・・っ、俺、顔赤くなってねぇよな!?
そんなことをカザムが思っていることはエレナは知らない。



ー後書きー
どうも、祐翔です。更新が遅れてごめんなさいっ!!
カザムさんが何故か不憫に思えてしまいますね。次はどこに逃げるのか!それは・・・・・・・・・まだ決まってません(`・ω・´)キリッ
いやー最近はなかなか筆が進まなくて・・・困ったものですね。毎日更新できるか心配になってきました。まぁ、頑張ります!!
ではまた次回でお会いしましょう。
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