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どんどんと進んでゆく。冷たい風が頬を撫でてゆく。今は冬だから寒い。体は寒くないが、顔と手が寒い。手はコケるといけないからポケットに入れられない。だから手をこすり合わせて温める。するとカザムさんが私の手を片方とると、手袋を片方渡してくれた。そして手袋をつけていない方の手をとり、手を繋ぐ。
「これだったら少しはマシだろ?」
そう言って彼は笑う。これまでお父さんやお母さんや女友達と手を繋ぐことはあったけど、自分と歳の近い男の人とは手を繋いだことが無かったので照れる。頬が赤くなるのが分かる。
「?どうした、顔が赤くなってんぞ?」
「・・・そ、その・・・これまで手を繋いだ男の人がお父さん以外いなかったから。恥ずかしくて・・・」
顔を下に向けて俯いていた。カザムさんは無言だ。かと思ったら言うのだ。
「お前って箱入りなわけ?」
「・・・多分?」
そうかーというと笑って。
「じゃあお前の初めての手を繋いだ歳の近い男は俺なんだな!」
そう言った。
「ふふっ、そうですね。」
そう言いながら隣の町まで歩く。隣の町へは夕方に着いた。家に帰る人が多い時間帯だからか人が多い。
「人が多いな。はぐれないようにしないとな。手、離すなよ?」
そう言って手を引いて歩いていく。カザムさんが前にたって歩いてくれるから人避けになって歩きやすい。少し行った所にあった商会で持ってきたアクセサリーなどを売る。その中には縁談の時に着ていたドレスもある。その他には本物の宝石を使ったネックレスなどだ。これらは小さいが値がはるはずだ。
「お嬢さん、こんな上等なものばかりを売っていいのかい?あっ、もしかしてそのお兄さんと駆け落ちかい?」
商会のおじさんが聞いてくる。
「駆け落ちじゃないわ。親が持ってきた縁談が嫌で逃げて来たの。彼は逃げる手助けをしてくれているの。もし、私のことを探してる人がいても私がここに居たこと言わないでね?」
するとおじさんは少し笑って言った。
「そんなこと言わないさ。おじさんは嫁さんと駆け落ちした人だから何かしらから逃げる大変さは分かってるから言わない。だから安心おし。」
そう言って鑑定をする。
「本当は500万マルクなんだが、これから逃げるためにお使い。」
そう言って50万マルクをおまけしてくれた。
「お、おじさん。そんな!いいですよ!」
私は必死に断る。すると商会の奥から女の人が出てくる。
「お嬢さん話は聞いたよ。貰っておきなさいな。そうだねぇ、そんなに気にするならまたこの店に来て商品を買っていっておくれ。」
「聞いていたのか?奥さんや」
「聞いてたよ。」
そういった女の人は私の頭を撫でる。確かに安心はするけれど、カザムさんほどではない。
「エレナ。ここは貰っておけ。あまり頑なに断ると失礼だぞ」
カザムさんがそう言う。
「あら、兄ちゃんわかっているじゃないの。そうよお嬢さんここは貰っておきなさい。」
そう言って女の人がお金の入った袋を渡してくれる。
「あ、ありがとうございます!!また絶対に来ますね。」
そう言って商会を出る。
そしてカザムさんと一緒に今日泊まる宿に向かって歩く。


ー後書きー
どうもー祐翔でーす。皆さん元気ですかー?
商会のおじさんと奥さん良い人ですねー。そしてまさかのこのお2人は駆け落ちした人という衝撃的な事が判明!!この2人は今後出てくるのかなー?まだ考え中です。
この作品の書評受け付けてるので、是非書いて下さい!!宜しくお願いします。
ではまた次回でお会いしましょう。
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