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中山side

「さー、裂っ!観念して鍵を開けろよー!」

「・・・」

「はーいそこ、心底めんどくせーみたいな顔すんな!!先輩には快く接しなさい!!」

「・・・・・・」



大学の授業が終わり、さてどうしようかなって思っていたら裂に偶然遭遇。

そして今、そのまま裂の家に突入しようとしている真っ最中。

もー、この目で語るところは高校から変わってないね!



「・・・中山さん、最近よくうち来ますよね」



長いため息を一つ吐いた後、裂はそう呟いた。そう言いながらも鍵を開けてくれてるのがね、さすが裂だよね、うん。

「だって裂の家、大学から近いんだも~ん」
なんて答えつつも、綺麗に掃除されている玄関に足を踏み入れる。

まぁ確かに、その理由にも一理ある。だって徒歩で行き来できるって羨ましすぎるだろ!!俺ん家も大学の方で紹介されてたとこだけど、電車使わなきゃダメだなんだぞ!?裂の家を思うと不公平だーって思うわけよ。



(・・・つっても、まぁ・・・本来の目的はそうじゃないんだけどねー。)



靴を脱いで上がらせてもらうと、少し明るめの声が改めて迎えてくれる。

それを確認するように、少し視線を上げればいる彼女。



「中山さん!また来てくれたんだ!」

「うん、結ちゃん、こんにちは」



お茶を用意すると言ってた先に中に入っていった裂に聞こえない程度の声で返事をする。

勿論、この声の主というのは、



「もー、やっと話し相手が来たよ!って感じですね。」

「いやー、そうは言ってもそんなにおおっぴらには話せないぞ!?結ちゃんと話してるの見られたら裂からしたら俺、変な人になっちゃうからな?」

「中山さん、元から変な人じゃん」

「・・・シャラップ!!」



数ヶ月前に、人身事故で亡くなった

裂の彼女・結ちゃんである。


~後書き~
そう言えばプロフィール載せてなかったなと思ったので載せておきます。

篠原  健太しのはら  けんた
    この作品での主人公の1人。高校の時バスケ部に所属していた。大学ではバスケサークルに参加している。頭が良い。クールなタイプ。

宮迫  結みやさこ ゆい
    この作品の主人公の1人。高校の時は調理部に所属。結構安直な理由で大学に入った。結構アホの子みたいな感じ。死んでから性格がさらにはっちゃけた。


立花  悠真たちばな  ゆうま
     この作品の前作「君にもう一度逢いたい」の主人公。高校の時はバスケ部に所属。大学ではバスケサークルに参加している。普段はとても紳士的。キレると怖い。世話焼きな人。


  中山  光太郎なかやま  こうたろう
        健太と悠真の部活(サークル)の先輩にあたる人物。高校ではバスケ部の主将を務めていた。普段はちょっとテンションがおかしいが、いざという時はとても頼りになる。
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