とある少女のお話

どこでも大佐

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大蜘蛛

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 気づくと私は真っ裸で蜘蛛の巣に捕まっていた。
闇の中から真っ赤な目をした大蜘蛛がやってきて私の身体を弄る。
私大蜘蛛は私の乳房を突いた。膨らみ始めた乳房が尖った爪で押される。
痛い。私は悲鳴をあげる。
けれども、大蜘蛛は私の身体を弄るのをやめようとしない。
私の身体を突き回した蜘蛛は次に私の体を太い糸で乱暴にグルグル巻にしだした。
糸が体をキリキリと締め付けてゆく。内蔵が飛び出そうだ。苦しい。息ができない。
顎が自然と前に突き出し舌が飛び出す。
「おお、偉い子じゃ」と大蜘蛛が嬉しそうに言う。
私の開いた口めがけて大蜘蛛は太い管のようなものを挿し込んでいく。
「うぐう」私は苦しさで嗚咽を漏らす。だが管は喉から食道を通り胃のあたりまで降りてゆった。何かゴロゴロした岩のようなものが私の腸を掻き乱しはじめる。
それと共に私のお腹がボコボコと変形し波打ちだした。意識が飛びそうになる。

「契約の時は近い」大蜘蛛はそう言うとケタケタと笑った。
乱暴に管が抜かれた。

 あまりの激痛に私はそこで目が覚め飛び起きた。
裸電球で照らされた部屋は殺風景なままだった。喉が死ぬほど痛い。そして冷たい空気が肺に飛び込んでくる。もう少しで窒息死するところに思えた。

そして私は真っ裸な事に気付く。駄目だったか。
いや、毎回悪夢を見たその後、私はいつも全裸なのだが、
実は今回、私は脱げないようにツナギの寝間着を着て、寝袋に入って寝たのだ。
けれど今晩も寝袋やツナギの服は部屋の隅の方でクシャクシャに丸まっていた。

そして全身寝汗でびっしょり。
私は枕元においてあったバスタオルで全身の汗を拭き、水をゴクゴク飲む。喉を通る時まだヒリヒリするものの身体の方は水を欲していた。


 私は天井の明かりをつけて恐る恐る身体を確かめだす。蛍光灯の青白い灯が私の裸体を照らす。私はゆっくり異常がないか確かめるようにお腹をさすり胸を撫でた。それは悪夢を見た日の私の日課だ。腹は裂けてないようだった。

今日もまた大蜘蛛に突き刺された場所から薄っすらと出血していた。
私はため息をつくと、今は亡き両親の写真立てを睨んだ。

そうだ。これは全て母が悪いのだ。
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