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⑧勇者と家族の団欒
しおりを挟む「どうだった、クロード。少しは気が晴れたか?」
「うん。ありがとう、リハエル。後で皆にもお礼を言わないとな」
恥ずかしい目どころか三人とも凄い目に合わされていたけど、俺の心はびっくりするほど凪いでいた。あいつらに会ったらトラウマがぶり返すかもしれない、と思っていたのに。
耳を澄ますと、それぞれの部屋から嬌声が聞こえてくる。ロイが、アゲハが、ジャズが、俺の息子達によってみっともなく喘がされている。スカっとする……と、いうより、……少しだけ、感化されてしまいそうだ。
「リハエル……。なあ、俺達も……♡」
「ふ、充てられたか?クロードからの誘いとは珍しい」
「うん……♡復讐なんて関係ない、ラブハメしたい……♡リハエルにおまんこ可愛がってほしい♡子種が欲しくて、おまんこ切ないから……っ♡」
「そう煽るな。いくらでも余の愛を注いでやろう」
小さなリハエルに抱えられて、俺達も二人だけの寝室へと足を向ける。
ふかふかのベッドに寝かせられたところで、「そういえば」とリハエルが何かを思い出したかのように囁いてきた。
「魔力譲渡の魔法を完成させたぞ」
「魔力の、譲渡……?」
「ああ。血の繋がる者からしか譲渡出来ぬといった条件はあるがな。試しにワンドから魔力を貰ったが……、これなら一時的ではあるが元の姿に戻れそうだ」
「へっ」
思わず目を丸くした俺の前で、リハエルの身体がむくむくと大きくなっていく。あどけない美少年が、絶世の美青年……あの時対峙した、魔王の姿へと。
けれど、敵対していた時と違って、今の俺はその姿にときめくことしか出来ない。俺の旦那、かっこよすぎないか……?
「ふう……、やはり、目線が合わせやすくなるのは良いな。可愛い顔を見ながらたっぷり愛してやろう」
「ん、うっ♡」
覆いかぶさってきたリハエルに、ちゅうっとキスをされる。触れ合うだけの可愛いキスなのに、ごりっと感じる下半身は可愛くない。……そうだ、子供姿の時であの巨根だったのに、元に戻ったら一体どれだけ……♡
「は、あ……っっ♡♡リハ、エル……っ♡なか、はやく欲しい……♡リハエルので、いっぱい満たして……♡♡」
「……煽るな、と言ったのだがな」
──それから、一晩中……どころか、朝になるまで。
俺達の家から、声音の違う嬌声が途絶えることはなかった。
【仲間に裏切られた勇者は魔王と一緒に復讐します】
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