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③勇者と魔王の魂胆
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「おはよう。この間ぶりだな、勇者クロード」
「…………?」
運良く……運悪く食べられないまま目が覚めた俺は、目の前の光景を理解することが出来なかった。
そこには、魔王がいた。無力化したから子供の姿になっているとはいえ、俺達と戦った魔王だ。折れた二本の角、漆黒の髪に金色の目。小さくなっても、その傾国しそうな美麗さは変わらない。
辺りの光景は、森の中から、小さいながらも清潔な部屋へとガラッと変わっていた。全裸のままではあるものの、俺は磔から解放されてベッドの上、しかも身体の傷が治っている。
一体、何が、どうして、どうなって……?
「む……、沈黙の呪いか。この程度なら今の余でも解呪出来そうだな」
「……?……っっ!?」
子供姿の魔王が顔を寄せてきて、小さな唇が重ねられる。突然のキスに戸惑った俺は咄嗟に喉を震わせた。
「なっ!ななな何して……ッッ!!……あ、声……、出る、ように……」
「ふふん、力が弱くなろうと余の体液はすごいだろう?貴様の傷も全て舐めて治してやったぞ」
「な、舐め……?」
「ああ。全身隅々まで、な」
ぺろ、と自分の唇を舐める魔王は、子供なのに色気しかなかった。え、というか、全身……って、顔とか手とか腹とか足とか……?
「安心しろ、チンポは尿を拭ってから舐めてやったぞ」
「~~っっ!?舐めなくていいっっ!!!」
「そうまでして、余が貴様を助けた理由が分かるか?」
「……!…………、お前を無力化した俺を、自分の手で殺すため、か?」
「物騒だな!?余の伴侶を殺したりせんぞ!」
「……伴侶?」
「あっ」
パッ、と自分の口を手で隠した魔王は、照れたようにもじもじした後、バツが悪そうに切り出した。
「もっときちんと伝えるつもりだったんだがな……。余は貴様のことが好きで好きでどうしようもないのだ。戦いの最中で抱きついてきた時など、3個ある心臓が全て止まるかと思ったぞ」
「は……?……すき……?」
「余が創った部下から、貴様のことは聞いていた。実際に会うと、可愛くて堪らなくてな……、抱き潰したくなるのを抑えるのに必死で、気がつけばこのザマだ」
はぁ、と溜息を吐く魔王の瞳は、言葉とは裏腹に爛々と輝いている。ぞくりと背筋を這ったのは、恐怖でも気持ち悪さでもなくて……、好かれていることに対する、嬉しさだ。
「これはこれで動きやすくはあるからな、じっくり貴様を落とそうとしたわけだが……。…………あの愚物等めが。余の勇者を辱めたこと、万死に値する」
「ッ……!!ま、魔王、駄目だ、殺すのは……っ!」
ビリビリとした強い殺意に、慌てて待ったをかける。魔王は納得いかない顔で、俺の頬を優しく撫でてきた。
「何故だ?余は貴様のためなら、手を汚すことなど造作もないぞ?貴様は理不尽で卑劣な目にあったのだ、やり返して何が悪い」
「それでも、人を殺してほしくない。……だからといって、許したわけでもないんだ。あいつらには……、俺よりもっと恥ずかしい目にあってほしい」
「ほう?恥ずかしい目か。ならば余の子供に手伝ってもらうとしよう」
「子供……?」
「ああ。余と、貴様の子だ」
「へっ!?」
「魔力さえあれば一人で部下を創れるんだがな。今の余には、貴様に種を注いで子を成すのがやっとだ。そういうわけだ、復讐のために子作りをするぞ、勇者よ」
「はあぁ!?」
もじもじしおらしい魔王どこ行った……!?
逃げようとしても、魔王にマウントを取られたせいで逃げられない。身長は小さいくせに、力は俺よりも強いとか……反則じゃないか?
「元の姿のチンポだと貴様を壊してしまうからな。怪我の功名というものか」
ブルンッッッ♡♡♡
「へ……」
嬉々として下を脱いだ魔王は、とんでもなく立派なブツを取り出した。いや、見た目子供なのにそのサイズはやばすぎじゃ……?元の姿だとこれよりもっと大きいってことか……?
ごくっ……♡♡
生唾を飲み込む音がやけに大きく響いてしまって、顔が燃えるように熱くなる。今のタイミングは駄目だろ……!ちんこ欲しがってるようとしか思えないって!
「ふ、ふふ……♡期待してくれているのか、嬉しいぞ。貴様が痛がることは決してしないと約束しよう」
「っ、待っ……、その、別に子作りしなくてもっ、ほ、他に方法とか……」
「すまぬな、余が貴様を愛したいのだ」
「ぁ、い……っ」
「余の名はリハエル。伴侶となる貴様にだけ、名を呼ぶことを許そう」
「……りは、える…………、んうっ♡」
……きっと俺は、魅了の呪いにかかってしまったんだろう。そうじゃないと、キスをされて嬉しいなんて思うはず、ないんだから……♡
「…………?」
運良く……運悪く食べられないまま目が覚めた俺は、目の前の光景を理解することが出来なかった。
そこには、魔王がいた。無力化したから子供の姿になっているとはいえ、俺達と戦った魔王だ。折れた二本の角、漆黒の髪に金色の目。小さくなっても、その傾国しそうな美麗さは変わらない。
辺りの光景は、森の中から、小さいながらも清潔な部屋へとガラッと変わっていた。全裸のままではあるものの、俺は磔から解放されてベッドの上、しかも身体の傷が治っている。
一体、何が、どうして、どうなって……?
「む……、沈黙の呪いか。この程度なら今の余でも解呪出来そうだな」
「……?……っっ!?」
子供姿の魔王が顔を寄せてきて、小さな唇が重ねられる。突然のキスに戸惑った俺は咄嗟に喉を震わせた。
「なっ!ななな何して……ッッ!!……あ、声……、出る、ように……」
「ふふん、力が弱くなろうと余の体液はすごいだろう?貴様の傷も全て舐めて治してやったぞ」
「な、舐め……?」
「ああ。全身隅々まで、な」
ぺろ、と自分の唇を舐める魔王は、子供なのに色気しかなかった。え、というか、全身……って、顔とか手とか腹とか足とか……?
「安心しろ、チンポは尿を拭ってから舐めてやったぞ」
「~~っっ!?舐めなくていいっっ!!!」
「そうまでして、余が貴様を助けた理由が分かるか?」
「……!…………、お前を無力化した俺を、自分の手で殺すため、か?」
「物騒だな!?余の伴侶を殺したりせんぞ!」
「……伴侶?」
「あっ」
パッ、と自分の口を手で隠した魔王は、照れたようにもじもじした後、バツが悪そうに切り出した。
「もっときちんと伝えるつもりだったんだがな……。余は貴様のことが好きで好きでどうしようもないのだ。戦いの最中で抱きついてきた時など、3個ある心臓が全て止まるかと思ったぞ」
「は……?……すき……?」
「余が創った部下から、貴様のことは聞いていた。実際に会うと、可愛くて堪らなくてな……、抱き潰したくなるのを抑えるのに必死で、気がつけばこのザマだ」
はぁ、と溜息を吐く魔王の瞳は、言葉とは裏腹に爛々と輝いている。ぞくりと背筋を這ったのは、恐怖でも気持ち悪さでもなくて……、好かれていることに対する、嬉しさだ。
「これはこれで動きやすくはあるからな、じっくり貴様を落とそうとしたわけだが……。…………あの愚物等めが。余の勇者を辱めたこと、万死に値する」
「ッ……!!ま、魔王、駄目だ、殺すのは……っ!」
ビリビリとした強い殺意に、慌てて待ったをかける。魔王は納得いかない顔で、俺の頬を優しく撫でてきた。
「何故だ?余は貴様のためなら、手を汚すことなど造作もないぞ?貴様は理不尽で卑劣な目にあったのだ、やり返して何が悪い」
「それでも、人を殺してほしくない。……だからといって、許したわけでもないんだ。あいつらには……、俺よりもっと恥ずかしい目にあってほしい」
「ほう?恥ずかしい目か。ならば余の子供に手伝ってもらうとしよう」
「子供……?」
「ああ。余と、貴様の子だ」
「へっ!?」
「魔力さえあれば一人で部下を創れるんだがな。今の余には、貴様に種を注いで子を成すのがやっとだ。そういうわけだ、復讐のために子作りをするぞ、勇者よ」
「はあぁ!?」
もじもじしおらしい魔王どこ行った……!?
逃げようとしても、魔王にマウントを取られたせいで逃げられない。身長は小さいくせに、力は俺よりも強いとか……反則じゃないか?
「元の姿のチンポだと貴様を壊してしまうからな。怪我の功名というものか」
ブルンッッッ♡♡♡
「へ……」
嬉々として下を脱いだ魔王は、とんでもなく立派なブツを取り出した。いや、見た目子供なのにそのサイズはやばすぎじゃ……?元の姿だとこれよりもっと大きいってことか……?
ごくっ……♡♡
生唾を飲み込む音がやけに大きく響いてしまって、顔が燃えるように熱くなる。今のタイミングは駄目だろ……!ちんこ欲しがってるようとしか思えないって!
「ふ、ふふ……♡期待してくれているのか、嬉しいぞ。貴様が痛がることは決してしないと約束しよう」
「っ、待っ……、その、別に子作りしなくてもっ、ほ、他に方法とか……」
「すまぬな、余が貴様を愛したいのだ」
「ぁ、い……っ」
「余の名はリハエル。伴侶となる貴様にだけ、名を呼ぶことを許そう」
「……りは、える…………、んうっ♡」
……きっと俺は、魅了の呪いにかかってしまったんだろう。そうじゃないと、キスをされて嬉しいなんて思うはず、ないんだから……♡
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