3 / 8
③勇者と魔王の魂胆
しおりを挟む
「おはよう。この間ぶりだな、勇者クロード」
「…………?」
運良く……運悪く食べられないまま目が覚めた俺は、目の前の光景を理解することが出来なかった。
そこには、魔王がいた。無力化したから子供の姿になっているとはいえ、俺達と戦った魔王だ。折れた二本の角、漆黒の髪に金色の目。小さくなっても、その傾国しそうな美麗さは変わらない。
辺りの光景は、森の中から、小さいながらも清潔な部屋へとガラッと変わっていた。全裸のままではあるものの、俺は磔から解放されてベッドの上、しかも身体の傷が治っている。
一体、何が、どうして、どうなって……?
「む……、沈黙の呪いか。この程度なら今の余でも解呪出来そうだな」
「……?……っっ!?」
子供姿の魔王が顔を寄せてきて、小さな唇が重ねられる。突然のキスに戸惑った俺は咄嗟に喉を震わせた。
「なっ!ななな何して……ッッ!!……あ、声……、出る、ように……」
「ふふん、力が弱くなろうと余の体液はすごいだろう?貴様の傷も全て舐めて治してやったぞ」
「な、舐め……?」
「ああ。全身隅々まで、な」
ぺろ、と自分の唇を舐める魔王は、子供なのに色気しかなかった。え、というか、全身……って、顔とか手とか腹とか足とか……?
「安心しろ、チンポは尿を拭ってから舐めてやったぞ」
「~~っっ!?舐めなくていいっっ!!!」
「そうまでして、余が貴様を助けた理由が分かるか?」
「……!…………、お前を無力化した俺を、自分の手で殺すため、か?」
「物騒だな!?余の伴侶を殺したりせんぞ!」
「……伴侶?」
「あっ」
パッ、と自分の口を手で隠した魔王は、照れたようにもじもじした後、バツが悪そうに切り出した。
「もっときちんと伝えるつもりだったんだがな……。余は貴様のことが好きで好きでどうしようもないのだ。戦いの最中で抱きついてきた時など、3個ある心臓が全て止まるかと思ったぞ」
「は……?……すき……?」
「余が創った部下から、貴様のことは聞いていた。実際に会うと、可愛くて堪らなくてな……、抱き潰したくなるのを抑えるのに必死で、気がつけばこのザマだ」
はぁ、と溜息を吐く魔王の瞳は、言葉とは裏腹に爛々と輝いている。ぞくりと背筋を這ったのは、恐怖でも気持ち悪さでもなくて……、好かれていることに対する、嬉しさだ。
「これはこれで動きやすくはあるからな、じっくり貴様を落とそうとしたわけだが……。…………あの愚物等めが。余の勇者を辱めたこと、万死に値する」
「ッ……!!ま、魔王、駄目だ、殺すのは……っ!」
ビリビリとした強い殺意に、慌てて待ったをかける。魔王は納得いかない顔で、俺の頬を優しく撫でてきた。
「何故だ?余は貴様のためなら、手を汚すことなど造作もないぞ?貴様は理不尽で卑劣な目にあったのだ、やり返して何が悪い」
「それでも、人を殺してほしくない。……だからといって、許したわけでもないんだ。あいつらには……、俺よりもっと恥ずかしい目にあってほしい」
「ほう?恥ずかしい目か。ならば余の子供に手伝ってもらうとしよう」
「子供……?」
「ああ。余と、貴様の子だ」
「へっ!?」
「魔力さえあれば一人で部下を創れるんだがな。今の余には、貴様に種を注いで子を成すのがやっとだ。そういうわけだ、復讐のために子作りをするぞ、勇者よ」
「はあぁ!?」
もじもじしおらしい魔王どこ行った……!?
逃げようとしても、魔王にマウントを取られたせいで逃げられない。身長は小さいくせに、力は俺よりも強いとか……反則じゃないか?
「元の姿のチンポだと貴様を壊してしまうからな。怪我の功名というものか」
ブルンッッッ♡♡♡
「へ……」
嬉々として下を脱いだ魔王は、とんでもなく立派なブツを取り出した。いや、見た目子供なのにそのサイズはやばすぎじゃ……?元の姿だとこれよりもっと大きいってことか……?
ごくっ……♡♡
生唾を飲み込む音がやけに大きく響いてしまって、顔が燃えるように熱くなる。今のタイミングは駄目だろ……!ちんこ欲しがってるようとしか思えないって!
「ふ、ふふ……♡期待してくれているのか、嬉しいぞ。貴様が痛がることは決してしないと約束しよう」
「っ、待っ……、その、別に子作りしなくてもっ、ほ、他に方法とか……」
「すまぬな、余が貴様を愛したいのだ」
「ぁ、い……っ」
「余の名はリハエル。伴侶となる貴様にだけ、名を呼ぶことを許そう」
「……りは、える…………、んうっ♡」
……きっと俺は、魅了の呪いにかかってしまったんだろう。そうじゃないと、キスをされて嬉しいなんて思うはず、ないんだから……♡
「…………?」
運良く……運悪く食べられないまま目が覚めた俺は、目の前の光景を理解することが出来なかった。
そこには、魔王がいた。無力化したから子供の姿になっているとはいえ、俺達と戦った魔王だ。折れた二本の角、漆黒の髪に金色の目。小さくなっても、その傾国しそうな美麗さは変わらない。
辺りの光景は、森の中から、小さいながらも清潔な部屋へとガラッと変わっていた。全裸のままではあるものの、俺は磔から解放されてベッドの上、しかも身体の傷が治っている。
一体、何が、どうして、どうなって……?
「む……、沈黙の呪いか。この程度なら今の余でも解呪出来そうだな」
「……?……っっ!?」
子供姿の魔王が顔を寄せてきて、小さな唇が重ねられる。突然のキスに戸惑った俺は咄嗟に喉を震わせた。
「なっ!ななな何して……ッッ!!……あ、声……、出る、ように……」
「ふふん、力が弱くなろうと余の体液はすごいだろう?貴様の傷も全て舐めて治してやったぞ」
「な、舐め……?」
「ああ。全身隅々まで、な」
ぺろ、と自分の唇を舐める魔王は、子供なのに色気しかなかった。え、というか、全身……って、顔とか手とか腹とか足とか……?
「安心しろ、チンポは尿を拭ってから舐めてやったぞ」
「~~っっ!?舐めなくていいっっ!!!」
「そうまでして、余が貴様を助けた理由が分かるか?」
「……!…………、お前を無力化した俺を、自分の手で殺すため、か?」
「物騒だな!?余の伴侶を殺したりせんぞ!」
「……伴侶?」
「あっ」
パッ、と自分の口を手で隠した魔王は、照れたようにもじもじした後、バツが悪そうに切り出した。
「もっときちんと伝えるつもりだったんだがな……。余は貴様のことが好きで好きでどうしようもないのだ。戦いの最中で抱きついてきた時など、3個ある心臓が全て止まるかと思ったぞ」
「は……?……すき……?」
「余が創った部下から、貴様のことは聞いていた。実際に会うと、可愛くて堪らなくてな……、抱き潰したくなるのを抑えるのに必死で、気がつけばこのザマだ」
はぁ、と溜息を吐く魔王の瞳は、言葉とは裏腹に爛々と輝いている。ぞくりと背筋を這ったのは、恐怖でも気持ち悪さでもなくて……、好かれていることに対する、嬉しさだ。
「これはこれで動きやすくはあるからな、じっくり貴様を落とそうとしたわけだが……。…………あの愚物等めが。余の勇者を辱めたこと、万死に値する」
「ッ……!!ま、魔王、駄目だ、殺すのは……っ!」
ビリビリとした強い殺意に、慌てて待ったをかける。魔王は納得いかない顔で、俺の頬を優しく撫でてきた。
「何故だ?余は貴様のためなら、手を汚すことなど造作もないぞ?貴様は理不尽で卑劣な目にあったのだ、やり返して何が悪い」
「それでも、人を殺してほしくない。……だからといって、許したわけでもないんだ。あいつらには……、俺よりもっと恥ずかしい目にあってほしい」
「ほう?恥ずかしい目か。ならば余の子供に手伝ってもらうとしよう」
「子供……?」
「ああ。余と、貴様の子だ」
「へっ!?」
「魔力さえあれば一人で部下を創れるんだがな。今の余には、貴様に種を注いで子を成すのがやっとだ。そういうわけだ、復讐のために子作りをするぞ、勇者よ」
「はあぁ!?」
もじもじしおらしい魔王どこ行った……!?
逃げようとしても、魔王にマウントを取られたせいで逃げられない。身長は小さいくせに、力は俺よりも強いとか……反則じゃないか?
「元の姿のチンポだと貴様を壊してしまうからな。怪我の功名というものか」
ブルンッッッ♡♡♡
「へ……」
嬉々として下を脱いだ魔王は、とんでもなく立派なブツを取り出した。いや、見た目子供なのにそのサイズはやばすぎじゃ……?元の姿だとこれよりもっと大きいってことか……?
ごくっ……♡♡
生唾を飲み込む音がやけに大きく響いてしまって、顔が燃えるように熱くなる。今のタイミングは駄目だろ……!ちんこ欲しがってるようとしか思えないって!
「ふ、ふふ……♡期待してくれているのか、嬉しいぞ。貴様が痛がることは決してしないと約束しよう」
「っ、待っ……、その、別に子作りしなくてもっ、ほ、他に方法とか……」
「すまぬな、余が貴様を愛したいのだ」
「ぁ、い……っ」
「余の名はリハエル。伴侶となる貴様にだけ、名を呼ぶことを許そう」
「……りは、える…………、んうっ♡」
……きっと俺は、魅了の呪いにかかってしまったんだろう。そうじゃないと、キスをされて嬉しいなんて思うはず、ないんだから……♡
22
お気に入りに追加
310
あなたにおすすめの小説



性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた
マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。
主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。
しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。
平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。
タイトルを変えました。
前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。
急に変えてしまい、すみません。
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる