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case2:似非ヤリチン霧雨ゆくるの場合
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タコの化け物みたいなモンが現れたと思ったら、ろくろがちゅーして気絶して攫われてしまった。お嫁さん、って言われてたから嫁になったんだと思う。いや何で?男なのに?でも、いせかいドリップならこれが普通なのかもしれない。知らないけど。
残されたオレ達はというと、あの後やってきた別の人……紫の長髪を後ろで結った褐色の人によって牢屋の外へと解放された。美形とはいえ普通の人間っぽかったけど、よく見たら瞳孔が細長かった。
取り敢えずその人について行くと、なんかこうダンスの練習とかで踊る時の部屋みたいな、一面鏡張りの所に案内された。用意されていた椅子に座ったけど、連れていかれたろくろのことも気になるし、変にそわそわしてしまう。
「おい、ろくろは……、さっきの男はどこにやったんだ」
「煩い。終わるまで黙って座っていろ。チビだと脳まで小さいのか?」
「はあぁ!?てめぇ、今何つった!!」
「まあまあまあ!落ち着いてささら!」
ツンと澄ました男は、ささらの地雷をぶち抜いた挙げ句嘲笑している。うわー、性格悪いなぁ。キレるささらを押さえるのはひらりの役目だ。「コンプレックス持ちツンデレ美味しい」ってなんかいつも呟いてるけど、よく分かんねぇや。
「フンッ。いいか、稀人よ。貴様等は恐れ多くもミカエラ様の結婚式に参列出来るのだ。黙って座っていろ」
偉そうなそいつがそう言うと、椅子の上から動けなくなったし口も開けなくなった。
ささらはそれでも暴れようとしていたみたいだったけど、体力を消耗すると悟ったのか渋々大人しくなった。
というか、ミカエラ様?の結婚式?誰なのかも分からない上に、こんな鏡だけの殺風景な部屋で何が始まるんだろ。
そんなことを思っている内に、唐突に『それ』が始まった。
「あ゛あ゛あああぁっっ♡♡♡ふかい゛っ♡♡触手ちんぽっ♡ごりごりしゅるうぅっっ♡♡♡」
「はあぁ……♡ろくろさんのお嫁さんまんこ、私のおちんぽをもぐもぐ出来て偉いですね♡」
「んぎゅっ♡♡ちんぽっ♡♡旦那しゃまのおちんぽ美味しい……っっ♡♡♡」
「ほら……、ろくろさんの可愛い姿、しっかり見ておきましょうね。今日は私とろくろさんが結ばれる、大切な日なんですから♡」
「ふ、んぷっ♡ひ、ああぁっ♡♡ミカ、エラっ♡♡♡しゅき♡もっとごつごつしてぇ♡♡♡」
鏡だと思っていたのは、どうやらマジックミラーで。
その向こうに現れたのは、今まで見たことがないトロ顔でケツを掘られているろくろの姿だった。
全裸に白い花飾りだけ髪に付けているろくろは、ミカエラと呼んだあいつに後ろから抱き抱えられてちんこも玉もケツも全部晒している。どちらかというとオレ達の中でも常識人で、何かとまとめ役に回ることが多かった、あのろくろが。
「あっ♡♡あ゛あぁっ♡♡♡見えてりゅっ♡♡鏡っ♡旦那さまと繋がってるとこぉっ♡♡♡えへっ♡ん゛、うぅ♡♡」
「っく……、そんなにきゅんきゅん嬉しそうに締められると……、私も嬉しくなってしまいます……♡」
「ミカエラも、ミカエラの触手ちんぽも、だーいすき♡♡♡お嫁さんまんこ、いっぱいいっぱいよしよししてね♡♡」
う、うわー…………。
え、これ、ちょっと、見ちゃいけないやつ……。ヤリチンなんて強がってるけど、童貞のオレには刺激が強いというか、まあ普通に考えてダチのエロい姿見るなんて居た堪れなさすぎでしょ!
喋れなくても顔は動かせる。視線を逸らすと、皆真っ赤になって顔を俯かせていた。いや、あれ?なんかひらりだけにやけてる?気のせいかな。
あんあん♡とろくろの喘ぎ声が響く中、唐突に聞こえたのは性格の悪い人間もどきの声。
「神手族は、陰茎を相手に差し出し、相手の口付けによって婚姻が成り立つ種族だ。稀人相手とて例外はない。……まさか、ミカエラ様があのような凡庸な男に兆すとは予想外だったがな」
え、あのろくろがちゅーしたのってマジでちんこだったんだ。つーか、そんなの知らないんだけど無理矢理すぎじゃね?
「ん゛おおおぉっ♡♡イくイくイぐっっ♡♡♡」
「いいですよ、ろくろさん……♡一緒に、精液ビュービューしましょうね♡」
「ほおおおぉっ♡♡♡お゛っっ♡♡」
今まで以上の声量にびっくりして思わず視線を戻すと、ビクンビクンとろくろの身体が跳ねて射精しているところだった。結合部も丸見えで、みちみちになったケツ穴の縁からどろどろと精液が溢れてる。
「ぁ……♡♡おなか、いっぱい……♡♡♡しあわせ……ぇ……♡♡♡」
ショワアアアアア♡♡♡
……そして、ふにゃりと破顔すると、おしっこまで漏らし始めてしまった。マジックミラーに勢いよく当たって、それこそ滝のように流れ落ちていく。
汚い、とは思えなかった。
「(ろくろ……、すっごいきもちよさそ……)」
大量の触手がろくろを甘やかすように包んでいって、ろくろの下半身が触手に埋もれてしまう。向かい合わせで抱きつく体勢になって深いキスを始めたところで、元の大きな鏡へと変化した。
うわ、オレの顔もすげぇ真っ赤。童貞丸出しじゃん。
「あいあい!遅れてごめんヨー!……って、あれ?もしかして終わっちゃっタ?」
「はぁ……。だから申したであろう、寄り道をするなと」
バンッ!と大きな音を立てて開かれた扉から、また知らない人が現れた。いやもう人間じゃないのは確か。だって頭の上に犬耳あるし!後ろにふわふわの尻尾もある!色は金と黒で性格も似てないようだけど、二人の容姿はそっくりだ。双子かな?
「遅いぞ。この稀人らに邪悪な力がないことは調べ済みだ。後は好きに選んでいけ」
「はいはーイ!えー、皆可愛くて迷っちゃうナ~」
「ルト。彼等に不動と不言の呪をかけておるな?可哀想だ、解いてやれ」
「フン、貴様に命令されるまでもない。……今は口だけ動かせれば充分だろう」
ルトと呼ばれたいけすかない奴が何かを唱えた瞬間、口が動くようになった。多分真っ先にささらがキレるだろうな、と思ったら。
「あのっ!は、早く、身体も、動きたいです……!トっ、トイレに……っ!!」
切羽詰まった声で懇願したのは、あられだった。そういえばこの部屋に通されてからやけに静かだったけど、尿意を我慢してた的な?でも身体が動かないから、押さえたくても押さえられないし、……あれ、結構限界だったりする感じ?
「トイレ?え、なになに、おしっこ行きたいノ?」
「は、い……っ、お、おねがい、します……」
「…………。ルト、エンラ、ボクはこの子もらってくヨ~」
「ひっ!?」
あられの身体が軽々と持ち上げられて、そのままお姫様抱っこで連れ去られてしまった。え、あれ、大丈夫?また突然結婚式とかされない?
「カンラ!……本当にあいつは、良くも悪くも自由な奴だ。ルト、不動の方も早く解くがよい。この者等に悪意はないのであろう?」
「……フン」
あ。動けるようになった。
「こ……っの、クソ野郎!!ろくろとあられを返しやがれ!」
あ。やっぱりささらキレてるや。
小さいから簡単に止められちゃったけど。
「チビの癖に声だけは大きいな。煩くて敵わん」
「ま、また言いやがったな……!この……っっ!」
「な……!」
腕を掴まれたまま器用に足払いをかけたささらが、そのまま縺れ込むように転んでしまった。肉を切らせて骨を断つようなことは、やめた方がいいと思うんだけどな~……。
「ささら、だいじょー、ぶ……?」
おっとこれは。
なんともまあ偶然なのかなんなのか、綺麗に事故ちゅーしちゃってる。
「っ、うわあああぁ!?さ、最悪……っ!なんでこんな奴、と、……はれ?な、にゃんか、めのまえ、ぐるぐる……ひてりゅ……?」
「…………竜人族の体液に毒があるのは常識だろう。ああ、貴様は知らぬのか」
「ど、く……?」
「……仕方ない、抗体を作ってやろう。感謝することだな」
「んきゅ……、あ、いいにおい……」
突っぱねるような言葉とは裏腹に、ささらのことを優しくぎゅっと抱き上げた……ええと、ルトって人は、そのまま連れて行ってしまう。毒とか聞こえてきたけど、大丈夫なんだろうか。
「そなたは、あまり動じておらぬようだな」
「え?」
残ったのは、黒犬耳のちょっと古風なおにーさん。背が高くて筋肉がしっかりしていて、なんというか武人って感じ。
「いやー、結構驚いてるけど?突然知らない牢屋の中で、ダチがどんどん攫われてってるわけだし。あっ、痛いことされたりはしないよね?」
「ああ。それに関しては心配ない。邪悪な稀人の場合は処分する方向だが、そうでない稀人は我らが保護するのが決まりであるからな」
「保護……。それって、ろくろみたいに嫁にされたりえっちなことされたりするってこと?」
「む……。えっ、……ち、などと軽々しく口にするな」
そう言って、恥ずかしそうに視線を逸らすおにーさん。え、なに、かわい。なんかこうグイグイ来る異世界人ばっかりだったからかちょっと新鮮。
「え~、オレのことはおにーさんが面倒見てくれねぇの?」
嫁とかえっちとかは抜きにしても、衣食住は確保しとかないと。同じ男同士だってのに全然嫌悪感が湧かないまま擦り寄って、ずっと気になっていたふわふわの黒い尻尾に触ってみた。わ、予想以上にふわっふわ……!
「そなた……、何をしているのか分かっておるのか?」
「え?あ、尻尾触られんのヤだった?でもさぁ、こんなにフリフリされてたら触りたくなっちゃうじゃん」
「……我等獣犬族の尾に触れることは、交尾の誘いとなるのだが」
「へぇ~……、……えっ、こーび?」
そんなの初見で分かるわけないっしょ。……あれ、でもおにーさんなんかめっちゃもじもじしてるし、照れてんのかな。
……うん、ここは「冗談でした~」って軽く流すのがいいかも。
「そーなん?知らんかったわ~。ま、でも冗談だからさ、さくっと忘れてよ」
「それは出来ぬ相談だ」
「は?」
「雌から受けた誘いを断るなど、我が許せん」
「いや、ちょ……、っわ!?」
大きな身体に抱きしめられて、硬くて大きくなってるそれがゴリゴリと当たってきた。うわやばいめっちゃデカくね!?というかオレ、童貞の前に処女がなくなりそうな感じ!?
「我はエンラ。経験豊富そうなそなたを満足させることが出来るかどうかは分からぬが、誠心誠意善くしよう」
経験豊富どころか童貞なんすけど。
そんな言い訳めいた言葉を口にする前に、手段をぶちゅりと塞がれてしまった。
残されたオレ達はというと、あの後やってきた別の人……紫の長髪を後ろで結った褐色の人によって牢屋の外へと解放された。美形とはいえ普通の人間っぽかったけど、よく見たら瞳孔が細長かった。
取り敢えずその人について行くと、なんかこうダンスの練習とかで踊る時の部屋みたいな、一面鏡張りの所に案内された。用意されていた椅子に座ったけど、連れていかれたろくろのことも気になるし、変にそわそわしてしまう。
「おい、ろくろは……、さっきの男はどこにやったんだ」
「煩い。終わるまで黙って座っていろ。チビだと脳まで小さいのか?」
「はあぁ!?てめぇ、今何つった!!」
「まあまあまあ!落ち着いてささら!」
ツンと澄ました男は、ささらの地雷をぶち抜いた挙げ句嘲笑している。うわー、性格悪いなぁ。キレるささらを押さえるのはひらりの役目だ。「コンプレックス持ちツンデレ美味しい」ってなんかいつも呟いてるけど、よく分かんねぇや。
「フンッ。いいか、稀人よ。貴様等は恐れ多くもミカエラ様の結婚式に参列出来るのだ。黙って座っていろ」
偉そうなそいつがそう言うと、椅子の上から動けなくなったし口も開けなくなった。
ささらはそれでも暴れようとしていたみたいだったけど、体力を消耗すると悟ったのか渋々大人しくなった。
というか、ミカエラ様?の結婚式?誰なのかも分からない上に、こんな鏡だけの殺風景な部屋で何が始まるんだろ。
そんなことを思っている内に、唐突に『それ』が始まった。
「あ゛あ゛あああぁっっ♡♡♡ふかい゛っ♡♡触手ちんぽっ♡ごりごりしゅるうぅっっ♡♡♡」
「はあぁ……♡ろくろさんのお嫁さんまんこ、私のおちんぽをもぐもぐ出来て偉いですね♡」
「んぎゅっ♡♡ちんぽっ♡♡旦那しゃまのおちんぽ美味しい……っっ♡♡♡」
「ほら……、ろくろさんの可愛い姿、しっかり見ておきましょうね。今日は私とろくろさんが結ばれる、大切な日なんですから♡」
「ふ、んぷっ♡ひ、ああぁっ♡♡ミカ、エラっ♡♡♡しゅき♡もっとごつごつしてぇ♡♡♡」
鏡だと思っていたのは、どうやらマジックミラーで。
その向こうに現れたのは、今まで見たことがないトロ顔でケツを掘られているろくろの姿だった。
全裸に白い花飾りだけ髪に付けているろくろは、ミカエラと呼んだあいつに後ろから抱き抱えられてちんこも玉もケツも全部晒している。どちらかというとオレ達の中でも常識人で、何かとまとめ役に回ることが多かった、あのろくろが。
「あっ♡♡あ゛あぁっ♡♡♡見えてりゅっ♡♡鏡っ♡旦那さまと繋がってるとこぉっ♡♡♡えへっ♡ん゛、うぅ♡♡」
「っく……、そんなにきゅんきゅん嬉しそうに締められると……、私も嬉しくなってしまいます……♡」
「ミカエラも、ミカエラの触手ちんぽも、だーいすき♡♡♡お嫁さんまんこ、いっぱいいっぱいよしよししてね♡♡」
う、うわー…………。
え、これ、ちょっと、見ちゃいけないやつ……。ヤリチンなんて強がってるけど、童貞のオレには刺激が強いというか、まあ普通に考えてダチのエロい姿見るなんて居た堪れなさすぎでしょ!
喋れなくても顔は動かせる。視線を逸らすと、皆真っ赤になって顔を俯かせていた。いや、あれ?なんかひらりだけにやけてる?気のせいかな。
あんあん♡とろくろの喘ぎ声が響く中、唐突に聞こえたのは性格の悪い人間もどきの声。
「神手族は、陰茎を相手に差し出し、相手の口付けによって婚姻が成り立つ種族だ。稀人相手とて例外はない。……まさか、ミカエラ様があのような凡庸な男に兆すとは予想外だったがな」
え、あのろくろがちゅーしたのってマジでちんこだったんだ。つーか、そんなの知らないんだけど無理矢理すぎじゃね?
「ん゛おおおぉっ♡♡イくイくイぐっっ♡♡♡」
「いいですよ、ろくろさん……♡一緒に、精液ビュービューしましょうね♡」
「ほおおおぉっ♡♡♡お゛っっ♡♡」
今まで以上の声量にびっくりして思わず視線を戻すと、ビクンビクンとろくろの身体が跳ねて射精しているところだった。結合部も丸見えで、みちみちになったケツ穴の縁からどろどろと精液が溢れてる。
「ぁ……♡♡おなか、いっぱい……♡♡♡しあわせ……ぇ……♡♡♡」
ショワアアアアア♡♡♡
……そして、ふにゃりと破顔すると、おしっこまで漏らし始めてしまった。マジックミラーに勢いよく当たって、それこそ滝のように流れ落ちていく。
汚い、とは思えなかった。
「(ろくろ……、すっごいきもちよさそ……)」
大量の触手がろくろを甘やかすように包んでいって、ろくろの下半身が触手に埋もれてしまう。向かい合わせで抱きつく体勢になって深いキスを始めたところで、元の大きな鏡へと変化した。
うわ、オレの顔もすげぇ真っ赤。童貞丸出しじゃん。
「あいあい!遅れてごめんヨー!……って、あれ?もしかして終わっちゃっタ?」
「はぁ……。だから申したであろう、寄り道をするなと」
バンッ!と大きな音を立てて開かれた扉から、また知らない人が現れた。いやもう人間じゃないのは確か。だって頭の上に犬耳あるし!後ろにふわふわの尻尾もある!色は金と黒で性格も似てないようだけど、二人の容姿はそっくりだ。双子かな?
「遅いぞ。この稀人らに邪悪な力がないことは調べ済みだ。後は好きに選んでいけ」
「はいはーイ!えー、皆可愛くて迷っちゃうナ~」
「ルト。彼等に不動と不言の呪をかけておるな?可哀想だ、解いてやれ」
「フン、貴様に命令されるまでもない。……今は口だけ動かせれば充分だろう」
ルトと呼ばれたいけすかない奴が何かを唱えた瞬間、口が動くようになった。多分真っ先にささらがキレるだろうな、と思ったら。
「あのっ!は、早く、身体も、動きたいです……!トっ、トイレに……っ!!」
切羽詰まった声で懇願したのは、あられだった。そういえばこの部屋に通されてからやけに静かだったけど、尿意を我慢してた的な?でも身体が動かないから、押さえたくても押さえられないし、……あれ、結構限界だったりする感じ?
「トイレ?え、なになに、おしっこ行きたいノ?」
「は、い……っ、お、おねがい、します……」
「…………。ルト、エンラ、ボクはこの子もらってくヨ~」
「ひっ!?」
あられの身体が軽々と持ち上げられて、そのままお姫様抱っこで連れ去られてしまった。え、あれ、大丈夫?また突然結婚式とかされない?
「カンラ!……本当にあいつは、良くも悪くも自由な奴だ。ルト、不動の方も早く解くがよい。この者等に悪意はないのであろう?」
「……フン」
あ。動けるようになった。
「こ……っの、クソ野郎!!ろくろとあられを返しやがれ!」
あ。やっぱりささらキレてるや。
小さいから簡単に止められちゃったけど。
「チビの癖に声だけは大きいな。煩くて敵わん」
「ま、また言いやがったな……!この……っっ!」
「な……!」
腕を掴まれたまま器用に足払いをかけたささらが、そのまま縺れ込むように転んでしまった。肉を切らせて骨を断つようなことは、やめた方がいいと思うんだけどな~……。
「ささら、だいじょー、ぶ……?」
おっとこれは。
なんともまあ偶然なのかなんなのか、綺麗に事故ちゅーしちゃってる。
「っ、うわあああぁ!?さ、最悪……っ!なんでこんな奴、と、……はれ?な、にゃんか、めのまえ、ぐるぐる……ひてりゅ……?」
「…………竜人族の体液に毒があるのは常識だろう。ああ、貴様は知らぬのか」
「ど、く……?」
「……仕方ない、抗体を作ってやろう。感謝することだな」
「んきゅ……、あ、いいにおい……」
突っぱねるような言葉とは裏腹に、ささらのことを優しくぎゅっと抱き上げた……ええと、ルトって人は、そのまま連れて行ってしまう。毒とか聞こえてきたけど、大丈夫なんだろうか。
「そなたは、あまり動じておらぬようだな」
「え?」
残ったのは、黒犬耳のちょっと古風なおにーさん。背が高くて筋肉がしっかりしていて、なんというか武人って感じ。
「いやー、結構驚いてるけど?突然知らない牢屋の中で、ダチがどんどん攫われてってるわけだし。あっ、痛いことされたりはしないよね?」
「ああ。それに関しては心配ない。邪悪な稀人の場合は処分する方向だが、そうでない稀人は我らが保護するのが決まりであるからな」
「保護……。それって、ろくろみたいに嫁にされたりえっちなことされたりするってこと?」
「む……。えっ、……ち、などと軽々しく口にするな」
そう言って、恥ずかしそうに視線を逸らすおにーさん。え、なに、かわい。なんかこうグイグイ来る異世界人ばっかりだったからかちょっと新鮮。
「え~、オレのことはおにーさんが面倒見てくれねぇの?」
嫁とかえっちとかは抜きにしても、衣食住は確保しとかないと。同じ男同士だってのに全然嫌悪感が湧かないまま擦り寄って、ずっと気になっていたふわふわの黒い尻尾に触ってみた。わ、予想以上にふわっふわ……!
「そなた……、何をしているのか分かっておるのか?」
「え?あ、尻尾触られんのヤだった?でもさぁ、こんなにフリフリされてたら触りたくなっちゃうじゃん」
「……我等獣犬族の尾に触れることは、交尾の誘いとなるのだが」
「へぇ~……、……えっ、こーび?」
そんなの初見で分かるわけないっしょ。……あれ、でもおにーさんなんかめっちゃもじもじしてるし、照れてんのかな。
……うん、ここは「冗談でした~」って軽く流すのがいいかも。
「そーなん?知らんかったわ~。ま、でも冗談だからさ、さくっと忘れてよ」
「それは出来ぬ相談だ」
「は?」
「雌から受けた誘いを断るなど、我が許せん」
「いや、ちょ……、っわ!?」
大きな身体に抱きしめられて、硬くて大きくなってるそれがゴリゴリと当たってきた。うわやばいめっちゃデカくね!?というかオレ、童貞の前に処女がなくなりそうな感じ!?
「我はエンラ。経験豊富そうなそなたを満足させることが出来るかどうかは分からぬが、誠心誠意善くしよう」
経験豊富どころか童貞なんすけど。
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