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case2。タマンボ病【尿道責め】
幸せすぎて溶けちゃいそう
しおりを挟む──それはもう、ねちっこく。
愛撫だけで何度もイかされて、唇がぽってりするまでキスされて、とろとろになるまでじっくり解されて、気持ちいいところを何度も突かれて、甘く優しく抱きしめられて──……、目が覚めた時には、ベッドの上、裸のカケルと抱き合っていた。
「あ、れ……、カケル……?」
「起きた~?おはよ、ツヅリ君。一応身体は綺麗にしたけど、痛いとことかない?」
「いたい、とこ……、……~~~っっ!!あ、あぁ、おまっ、お前……!!お、おお俺にあんな……っ!!」
「ん、元気そーだね」
にま、と微笑んでくるカケルに対して、何をどう怒っていいのか分からなくなる。悔しくて恥ずかしいことに、気持ちよかった感覚を全部覚えているからだ。男に掘られたなんて、それこそ憤怒もののはずなのに、何故か満たされた気持ちでいっぱいで。
今まで気づかずにギチギチに溜まっていたものが、溢れてしまいそうだ。きっかけなんて覚えていないけど、これは、きっと……そういうことなんだろう。
「……俺、今、どんな顔してる……?」
「顔?それはもう……、幸せすぎて溶けちゃいそう~、みたいな、すっごく可愛い顔♡」
「っ……、そう、かよ……」
ああ、くそ、どうすればいいんだ。
片想いを自覚した途端に両想いなんて。
「カケル……」
「クリニック内に食堂あるから、お腹空いてたらそこで……」
「好き……」
「何か食べ……、……え?」
「好き。好き……、カケル……、ぁ、やば、好きだ、大好き……」
「へっ!?ツ、ツヅリ君、えっ、寝ぼけてる?」
「珍しく慌ててる顔も好き、にまっと笑う顔も好き、料理が下手なとこも好き、涙脆いとこも好き、ノリがいいところも、優しいところも、ふとした瞬間の真剣な表情も、全部好き……」
「ま、って、……ストップ。デレが過ぎない……?ほんと、ちょっとお口閉じて……」
「待たない」
昨日のお返しをするようにそう告げて、俺は、枷がなくなった恥ずかしい告白を……とことん溢れさせることにした。
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