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case2。タマンボ病【尿道責め】
片想いしてるなんて有り得ない
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「え……、玉の色おかしくない?」
「は?」
童貞卒業を目前にした、今現在。
ワンナイトの相手である女の子がドン引きしながら指差したのは、俺のチンポ……の、下の玉。
これからヤろうって時に何なんだ。
出鼻を挫かれつつ、そこを見下ろした俺は、
「なっ、っんだ、これ!!???」
ツルツルの薄紅色に染まった金玉を見て、引きつった悲鳴をあげた。
*****
「あーっははははは!!嘘でしょ!?何それ!?ガチでさくらんぼじゃん!くふっ、チェリー君って呼んであげよっか?」
「うっせぇ!だから見せたくなかったんだよ!」
転がり込むように突撃したマンションの一室、股間を晒すという格好をしているだけでも屈辱というか恥辱なのに。
頼らざるを得なかったそいつは、俺の現状を見て笑い飛ばしてきやがった。
「あー、腹痛い~。くふふっ、笑って悪かったって。医学部の僕に任せな~?」
「医学部中退な!」
「あはは!確かに!は~い、ちんちん持ち上げててねチェリー君♡」
「っ、次その名前で呼んだらころす!」
「きゃー、こわーい」
チェリー君なんて不名誉な名前で呼んでくるこいつは、ホストをやっているカケルだ。俺の隣の部屋に住んでいて、数年前、酔い潰れた彼を介抱してから何だかんだ駄弁る仲になった。
チャラくて馬鹿みたいな振る舞いが多いのに、中退したとはいえ医学部に受かるくらいだから頭の回転は速いし面倒見もよかったりする。正直、このバカっぽいキャラもわざと作ってんじゃないかと思う。
「あー、やっぱこれタマンボ病だわ」
「たまんぼ……?」
「ガッコで習わなかった?おばかなチェリ……ツヅリ君に分かりやすく説明すると、金玉がさくらんぼみたいな色になるわけ。そんで、玉ん中に種が出来ちゃうから、それを取り出さないとならんのよ。そしたら治療終了、元の玉に戻るって寸法よ」
「……ふーん。学校なんてサボってたけど馬鹿は余計だ。治るんだったら早く治してくれよ、カケル。こんな見た目じゃ碌に女も抱けねぇし」
「んー……?ツヅリ君、僕のこと好きなん?」
「っ、はあぁ!?何キモいこと聞いてんだよ!」
「だよね~。知らないみたいだけど、こういった奇病の発症原因は拗らせた片想いで、治療はその片想いの相手に手伝ってもらわないといけないんだよ。ツヅリ君さ、誰かに片想いしてる感じ?」
「片想い?俺が?誰に?」
「いや、僕は分かんないって。えー、うーん、無自覚か~」
「はっ……、俺が誰かに恋してるわけないだろ。治療が片想い相手限定ってのも嘘っぱちじゃねぇの?」
「それは聞き捨てならないかな~。実際にデータもあるわけだし、ちょーっと検索しただけで色んな症例や治療内容も引っかかるし」
「じゃあ、試しにお前がやってみろよ。片想い相手じゃなくても治るってことが分かればいいんだろ」
「うっわ、上からすぎ。……ま、いーや。どうせ今日暇だし。近くのおちんぽクリニック行こっか」
「おちっ……!?何だその馬鹿みたいな名前!」
「ツヅリ君さぁ……、前からだけど世間知らずなとこあるよね」
哀れむような目を向けてくるカケルにイラつくものの、俺に知識がないのは事実だ。タマンボ病なんて名前も初めて聞いたしな。
俺が誰かに片想いしてるなんて有り得ないから、発症原因からして嘘っぱちってことになるんだろうけど。
ずらしていたパンツやスキニーを穿き直して、俺はそんな風に──、今思うとあまりにも軽い気持ちで、『治療』に臨んだ。
*****
「は?」
童貞卒業を目前にした、今現在。
ワンナイトの相手である女の子がドン引きしながら指差したのは、俺のチンポ……の、下の玉。
これからヤろうって時に何なんだ。
出鼻を挫かれつつ、そこを見下ろした俺は、
「なっ、っんだ、これ!!???」
ツルツルの薄紅色に染まった金玉を見て、引きつった悲鳴をあげた。
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「あーっははははは!!嘘でしょ!?何それ!?ガチでさくらんぼじゃん!くふっ、チェリー君って呼んであげよっか?」
「うっせぇ!だから見せたくなかったんだよ!」
転がり込むように突撃したマンションの一室、股間を晒すという格好をしているだけでも屈辱というか恥辱なのに。
頼らざるを得なかったそいつは、俺の現状を見て笑い飛ばしてきやがった。
「あー、腹痛い~。くふふっ、笑って悪かったって。医学部の僕に任せな~?」
「医学部中退な!」
「あはは!確かに!は~い、ちんちん持ち上げててねチェリー君♡」
「っ、次その名前で呼んだらころす!」
「きゃー、こわーい」
チェリー君なんて不名誉な名前で呼んでくるこいつは、ホストをやっているカケルだ。俺の隣の部屋に住んでいて、数年前、酔い潰れた彼を介抱してから何だかんだ駄弁る仲になった。
チャラくて馬鹿みたいな振る舞いが多いのに、中退したとはいえ医学部に受かるくらいだから頭の回転は速いし面倒見もよかったりする。正直、このバカっぽいキャラもわざと作ってんじゃないかと思う。
「あー、やっぱこれタマンボ病だわ」
「たまんぼ……?」
「ガッコで習わなかった?おばかなチェリ……ツヅリ君に分かりやすく説明すると、金玉がさくらんぼみたいな色になるわけ。そんで、玉ん中に種が出来ちゃうから、それを取り出さないとならんのよ。そしたら治療終了、元の玉に戻るって寸法よ」
「……ふーん。学校なんてサボってたけど馬鹿は余計だ。治るんだったら早く治してくれよ、カケル。こんな見た目じゃ碌に女も抱けねぇし」
「んー……?ツヅリ君、僕のこと好きなん?」
「っ、はあぁ!?何キモいこと聞いてんだよ!」
「だよね~。知らないみたいだけど、こういった奇病の発症原因は拗らせた片想いで、治療はその片想いの相手に手伝ってもらわないといけないんだよ。ツヅリ君さ、誰かに片想いしてる感じ?」
「片想い?俺が?誰に?」
「いや、僕は分かんないって。えー、うーん、無自覚か~」
「はっ……、俺が誰かに恋してるわけないだろ。治療が片想い相手限定ってのも嘘っぱちじゃねぇの?」
「それは聞き捨てならないかな~。実際にデータもあるわけだし、ちょーっと検索しただけで色んな症例や治療内容も引っかかるし」
「じゃあ、試しにお前がやってみろよ。片想い相手じゃなくても治るってことが分かればいいんだろ」
「うっわ、上からすぎ。……ま、いーや。どうせ今日暇だし。近くのおちんぽクリニック行こっか」
「おちっ……!?何だその馬鹿みたいな名前!」
「ツヅリ君さぁ……、前からだけど世間知らずなとこあるよね」
哀れむような目を向けてくるカケルにイラつくものの、俺に知識がないのは事実だ。タマンボ病なんて名前も初めて聞いたしな。
俺が誰かに片想いしてるなんて有り得ないから、発症原因からして嘘っぱちってことになるんだろうけど。
ずらしていたパンツやスキニーを穿き直して、俺はそんな風に──、今思うとあまりにも軽い気持ちで、『治療』に臨んだ。
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