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おもらし姿に興奮中

前編

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恋人の前で失禁してしまった受けくんのお話。

タイトルまんまな小スカネタです♡
何でも美味しく食べる方向けです!

攻め:南田(みなみだ)黒髪。サイドで小さく三つ編みしてる。恋人の北藤を溺愛している。
受け:北藤(きたふじ)茶髪。真面目な優等生で流されやすい。気持ちいいことが好き。


☆☆☆☆☆


 それは、完全な不可抗力から起きてしまったものだった。

 自転車部の練習の途中、急激な尿意に襲われてサイクルジャージのままトイレに向かっていたオレと、部室に戻ってくる途中だった南田が運悪く衝突してしまった。切羽詰まって気配を察知出来なかったオレも悪いし、前方不注意だったらしい南田も悪い。不幸な事故、としか言いようがないだろう。

 勢いよくぶつかったとはいえ、反動で倒れるほど柔な身体じゃない。だから、「おわっ!?」「いたっ!」と反射的に叫んで後ろにたたらを踏む程度で済んだ。……南田だけは。

 予想していなかった衝撃に、オレは一瞬我慢を忘れた。忘れてしまった。

 抑制をなくした膀胱が決壊するのなんて、本当にあっという間で。

 ジョロッ……

「あ……っ、あ、駄目だ、っ……!」
「北藤……?」

 プショオオオォォッ♡ジョバジョバババッ♡♡

 訝しがる南田を気にすることなんて勿論出来ず、オレは勝手に流れ出てくる水音を愕然とした思いで聞くことしか出来なかった。ジョワ、とくぐもっていたのは最初だけで、すぐに激しい音に変わったおしっこがサイジャを色濃く染めて水溜まりを作っていく。今更前を押さえても、生暖かい液体の感触が手に伝わるだけで、ただただ恥ずかしくて情けなくなるばかりだ。

 ……大学生にもなって、南田の前で、こんな所で、漏らしてしまうなんて。

 こんなことになるくらいなら、あんなに水分を摂るんじゃなかった。でも、南田がオレが好きだって言ってたジュースをわざわざくれたんだから、飲まないわけにはいかなかったし。
 ……ああ、後悔したところでもう遅い。じわりと滲んだ視界でも、これが現実であることがありありと分かってしまう。

 南田に軽蔑されるのだけは嫌だと、働かない思考に鞭を打って言い訳がましい言葉を組み立てる。こんな時に限って、お喋りなオレの口は上手く動いてくれない。

「み、南田……、きらいに、ならない、で」

 言ってしまった後に、なんて女々しいことをと恥ずかしくなった。もう、混乱やら羞恥やらでいっぱいいっぱいだ。

 ぐるぐるする思考のまま縋るような思いで南田を見れば、奴はどうやら硬直しているようだった。……まあ、いきなり目の前で恋人が漏らしたんだ、吃驚して当然だろう。そこに嫌悪の色は見当たらなくてホッとしたけど……、あらぬ所までが硬直していることに気付いて思わず二度見した。
 幻覚かと思ったけど、違う、まごうことなく現実だ。

「……み、南田?……なんで、前……、反応してるんだ……?」
「…………うーん……、マジかぁ……、ノーマルかと思ってたんだけどなぁ……」

 オレの問いかけには答えず、後頭部をがしがしと掻いた南田は、呆然とするオレに向かって欲を孕んだ目を向けてきた。
 ぞくりと背筋が震えたのは、冷えた下半身のせいだけではないはずだ。

 ……嫌われることはなかったものの、確実に変な方向へと転がっていったこの日を境に、オレと南田の奇妙で変態な行為が始まってしまった。


*****


 オレが漏らす姿に興奮した、と。

 端的に説明すると、つまりそういうことだった。……分かりたくは、なかったけど。

 南田のことは好きだけど、まさかこんな性癖があるとは思わなかった。本人も気付いていなかった……というか、オレが目覚めさせてしまった、らしい。

 けれど、幸か不幸か、南田は飲み込みが早く。一般的にはマニアックと称されるであろうそれを素直に受け入れてしまった。オレもオレで惚れた弱みというやつで付き合う羽目になって……。

 まあ、恋人の願いは出来るだけ叶えてあげたいという根っからの性格が後押しして、自ら羞恥の沼にずぶずぶと入っていったわけだけど。決してあの行為が好きでやっているわけではない、ということだけ明言しておく。人前で粗相をして興奮するなんて、……そんなこと、有り得ないんだから。

「……あ、南田」
「んー、なぁに」
「そろそろ、……げ、限界、なんだけど」

 内腿をすり合わせて前を押さえる情けない姿。他の奴等には絶対見せられない体勢になっているオレは、現在進行形でトイレに行くのを禁止されていた。

 寮の部屋にトイレが備え付けられているのに、そこに行けない辛さで足踏みが速くなる。南田からのGOサインが出ない限り、オレはひたすら我慢しなければいけないんだ。

 南田からの茶々という名のセクハラにも耐えてきた……ん、だけど。それももう、限界で。許しを乞うように南田を見つめるが、返ってきたのは何とも無慈悲な言葉だった。

「漏れそうならこれにしちゃおうか」
「…………は?」

 トイレに行きたいというオレの要望はさらりと躱され、南田はあろうことか白い塊を突き付けてきた。それが何なのか分からない程オレも馬鹿じゃない……けど、健全な成人男性が付ける物ではないと断言は出来る代物で。

 白い塊、……紙おむつと呼ばれるそれを前にして、思わず言葉をなくしたオレに、南田はとどめをさすように畳み掛けてくる。

「このまま服着たまま漏らすのと、これに漏らすのどっちがいい?早く選ばないと決壊するんじゃない?」
「っ……、く」

 選ばせる、なんて言っているけど実質選択肢は一つだ。ここで南田を無視してトイレに駆け込むという選択肢は端から存在しない。そんなことをしたら最後、もっと恥ずかしい目に合わされてしまう。悲しいことに、既に一度体感済みだ。

 股間をぎゅっと押さえたまま、オレは覚悟を決めてそれの名を口にした。

「おむ……つ、穿く、から……」
「ん。じゃあ穿かせてあげる」
「っ!?そ、それくらい自分で……っ」
「出来るの?」

 意地悪な笑みを浮かべて問いかけてくる南田に、オレは反論することが出来なかった。今両手を離したら、確実に漏れてしまう。そのことが分かっている上で敢えて聞いてくるのだから、タチが悪いなんてもんじゃない。羞恥のメーターは一気に振り切られて、もう今は恥ずかしさよりも尿意の方を強く感じてしまう。はやく、……はやく、出して、楽になってしまいたい。

「……無理、だ、から、早く……ぅ」
「素直にそう言えばいいんだよ。脱がせるから、漏れないように我慢しような」
「ん、う……」

 反論する気力もないまま、南田に促されて股間を押さえていた手を一瞬だけ離した。その隙を狙って、ずる、と下着ごと下ろされたハーフパンツ。外気に触れたことで思わずぶるりと震えて放出してしまいそうになったけど、両手でぎゅっと塞き止めてなんとか暴発を防いだ。
 それでも少し……、ほんの少しだけ手が濡れてしまったけど、セーフだと思いたい。

 そろそろと片方ずつ上げた足から、布の塊と化したそれを抜き取られる。明るい部屋の中で下半身を晒しているという状況に、かあっと頬が熱を持つ。ヤることはヤってるけど、オレだけがこんな情けない格好なんて恥ずかしすぎる……っ。

 羞恥と尿意で震えるオレを満足そうに見上げてきた南田は、手に取った紙おむつを足元で広げてきた。足を通せ、ということだろう。ここまで来たらもうヤケだ。決壊しないように、素早く足を穴に通すと、南田はするするとおむつをスライドしていった。

「北藤。手どけて」
「……わ、かっ、た」
「穿けたらすぐ漏らしていいからね」

 情けないことに声すらも震えていたオレは、解放の時が近いと知って歓喜と羞恥と混乱とで思考がぐちゃぐちゃになっていた。ぐっ、とオレの手を巻き込んで穿かされたおむつは、あまりにも心許ない。

 けれども、南田に「ほら、出しちゃお」なんて優しい響きの声音で囁かれただけで、従順になってしまっているオレの身体は勝手にその行為を始めていた。

「ん、や……ぁっ♡」

 おむつから手を引き抜くのとほぼ同時に、たぷりと溜まっていた膀胱のダムが、決壊した。

 ショワアアアァッ、とくぐもった水音が無音の空間を引き裂いていく。限界まで我慢をしていたせいで、足はガクガクと震えて、……それ以上に襲い来る快感も相まって、びくびく跳ねてしまう。生暖かく湿っていく股間が気持ち悪いのに、尿道から勢いよく放出される解放感がたまらなく気持ちいい。きっと今のオレは、見るに耐えないふやけた顔をしていることだろう。

「いっぱい出てるね、北藤?」
「あ……っ、言う、な……ぁ」
「すっごくえっちな顔してる」
「ひゃっ、ぁ!や、触るな、ばか……っ」
「ふふ、あったかいね」

 水分を含んでずっしりと質量を持ったオレの股間を意地悪く触られて、弱まりかけていたそれがジョロジョロと触発されてしまう。このままだとおむつに含みきれずに溢れてしまうかもしれない。……そう思っても、やわやわとちんこを弄ってくる南田の手を振り払える程の気力は残っていなかった。

「ちょっと固くなってきたんじゃない?」
「う……、それは、お前が、触るから、……ぁ!」
「気持ちいいから反応してるのは北藤だよね。素直に言えばいいのに」
「っあ……、んぅ」

 ぐしゅりと響く生温い感触は、ただただ快感に変わっていく。ちょろ、と残滓を吐き出した身体が震えるも、南田の手は止まらない。いくらおむつ越しとはいえ、汚いから離せと上擦った声で訴えるけど、少しも聞く耳を持ってくれない。
 ……じわじわ威力を増してくる羞恥と快感とで、目の前の南田にすがりつくようになってしまったのは全くの不可抗力だ。

「……全部出せた?」
「…………ん……」
「それじゃ、替えてあげるから横になろっか」
「え」

 その言葉の意味を理解した時には、オレの身体は背後にあったベッドへと押し倒されていた。いくら惚けていたとはいえ、自分があっさり沈められたことに動揺してしまう。
 ……けど、そんな動揺も、次の瞬間には風のように掻き消えた。
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